作成日
:2025.06.23
2025.06.23 17:44
SNSでの華やかなトレード報告や「完全放置で利益が出る」といった甘い言葉に惹かれてWeekendFX(ウィークエンドエフエックス)のコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。
過去に問題となったAmazingTick(アメイジングティック)の詐欺事例との類似点も多く、WeekendFXもまた、巧妙に設計されたコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。実態のつかめないこのブローカーを巡って一体何が起きているのか、その全貌を追っていきます。
WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)の正式な設立時期は不明ですが、2021年頃からWebサイトを運営していたようです。2024年以降、インフルエンサーがX(旧Twitter)やInstagramでコピートレードの宣伝を始めたことをきっかけに、一部で注目を集めるようになりました。
WeekendFXを巡る不穏な動きは、2024年9月ごろから確認されています。
この時期に、同ブローカーのコピートレードを宣伝していたインフルエンサーの一部が、突如運用を停止しました。それ以降、彼らのSNSアカウントは更新が途絶え、沈黙が続いています。
続く2025年4月には、WeekendFXが入金ボーナスキャンペーンを実施しました。このキャンペーンをきっかけに新たな資金流入があったと見られますが、同年6月には再びプロバイダーのドローダウンが発生し、インフルエンサーが姿を消すという展開が繰り返されました。
さらに、SNSやLINEグループなどを通じて「出金ができない」と訴えるユーザーも増加しています。このような経緯から、WeekendFXは「詐欺業者ではないか」という疑いの目が向けられています。
海外FX業界では、過去にも同じような事例が確認されています。
WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)の手口は、過去に発生したAmazingTick(アメイジングティック)の事例と似通った点があります。
AmazingTickのケースでは、Instagramを通じて「プロトレーダーによるコピートレード」を装った勧誘が行われていました。シグナルプロバイダーとして取引しているトレーダーが、ある日突然普段よりも大きなロット数で取引を行ったことでロスカットが執行され、コピーしていたユーザーの資金が失われました。
WeekendFXの事例でも同様に、X(旧Twitter)やInstagramの複数のアカウントがコピートレードの勧誘を行っていたことが確認されています。該当する一部のXアカウントは現在削除・非公開になっており、内容を確認できなくなっています。
ただし、AmazingTickのように勧誘を行っていたアカウントが一斉にロスカットされたわけではなく、WeekendFXでは一部のシグナルプロバイダーでロスカットが発生しています。
また、最近の被害者のLINEグループ内でのやり取りでは、ロスカットの損失よりも出金トラブルの話題が多い印象です。中には2024年8月に出金を申請してから、現在まで出金できずにいるユーザーもいるようです。出金拒否によって、目立たない形で被害を拡大させている可能性があります。
このように、過去の詐欺手法を踏まえつつも、注目されにくい方法に変化させていることから、AmazingTickよりも手口が巧妙化していると言えるでしょう。
現在、WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)から出金ができなくなったユーザーによるLINEグループが複数確認でき、被害者同士で情報共有や対応策が検討されています。しかし、WeekendFXの運営実態は不透明で、会社の所在地や責任者がはっきりしない現状では、WeekendFXから直接資金を回収することは困難です。
一部のグループでは決済代行会社の口座を特定して、資金の回収を試みる動きも見られます。しかし、仮に資金を回収できたとしても、決済代行会社の口座の残高だけで、全額を取り戻せる可能性は低いと考えられます。
実際、AmazingTickの事例では、現在までに資金を全額回収できたとする報告は確認できていません。
WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)をめぐっては、法人の実態やライセンスの正当性、公式サイトに記載された所在地に至るまで、多くの怪しい点があります。ここからは、公式サイトに記載されている情報と実際の情報を照らし合わせながら、ブローカーとしての信頼性を確認していきます。
WeekendFXの公式サイトに掲載されているライセンスは以下の3つです。
サイトには複数のライセンスの写しが掲載されていますが、その一部はすでに有効期限が切れていることが分かりました。
カナダの金融取引報告分析センター(FINTRAC)のサイトでライセンス番号「M22538696」を検索したところ、「SHOGUN INTERNATIONAL GROUP LTD」名義で登録されていました。
しかし、このライセンスは2025年4月で有効期限が切れており、現在は無効とされています。登録されている所在地は、レンタルオフィス業者によるバーチャルオフィスの住所と一致しています。
