作成日
:2024.01.04
2024.01.04 14:28
2024年1月のポンド相場は、英国の経済指標と金利動向に注目!
円高とポンドの上値の重さによりポンド円はレンジまたは下落予想
1月のポンド円は、日銀のマイナス金利解除観測による円買いが原因で下落すると予想しています。主要中銀は、コロナ禍やウクライナ情勢などから進んだ物価高抑制のために利上げを行ってきましたが、日銀は緩和政策を維持してきたことで、円は弱い通貨となっていました。
その結果、マイナス金利通貨である円を売り、高金利通貨である米ドルなどを買って金利を受け取る円キャリートレードがトレンドとなりました。キャリートレードにより、2023年11月14日の週には、IMM通貨先物ポジションで13万枚を超える記録的な円売りの先物ポジションが積みあがったのです。
11月時点におけるドル円は152円付近でしたが、その後日銀によるYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正や撤廃の噂がささやかれたことで、円売りポジションは少し解消され始めました。そして12月に入ると氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁によるタカ派発言でマイナス金利解除の期待が進み、円売りポジションが大幅に解消されています。
円売りポジションの解消が進んだ結果、2023年12月19日の週における円売りの先物ポジションはピーク時の半分、約6万5000枚まで低下しています。2023年初めのころは円売りポジションが約2万枚であったことから、そこまでポジション解消が進むようであれば1月の円相場は円買いに傾く可能性が高いと思われます。
高まっているマイナス金利解除の期待は、12月に行われた日銀金融政策決定会合で見事に裏切られ、日銀は現状維持を発表しています。会合後は一時的に円安が進みましたが、3月や4月に行われる日銀の会合でマイナス金利は解除されるとの期待がまだ残っており、円の買い戻しが進んでいます。
1月は再度マイナス金利の解除に関するヒントを探し、期待が高まれば円の買い戻しがさらに進むと考えられます。どこまで円売りの先物ポジションが解消しているのかを確認しながら、円買いがどこまで進むのかに注意しておきたいと思います。
マイナス金利解除に関する発言と円売りポジションに注目!
12月末時点の、ポンド円日足チャートです。12月のポンド円は、やや下落してレンジ相場を形成しています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
利下げ織り込み終盤のドル安によりポンドドルは上昇またはレンジ!
1月のポンドドルは、ドル安によって上昇する可能性が高いと考えています。しかしFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げが織り込み済みになるとポンドドルの上値は重くなり、レンジ相場に移行すると予想されます。
FF金利先物市場の価格データから予想されるFRBの政策金利予想では、12月末時点で2024年3月に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ予想が85%を超えています。また2024年末には3.75%〜4.00%以下となる予想が80%を超えているのです。前回12月のFOMCにおける政策金利は5.25%〜5.50%だったことから、マーケットでは2024年の間に1.50%の利下げを織り込んでいることになります。
1回の利下げ幅が0.25%と考えるならば、年8回あるFOMCのうち、6回利下げを実施することになります。ちなみに12月FOMCで発表された金利見通し(ドットチャート)の中央値では、2024年末に4.50%〜4.75%となっており3回の利下げが予想されています。
マーケットはFRBの予想よりも3回多く織り込んでおり、そろそろ利下げ織り込みは終了し、利下げ織り込みによるドル売りも終了すると考えています。どのタイミングで利下げ織り込みが終了するのか、雇用統計やCPI(消費者物価指数)などの経済指標と要人発言に注意しておきたいと思います。
仮に織り込みすぎた利下げ期待が後退するようであれば、売られ過ぎた米ドルが買い戻されることも予想されるので注意が必要です。
対してポンドは、これから利下げの織り込みが進む可能性があり、さらにポンドが売られる可能性があります。米ドルの利下げ織り込みが進む間はポンドドル上昇、米ドルとポンドともに進むようであればポンドドルはレンジ、利下げ織り込みが後退すればポンドドルは下落すると考えています。
1月はまだポンドドル相場が下落に移行しないと思いますが、レンジになる可能性は高く、相場の転換点になると注目しています。
FRBの利下げ織り込みを確認するためにも金利に注目!
12月末時点での、ポンドドルの日足チャートです。12月のポンドドルは、上昇トレンドを描いています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
1月のポンド相場は、利下げ期待にどこまで耐えられるのかがポイントになると考えています。主要国の中で、最もタカ派なのが英国です。12月に行われたBOEの金融政策発表によると、英国中央銀行金融政策委員会(MPC)メンバーの投票配分は市場予想を裏切り、11月と同様の利上げ票が3票投じられました。
したがってBOEとしては、追加利上げを匂わせることで長期金利を高く保ち、インフレを抑制させて景気の後退を避けたいと考えていると思われます。英国がタカ派姿勢をどこまで維持できるのかがポンドの下支えにつながると考えています。
12月に発表された英国のCPI(消費者物価指数)は市場予想を大幅に下回り、前年比で3.9%まで低下しています。またコア指数に関しても、前回の5.7%から5.1%まで低下しています。インフレ抑制のために英中銀は利上げを行っていたため、マーケットから物価の低下は好感視され、3月の利下げ確率は50%まで期待が高まっています。
1月に発表される12月CPIが市場予想と11月の結果を下回るようであれば利下げ確率は高まり、ポンドの上値は抑えられるのではないかと考えています。
また英国の7〜9月期GDPは-0.1%とマイナス成長となっています。1月に発表される10〜12月期のGDP速報値がマイナス成長となれば2期連続のマイナス成長、つまりテクニカルリセッションとなります。
リセッションとなれば、経済下支えのために利下げ期待が高まります。その他にも雇用者数や失業率など英国の経済を測れる経済指標を確認し、利下げ期待が高まらないかに注目しておきましょう。
12月のポンドは、方向感に乏しい1か月になると予想しています。
作成日
:2024.01.04
最終更新
:2024.01.04
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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