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ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は

ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は

update2024.11.14 20:30

2024年以降、ゴールドの価格は上昇傾向にあり、投資対象としてより一層の注目を集めるようになりました。ゴールドを取引しようと考えている方の中には、EAを使用した自動売買を検討している方もいるのではないでしょうか。さまざまなゴールド用の自動売買プログラムがネット上で配布されていますが、ゴールドラッシュシリーズの1つである「ゴールドラッシュXM」というEAがよく検索されているようです。この記事では、ゴールドラッシュXMのランディングページで謳われている「1ヵ月で取引資金が2倍に」、「破綻リスクはほぼゼロ」という宣伝文句に違わぬ実力が備えられているのか、フォワードテスト・バックテストを実施して検証しました。目次[非表示]ゴールドラッシュXMのフォワードテスト結果2024年9月ゴールドラッシュXMのバックテストの結果2023年のバックテスト結果2024年のバックテスト結果検証結果からわかるEAの実力、触れ込みからは程遠い月利100%は難しいまさにコツコツドカンなEA破綻回避「IP機能」は扱いづらい提示パフォーマンスにはスワップが含まれていない設定の自由度が低い利用するならトレンド相場に注意ゴールドラッシュXMのフォワードテスト結果1ヶ月間ゴールドラッシュXMのデモ版を使用して、フォワードテストを実施しました。テスト時の条件・設定は以下のとおりです。利用するのは、XMTrading(エックスエムトレーディング)のデモ用のスタンダード口座です。口座資金15万円で検証を実施し、EAの設定は、基本的にゴールドラッシュXMの公式が推奨している設定にしました。なお、複利で運用するモードである「アインシュタインモード」と、両建てにして損失を固定する「IPポジション機能」はオフにしています。(*1)(*2)(*1)アインシュタインモードを有効にすると、資金が2倍になるとロット数も2倍になります。(*2)IPポジション機能とは、両建てすることで損失を固定し、口座資金の大半を失うことを回避する機能です。オンにすると手動で決済注文を出す必要があり、純粋な取引戦略の検証がしづらいのでオフにしています。2024年9月2024年9月2日~25日のフォワードテストの結果は以下のようになりました。25日までの損益は69,035円のプラスで46%分の利益を出しています。9月は損益グラフが右肩上がりで推移しており、経済指標やイベントの影響をあまり受けることなく、安定して利益をあげています。最大ドローダウンは4.93%と、含み損が大きく膨らむ場面もありませんでした。後述するバックテストでは、触れ込みどおりのパフォーマンスを発揮するケースが少なくなっていますが、9月はゴールドラッシュXMが得意とする相場だったといえるでしょう。エラーに注意今回の検証ではデモ版を使用したためか、検証中にEAが停止して決済できないことがありました。ゴールドラッシュXMを使用する際は、念のため注意したほうが良さそうです。ゴールドラッシュXMのバックテストの結果ゴールドラッシュXMのバックテストの結果を確認してみました。2023年から提供されているEAであるため、バックテストの期間は2023年1月~2024年7月としています。取引開始時の口座資金および取引ロット数の設定は下表のとおりです。口座資金1万ドル1ポジション目の取引ロット0.01ロット(稼働最低金額:10万円に対して0.01ロット)口座資金1万ドル1ポジション目の取引ロット0.01ロット(稼働最低金額:10万円に対して0.01ロット)バックテストでは、24時間フル稼働で運用した場合と推奨されている取引時間(MT4サーバー時間5:00~15:00)で運用した場合の2パターンのテストをとっています。なお、オンにすることを推奨されているIP機能は、裁量取引で決済する必要があるため、オフとしています。そのほか、1ヵ月間強制ロスカットされずに乗り切れることが稀であったため、口座資金を毎月初めに1万ドルにリセットする想定で運用しました。2023年のバックテスト結果まずは2023年1月~12月のバックテスト結果を見ていきましょう。取引時間を設定せずフル稼働(2023年)2023年1年間で約-819%と大幅な赤字でした。単月でプラスとなったのは1月と7月の2回のみで、その他の月は強制ロスカットとなっています。単月プラスで終えた月の利益率を見てみると1月は月利90%、7月は月利76.29%となっており、月利だけを見ると大幅な利益にも見えます。しかし、1ヵ月の間で1度でも負けると強制ロスカットで-98%にとなり回復が困難な損失が出てしまいます。そのため、リスクリワード比が良いとはいえません。月ごとの運用結果は下表を参照ください。24時間フル稼働した場合の損益(2023年)2023月損益最大月利1月8999.538999.5390.00%2月-9,847.16916.84-98.47%3月-9,857.951,148.95-98.58%4月-9,845.10320.80-98.45%5月-9,844.82903.10-98.45%6月-9,847.287,023.20-98.47%7月7,628.687,628.6876.29%8月-9,847.34103.00-98.47%9月-9,878.0280.90-98.78%10月-9,858.514,754.15-98.59%11月-9,844.491,302.04-98.44%12月-9,863.5377.07-98.64%トータル-81,905.9933,258.26-819.05%推奨設定で運用(2023年)MT4サーバー時間5:00~15:00のみを取引時間とする設定が推奨されているため、パラメータを推奨設定に合わせて再テストしました。なお、同じく推奨されているIP機能(140pipsの含み損で両建て)は、裁量取引で決済する必要があるため、オフにしています。推奨設定で2023年の1年間分のバックテストをとると、損益は約-508%となりました。推奨の取引時間で運用した場合の損益(2023年)2023月損益最大月利1月4908.14908.149.08%2月2,568.702,568.7025.69%3月-9,853.60828.00-98.54%4月-9,845.90192.10-98.46%5月-9,837.501,029.20-98.38%6月3,548.603,548.6035.49%7月3,327.403,327.4033.27%8月-9,846.2420.10-98.46%9月-9,856.79263.70-98.57%10月-9,860.801,858.50-98.61%11月3,742.803,742.8037.43%12月-9,836.40386.70-98.36%トータル-50,841.6322,673.90-508.42%フル稼働時はプラスで終えた月が2回のみだったものが、推奨設定で運用した場合は5回となり、フル稼働時と比べると強制ロスカットのリスクは軽減しているといえます。しかし依然として強制ロスカットになる可能性は高いといえるでしょう。また、強制ロスカットにならなかった月の利益は稼働時間を限定しているため少なくなっており、リスクリワード比は悪化しています。2024年のバックテスト結果続いて2024年の相場でゴールドラッシュXMを運用していた場合の損益がどうなっていたか、実際にバックテストをとって確認しました。期間は1月~7月です。2023年の検証と同じく、取引時間設定をせずフル稼働した場合と取引時間を推奨設定に合わせた場合の2パターンを検証しました。その他のテスト環境も2023年と同様です。取引時間を設定せずフル稼働(2024年)7ヶ月間フル稼働で運用した場合、トータルで-446.9%となりました。単月をプラスで終えた月は2月と6月の2回でした。月間の最大利益では4,000ドル~6,000ドル程度となったタイミングは複数あるものの、最終的には強制ロスカットとなることが多いようです。なお、月利が100%を超えることはありませんでした。24時間フル稼働した場合の損益(2024年)2024月損益最大利益月利1月-9,845.63706.01-98.46%2月4,056.444,056.4440.56%3月-9,840.50217.80-98.41%4月-9,821.366,159.36-98.21%5月-9,814.933,997.69-98.15%6月380.464,307.303.80%7月-9,806.016,242.35-98.06%トータル-44,691.5325,686.95-446.93%推奨環境で運用(2024年)提供元が推奨している時間設定で運用した場合、7ヵ月で約-208.3%となりました。単月をプラスで終えた月は3回となり、フル稼働時と比べて増えています。推奨の取引時間で運用した場合の損益(2024年)2024月損益最大残高月利1月-9,843.74388.00-98.44%2月3,773.003,773.0037.73%3月-7,235.425,113.90-72.35%4月-9,831.165,986.94-98.31%5月5,576.965,576.9655.77%6月-9,818.461,014.54-98.18%7月6,550.706,550.7065.51%トータル-20,828.1228,404.04-208.27%検証結果からわかるEAの実力、触れ込みからは程遠いここまで確認してきたことを踏まえると、ゴールドラッシュXMの実力はランディングページで謳われているような実力からは程遠いといえるでしょう。月利100%は難しい1年7ヵ月分のバックテストによる検証から、ランディングページに記載されている月利100%を達成するのは非常に困難であるといえます。月利100%を超えた月は1度も無く、最大で90%となっています。その次に大きかったのが76%であり、90%でも上ブレといえるでしょう。またボラティリティの小さいレンジ相場では薄利となりやすい点もネックです。例えば2024年6月のレンジ相場では、利益が3.8%となっています。24時間フル稼働した場合の損益(2024年)ゴールドラッシュXMのロジックを理解したうえで、適切なタイミングで稼働すれば月利100%を達成できる可能性はあるものの、再現性は低いといえるでしょう。少なくとも初心者が安定して利益をあげるのは難しいと感じられます。まさにコツコツドカンなEA月利100%の達成が困難である点は宣伝文句と相違があり、問題がありそうですが、EAを運用するうえでは大きな問題になりません。たとえ100%に満たなくても損失が少なければ使い続ける価値はあるでしょう。しかし、ゴールドラッシュXMはバックテスト結果から分かるとおり強制ロスカットになる頻度が高いため損失が大きくなりやすく、コツコツドカンの状況になりやすいEAといえます。公式サイトでは、10万円の資金に対して0.01ロットが最低条件とされていますが、今回のテストでは、15万円に対して0.01ロットと、余裕を持たせてバックテストを行いました。しかし、強制ロスカットされずに終えた月は19ヵ月中8回(24時間フル稼働では4回)にとどまりました。利益は少しずつ積み上がっていくのに対して、相場が合わないと1度のトレードで強制ロスカットとなり、一気に資金を失ってしまう恐れがあります。破綻回避「IP機能」は扱いづらいゴールドラッシュXMでは、強制ロスカットの頻度が高いという弱点への対策としてIntelligence Protection(以下、IP機能)という機能が設けられています。IP機能とは、ナンピン数が最大の状態になったうえでさらに含み損が増えると、自動で両建てポジションを持つ機能です。ランディングページでは「IP機能を搭載することで破綻リスクは、ほぼゼロに!」と記載されています。たしかにIP機能があることで、両建てを用いて含み損を固定することで、強制ロスカットを一時的に回避できるので、両建てになったポジションを保有し続ければスワップ損益以外で破綻することはありません。その点ではナンピン以外の機能が無いナンピンマーチン型EAと比べて耐久性は高いといえます。ただし、IP機能は最大までナンピンを重ねて、含み損が膨らんだ状態での両建てであり、含み損の状態が継続するだけなので、根本的な解決にはなっていません。また、IP機能による両建てポジションは、自動で解消されず、手動で行う必要があるため、使いこなすのが難しいことも問題です。すでにポジションを抱えた状態での両建て解消は、裁量トレードで利益を出すよりも難易度が高くなりやすいです。公式サイトではIP攻略マニュアルが配布されており、両建て解除の戦略が2例紹介されていますが、ロジック化はされておらず、活用できる場面は限られるでしょう。なぜなら、IP機能が発動するタイミングでは、ナンピンが最大数になるほど、エントリー方向とは逆向きのトレンドが発生している状態であることが想定されます。長期的に強いトレンドが続いていると、たとえ一時的にプラスの方向に動いて両建てを解消できたとしても、再び損失方向に相場が戻る可能性が高いです。その場合、IP機能の両建ては、ほとんど効果を期待できません。結局、長期的なトレンド相場では、IP機能による両建ては一時しのぎでしかないため、破産するまでの時間稼ぎといえるでしょう。提示パフォーマンスにはスワップが含まれていないゴールドラッシュXMではナンピンの最大ポジション数が決められているため、意図せずポジションを長期的に保有してしまう可能性があります。本来であれば長期保有になった場合は、値動きによる含み損益以外にスワップポイントによる損益も考慮しなければなりません。しかし、ゴールドラッシュXMのロジックはスワップ損益が考慮されていないため、スワップポイントによる損失の影響でポジションの損益がマイナスになってしまうケースにも注意が必要です。例えば、XM Tradingのスタンダード口座で1ロットのゴールドのポジションを保有した場合、買いでは1日あたり約7,700円が差し引かれ、売りでは約3,000円のスワップが付与されます。ゴールドラッシュXMをスタンダード口座で使用する場合は、スワップによる取引コストも考慮しましょう。なお、KIWAMI極口座をご利用の場合、ゴールドはスワップフリーで取引できます。FX業者のスワップポイントは、下記のページで比較できるので、参考にしてみてください。参照:スワップポイント比較設定の自由度が低いゴールドラッシュXMにはナンピンの最大数、ナンピンする間隔、ナンピンpips、利確pipsなど一般的なEAに搭載されている設定項目が搭載されていません。相場状況に応じて微調整ができないため、最適化しにくいといえます。EAの最適化とは?最適化とは、エキスパートアドバイザ(EA)のパラメータを変更し、より多くの利益が上がるように調整する作業のことです。EAのパラメーターの数値を少しずつ変更して複数回バックテストを行い、成績の良いパラメータを採用します。一般的なEAなら、強いトレンドが続くとき、ナンピンでエントリーする間隔を広げるなど、相場に合わせた細かな調整ができます。しかし、ゴールドラッシュXMは細かい設定ができないため、EAのオン・オフでしか対応できず、自由度は低いです。さらに、ナンピンの間隔が固定されているため、値動きの大きさが変わっても対応できません。今後、ゴールドの値動きがさらに大きくなった場合も適応が難しくなるでしょう。利用するならトレンド相場に注意ゴールドラッシュXMはナンピンマーチン型のEAのためトレンドが発生すると損失が大きくなります。一般的なナンピンマーチン型EAと違い、一方的なトレンドへの対策としてIP機能が搭載されてはいるものの、両建てポジションの解除には裁量トレードのスキルが必要です。そのため結局は、エントリー方向と逆向きのトレンドが発生している時は非常に扱いにくいといえます。バックテストの結果から分かる通り、単月では利益となっている月もあるため、タイミングを見計らって上手く運用すれば、利益を出せる可能性はあります。しかし、「初心者でも空き時間でカンタン」にできるようなEAではなく、運用方法を慎重に検討する必要があり、初心者には扱いが難しいEAだといえるでしょう。当サイトMyforexでは、トレードの運用成績を可視化・共有できるポートフォリオ機能を提供しています。「運用成績をグラフで確認したい」、「他のトレーダーの成績を見てみたい」と考えている方はぜひお試しください。参照:ポートフォリオ
【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

update2024.11.07 19:00

「日足、1時間足、さらに15分足...」こうした複数チャートの照合に苦戦している方におすすめしたいのが、「複数チャートの同期スクロールインディケータ」です。MT4/MT5でこのインディケータを使えば、チャートウインドウをあれこれと見比べる手間が省けます。中には、「ショートカットキーで操作できる」「チャートの右側を隠せる」など、追加機能を持つインディケータもあり、検証作業の効率をより高められます。本記事では同期スクロールインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。目次[非表示]MTF分析したいのに...MT4/MT5では手動同期が必要インディケータを使えば楽々と同期できる!MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールできるインディケータを使ってみた縮尺が同期する「ChartSyncs」MT4とMT5が同期する「ChartScrollSync」グループ別に同期が選べる「SyncScroll」多機能な検証ソフトで使える「Chart Aliner」右側非表示で練習もできる「チャートシフトツール」チャートを同期スクロールするインディケータはどうやって選べばいい?まさに有料級!トレード練習もできるのがチャートシフトツール自動スクロール&チャート非表示を使って検証可能!他のツールと組み合わせるとオブジェクトも同期できる同期スクロールできるインディケータで分析を効率化しようMTF分析したいのに...MT4/MT5では手動同期が必要マルチタイムフレーム分析(MTF分析)とは、複数の時間足のチャートを同時に見比べる分析方法で、取引精度を高めるために役立ちます。具体的には、日足と1時間足と15分足などを同時に見比べ、相場の全体的な流れをより多角的に把握します。チャートがあればできるMTF分析は、MT4やMT5でももちろん可能です。直近の値動きを追うだけなら、目視のみでMTF分析を済ませられる場合もあるでしょう。しかし、次の画像の青枠部分のように、時間足をさらに過去まで遡って確認したい場合はどうでしょうか。この場合、目視だけで確認するのは難しくなります。まず下位足のローソク足に垂直線をつけてみて、上位足のチャートで同じ時間を確認して、またローソク足に目印をつけて...などと手間がかかる操作をしなければいけません。インディケータを使えば楽々と同期できる!そこで活躍するのが、複数の銘柄や時間足のチャートを同期できるインディケータです。このインディケータを使えば、どれだけ過去に遡っても寸分違わず同じ日・同じ時間のチャートを自動で揃えて表示できます。このタイプのインディケータは、多くの場合、同期している時間に目印として縦のラインを表示できるので一目瞭然です。また、ツールによっては追加の便利機能を備えています。たとえば、どれか1つのチャートウインドウでスクロールをすると、インディケータを適用した全てのチャートを同期して動かせる機能や、縦のラインより右側のチャートを非表示にできる機能などがあり、MTF分析を用いた手法の検証がはかどります。MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールできるインディケータを使ってみた今回、複数チャートを同期してスクロールできるインディケータとして次の5つを選び、実際に使用してみました。ツール名対応ソフト価格ChartSyncsMT4/MT5無料ChartScrollSyncMT4/MT52,580円SyncScrollMT4のみ無料Chart AlinerMT5のみ9,980円チャートシフトツールMT4/MT5無料なお、同期スクロールができるインディケータは、「既存手法の確認」と「新規手法の試行」で特に活躍するので、2つの用途で便利かどうかを意識して使ってみました。既存手法の確認と新規手法の試行既存手法の確認は、自分の手法がすでに決まっている人が手法を過去の相場に当てはめ、どこでエントリーするかを確認することです。一方で、新規手法の試行は、自分に合う手法を探している人が、特定の手法をリアルトレードで使っている想定で試してみることです。(*1)どの用途でインディケータを使いたいか、ツール選びの前にイメージしてみましょう。(*1)「既存手法の確認」と「新規手法の試行」は、説明をわかりやすくするためにこの記事で採用した表現です。縮尺が同期する「ChartSyncs」ChartSyncsは、無料で使えるシンプルなチャート同期インディケータです。チャートを同期すると縦ラインが入るので、下位足のローソク足が上位足のどこと同期しているか一目でわかります。また、同期しているチャートの1つを拡大縮小すると、同期しているそのほかのチャートでも拡大縮小が行われます。この点も特徴です。使用感ChartSyncsはシンプルなツールですが、MTF分析を実際の取引で行う場合や、過去チャートを使ってエントリータイミングを確認する「既存手法の確認」をする場合には十分だと感じました。ただし、水平線より右のチャートを非表示にはできないので、リアルトレード想定で手法を試す「新規手法の試行」をするには機能が足りません。また、同期する時間の指定方法は「チャートの右端から何本目のローソク足を同期する」という形です。いちいちローソク足の本数を数えて設定を行うケースも想定でき、少し面倒です。さらにローソク足の拡大縮小まで同期させたくない場合は、インディケータの設定画面から解除する必要があり、少し手間がかかる点も気になりました。ショートカットで同期解除できれば、さらに使い勝手が良くなる気がします。おすすめできる人ここまでの内容を踏まえ、ChartSyncsの利用をおすすめできるのは次のような人だといえます。とりあえずシンプルな同期スクロールインディケータを無料で使ってみたい人チャートの縮尺まで同期したい人おすすめできない人一方で、次のような人には利用をおすすめできません。