ライセンス取得のためだけに借りた住所の可能性があり、SHOGUN INTERNATIONAL GROUP LTDとWeekendFXの関連も不明です。実際にオフィスが存在するかどうか確認することはできませんでした。
BVI(英領バージン諸島)金融サービス委員会におけるライセンス番号「9453」は、オンラインでは直接確認することができず、個別に申請手続きが必要です。そのため、実際にWeekendFXがライセンスを取得しているかどうか、確認することはできませんでした。
WeekendFXは「WEEKENDFX LIMITED」という名称でコモロ連合に登記された会社が運営しており、AOFA(アンジュアン金融庁)のライセンスを取得済みと主張しています。
しかし、AOFAのライセンス検索ページでは、該当する会社名やライセンス番号(L15675/WFX)は一切ヒットしませんでした。また、「法人番号15675」も確認できなかったことから、法人そのものが存在しない可能性があります。
WeekendFXは、自社の所在地としてキプロス・リマソールの住所を公式サイトに記載しています。記載されている住所「4, Riga Fereou str., Omega Busines center , 3rd Floor,office 31& 32,3095 Limassol, Cyprus」にはいくつかの不自然な点があります。
まず、「Busines center」といったスペルミスがあるほか(正確には「Business Center」)、カンマや空白の入れ方も雑です。Googleマップで検索すると、雑な表記の影響で複数の異なる住所がヒットし、そのままの表記では正確な所在地を確認することはできませんでした。
そのうち、「Omega Business Center」と一致する住所は、「Riga Fereou 3095, Limassol 3095, OMEGA BUSINESS CENTER」で、ここには「Ecastica Serviced Offices Omega」というレンタルオフィス業者が入居しています。
つまり、記載された住所はレンタルオフィスであり、WeekendFXの常設オフィスがあるとは限りません。WeekendFXが詐欺業者だった場合、不正確な住所を記載することで意図的に所在地を曖昧にしている可能性も考えられます。
主要な海外FX業者では、明確に所在地や連絡先をサイトに記載しています。WeekendFXはライセンスや所在地など、ブローカーとしての実態が不透明で信頼性が極めて低いと言えるでしょう。
このように怪しい点が多いWeekendFXですが、同社が日本人をターゲットとする動きは2023年頃から始まっていました。
WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)は、もともと英語圏をターゲットに運営されていました。インターネット上に残っているWebサイトの最も古いアーカイブは2021年のもので、英語表記となっています。
しかし、2023年末ごろからサイトが日本語表記に切り替わり、その後も2024年にかけて頻繁にサイトが更新・改修されている痕跡があります。この頃からターゲットを日本人ユーザーに切り替えたと考えられます。
特に2024年9月に頻繁に更新されており、WeekendFXのトラブルが国内で報告されるようになった時期とも一致しています。
ここまで見てきた通り、WeekendFX(ウィークエンドエフエックス)はライセンスの正当性が疑わしく、登記情報も不透明という、典型的な避けるべき業者です。そのうえ、日本語対応への切り替えや、SNS上での日本語による勧誘など、日本人を狙い撃ちしていることは明らかです。
過去に発生したAmazingTick(アメイジングティック)の事例と手口が酷似しており、被害報告がすでに複数上がっている今、WeekendFXを利用することには大きなリスクが伴います。「完全放置で稼げる」といった甘い誘い文句に惑わされず、事前に運営実態やライセンス情報を十分に確認することが重要です。
当サイトでは、ブローカーのライセンスや取引条件を調査し、信頼できる海外FX業者だけをご紹介しています。海外FX業者の利用を検討している方は、下記のページで主要なブローカーのライセンス情報や取引条件をご確認いただけます。
作成日
:2025.06.23
最終更新
:2025.06.23
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑
2025.06.23 19:00
高値更新のBTCでVantageが500倍レバレッジを解禁!業界最高水準の取引環境を提示
2025.06.20 19:00
BigBossがiOS版アプリ「Trends」を正式公開!操作感そのままでサクッと取引可能に
2025.06.18 19:00
初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド
2025.06.17 19:00
Titan FXならドル円のスプレッドが本当にお得?実は取引手数料に落とし穴
2025.06.16 19:30
コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説
2025.06.12 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー