作成日
:2025.05.22
2025.05.22 15:25
欧州で複数の取引所を運営するEuronextは、2025年4月の月間取引量が過去最高水準に達したことを発表しました。同社は金融商品全体で取引量が増加したと説明しています。株式や債券の取引量が増加し、FXやコモディティ市場も取引が活発だったとしています。また、国内FXの取引高も2025年に入り増加しています。
取引量の変化はトランプ大統領の政策による金融市場の見通しの不透明感が一因になっていると考えられます。本記事では、2025年以降に取引が活発化した銘柄について説明するほか、取引需要の高まりを受けた企業の動向もご紹介します。
金融先物取引業協会が発行している店頭FX月次速報では、2025年4月の出来高は1,468兆6,240億円でした。国内FX市場では、2024年8月から年末にかけて取引量が減少していましたが、2025年1月以降は増加傾向にあります。
2月から4月にかけて増加し、直近の取引高は2024年8月の水準まで回復しています。
外為どっとコムでは過去3年で最高の取引高を記録しており、国内FXでは取引が活発化していると言えるでしょう。国内FX業者の取引高は業者によって異なるものの、投資家向けの資料ではSBI証券や松井証券でも取引量の増加が見込まれています。
欧州で複数の取引所を運営するEuronextは、取引高が過去最高水準を記録したことを発表しました。Euronextによると、2025年1~3月期の利益は前期比で4億190万ユーロ増加し、4億5,850万ユーロだったとしています。
また、2025年5月15日には、オーストラリアに拠点を構える海外FX業者のVT Marketsが、4月の月間取引高が過去最高の7,200億ドルに達したことを発表しました。同社は多言語プラットフォームに力を入れたことで、東南アジアや中東、ラテンアメリカで急成長しており、1日あたりのアクティブユーザー数も20%増加したとしています。
Euronextはオランダに本拠地を構える取引所グループで、ユーロネクスト・パリに上場しています。欧州各地の取引所を運営しており、ユーロネクスト・アムステルダムやユーロネクスト・ブリュッセルなど、7つの取引所を運営しています。
Euronextのプレス向けリリースによると、収益の57%は資産管理や決済サービスといった非取引関連収益の需要の高まりによるものとされています。
EuronextのCEOであるステファン・ブジュナ氏は、取引関連収益については、「資産クラスを問わず取引量が増加し、株式取引の収益は22%以上、債券取引は30%以上増加した」と説明しています。また、FXやコモディティ市場でも取引が活発だったとしています。
市場のボラティリティと顧客の需要により、これらの金融商品の取引が活発化したことが背景にあるようです。
当サイトのボラティリティ分析ツールでは、S&P500などの主要な株価指数で4月初旬から中旬にかけてボラティリティの大幅な増加が確認できます。
FXでも同様の傾向が見られ、4月初旬に主要通貨ペアのボラティリティが増加しています。下記のグラフはEURUSDのボラティリティです。
各銘柄の直近のボラティリティは、下記のページでご確認いただけます。
債券についても3月末から4月初旬にかけてボラティリティの増加が見られます。米中期債や英国債では急激な値動きも発生しており、US10YR.Fのチャートでは10日程の間に最大で5ドル近く動いています。
海外FX業者で債券を扱っているブローカーは少なく、主要な業者ではHFM(エイチエフエム)やVantageTrading(ヴァンテージトレーディング)などに限られています。
取引量とボラティリティの増加を背景に、取引プラットフォームの開発需要も増加しており、一部の企業では採用を強化する動きも見られます。
外為プラットフォームのSparkを開発・提供しているスパーク・システムズは、取引量の急増とボラティリティの拡大を受けた需要増加に対応するため、営業・開発担当者の採用を強化する方針を明らかにしています。
スパーク・システムズは、米シティグループと英HSBCホールディングス、ゴールドマン・サックスなど、大手金融企業の出資を受けているシンガポール企業です。同社のCEOであるウォン・ジョー・セン氏によると、スパーク・システムズの1日あたりの平均取引高は、毎年ほぼ2倍に増加しており、現在は1,000億ドルに達しているとしています。
同氏はトランプ大統領による政策が、需要増加の一因になっていると説明しています。
Sparkは、2025年にシンガポールで最も急成長している企業に選ばれたスパーク・システムズが開発する通貨取引向けのプラットフォームです。カスタマイズによる顧客ニーズへの柔軟な対応と超低遅延を実現したプラットフォームで、ホワイトラベル化にも対応しています。
4月のFXや株式、債券市場でのボラティリティの拡大は、トランプ政権の関税政策による先行き不透明感を受けた金融市場のリスク回避の動きを反映したものと考えられます。
5月に入り金融市場のボラティリティに落ち着きが見られるものの、トランプ大統領の政策による混乱が続く可能性があります。海外FXではハイレバレッジを活用して、少額で大きな値動きを狙うトレーダーも少なくありません。
海外FX業者がトランプ政権下で顧客を獲得するには、リスク回避とボラティリティの高まりによるトレーダーのニーズの変化を、しっかり読み取ることができるかどうかが重要と言えるでしょう。
作成日
:2025.05.22
最終更新
:2025.05.22
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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