チャートの右側を非表示にして検証に使いたい人同期させる時間をより直感的に設定したい人MT4とMT5が同期する「ChartScrollSync」ChartScrollSyncは、複数のMT4だけでなくMT4とMT5間でのチャートも同期できるインディケータです。異なるブローカー間でもチャートを同期して自動スクロールできるので、ブローカーをまたいで複数のMT4やMT5を使い分ける人にとってメリットがあります。ただし、同期している時間に水平線などの目印は表示されず、ローソク足の右側を非表示にする機能もありません。なお当インディケータは有料(2,580円)ですが、デモ口座でのみ利用できる無料版もあります(無料版は使用期限あり)。使用感利用してみてMT4とMT5でも同期できるのは、オリジナリティが高く面白いと感じました。また。各チャートのローソク足の縮尺を変えても同期やスクロールがスムーズで、動作が軽いという印象も受けました。キーボードの矢印キーやPageUP/PageDownキーでも操作できる点も便利です。ただし、同期している時間に目印(垂直線)がなく、少しわかりにくい点は不便だと感じました。また、同期位置より右側のチャートを隠せないので、リアルトレードの想定で手法を試すのにも向きません。おすすめできる人ここまでの内容から、どんな人におすすめできるかをまとめました。複数のMT4/MT5を使い分けている人動作が軽いツールを使いたい人おすすめできない人おすすめできない人については以下のようにまとめられます。同期している時間に目印を表示させたい人「新規手法の試行」を行いたい人グループ別に同期が選べる「SyncScroll」SyncScrollは、複数のチャートをいくつかのグループに分けた上で、グループ毎に同期・スクロールできるインディケータです。チャートに番号を割り振って同期したいチャートグループを自由に作れる点が特徴です。また、同期する足には縦ラインが表示されます。注意点としては、提供されているのがMT4用のみという点が挙げられるでしょう。使用感番号を振ってグループごとに同期できる機能は、地味ですが便利でした。このグループ同期機能は、MTF分析だけでなく、通貨間の強弱など銘柄間の関連性を分析するのにも向いていそうです。たとえば、USDJPYとEURUSD、GBPUSDとEURGBPなどとグループ化し、通貨間の強弱関係を見たいチャートのみを同期してスクロールできます。ただし、同期している時間以降のチャートが見えてしまうため、過去チャートを利用して手法を試すには不向きに感じました。しかし、動きは軽いため、多機能を求めず、スクロールの同期ができれば良いという人には向いているという印象です。おすすめできる人SyncScrollの利用をおすすめできる人として、次の人を挙げることができます。異なる通貨ペアの関連性を重視して取引をしたい人無料でシンプルなインディケータがほしい人おすすめできない人おすすめできない人は以下の通りです。MT5で利用したい人同期位置より右側のチャートを隠し、「新規手法の試行」を行いたい人多機能な検証ソフトで使える「Chart Aliner」Chart Alinerは、MT5専用のFX検証ソフト「Knots Compositor」の機能の一部です。ホットキーやドラッグアンドドロップ、日付入力など直感的な操作でチャートを同期できるのが特徴です。たとえばキーボードの「.」を押し、表示されるテキストボックスに日付を入力することで、入力された日付にチャートが同期した状態で移動します。また、FX検証ソフトの機能の一部なので、トレードの練習にも適しています。ただし無料で使えるのはAUDJPYチャートでのみで、全機能をフル活用するためには9,980円の検証ソフトを購入する必要があります。使用感同期足を示す垂直線をドラッグ&ドロップすれば、それに合わせてチャートが同期するため、直感的に操作できました。またChart Aliner自体ではチャートの右側を非表示にできませんが、検証ソフトではチャートの右側を非表示にできるので、MTF分析を用いた実践的な練習に向いていると感じました。ただし本体のFX検証ソフト「Knots Compositor」は、動作環境にシビアです。実際、古いパソコンでは動作が重くなったので、スクロール速度が速いと同期がうまくいかない場合があります。おすすめできる人さて、どのような人にChart Alinerをおすすめできるかを整理してみました。インディケータだけでなく検証ツールも探している人MT5をメインに使っている人おすすめできない人おすすめできない人については以下のようにまとめられます。無料のインディケータを探している人MT4をメインに使っている人シンプルなパラメータ設定で利用したい人右側非表示で練習もできる「チャートシフトツール」チャートシフトツールは、当サイトMyforexが提供している無料のインディケータです。同期スクロールインディケータとしての基本機能を備えながらも、チャートの右側を隠しながら自動スクロールができるため、過去に遡って手法の検証やトレードの練習ができます。また自動スクロールの早さは10段階での調整が可能で、好きなペースで検証作業を進められます。異なる銘柄のチャートも同期でき、ショートカットキーを用いて同期しているラインを動かすことも可能です。使用感実際に利用してみて、リアルタイムのようにチャートを自動スクロールさせて実践的な分析や手法の検証ができる点は特に強みだと感じました。また、縦ラインをダブルクリックすると基準線をドラッグして簡単に動かせたり、ショートカットで縦ラインをチャート中央に持ってこられたりと使い勝手がよい点もポイントです。スクロールに多少の固さがありますが、同期する足はラインが表示されて見やすく、ずれたり止まったりすることなくスクロールしました。おすすめできる人チャートシフトツールの利用をおすすめできる人として、次の人を挙げることができます。同期位置より右側のチャートを隠し、「新規手法の試行」をしたい人無料で高機能なインディケータを探している人MT4/MT5両方に対応しているインディケータを探している人おすすめできない人一方、おすすめできない人については以下のようにまとめられます。インディケータを使って検証をする予定がない人動作のなるべく軽いインディケータを求めている人チャートを同期スクロールするインディケータはどうやって選べばいい?複数チャートを同期スクロールさせるインディケータは、有料・無料問わず多くのツールがありますが、基本的な同期スクロール機能に関しては、大きな差はありません。ただし、以下の点には違いがあるので用途によって選ぶべきインディケータが変わるでしょう。同期スクロール以外の付随機能操作がしやすいかどうかスムーズに同期スクロールができるかたとえば、すでに自分の手法が確立していてリアルトレードで使うだけなら、シンプルな「SyncScroll」が適しています。一方で、自分に合った手法をこれから見つけたい場合は、未来のチャートを非表示にでき、かつ同期スクロール機能も充実している「チャートシフトツール」がおすすめです。「何をしたいか」を明確にしてインディケータを選びましょう。まさに有料級!トレード練習もできるのがチャートシフトツール無料で複数チャートを同期スクロールできるインディケータを探しているなら、Myforexのチャートシフトツールを使ってみてはいかがでしょうか。チャートシフトツールは、同期して自動スクロールができるだけでなく、チャートの右側を非表示にできる機能があります。そのため、無料ながら幅広い用途があります。自動スクロール&チャート非表示を使って検証可能!たとえば、過去チャートを少し速く自動スクロールさせ、MTF分析で環境認識をしつつ、自分のエントリーポイント・利確・損切りポイントに印をつけるといった検証が可能です。そうすることで、自分のトレードの良い点や悪い点などを短時間で効率よく洗い出せるので、トレードの練習ツールとして活用できるのも魅力でしょう。MT4用、MT5用ともに無料で簡単にインストールすることが可能なため、気軽にお試しいただくことができます。他のツールと組み合わせるとオブジェクトも同期できるチャートシフトツールには、ラインやボックスなどの描画オブジェクトの同期機能はありません。しかしMyforexが提供するライン転記インディケータを使うと、水平線やトレンドラインなどの描画オブジェクトも同期できます。時間だけでなく、描画オブジェクトも同期したいという人は、ぜひ合わせて活用してみてください。同期スクロールできるインディケータで分析を効率化しようMT4/MT5で複数チャートを同期スクロールできるインディケータは、チャート分析だけでなく、検証に役立てることも可能です。このインディケータを使って過去チャートでの練習・検証を繰り返せば、リアルトレードを効率的に改善できる可能性があります。無料ツールもあるので、一度試してみるのもいいでしょう。なお、当サイトMyforexでは、チャートシフトツール以外にもカスタムインディケータやリアルタイムスプレッド比較ツールなど、便利なツールを公開しています。各ツールの詳細については、下記のページをご覧ください。

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