作成日
:2026.06.01


2026.06.01 12:41
2026年6月1日の改正資金決済法の施行によって、「海外FXが終わるのでは」と懸念している方もいるのではないでしょうか。たしかに規制によって国内銀行送金による入出金は難しくなるとみられていますが、海外FXが利用できなくなるわけではありません。規制後も高いレバレッジやゼロカットといった海外FX特有の利点を活かしたトレードは引き続き可能です。
本記事では、今後も海外FXを使い続けるために最低限やっておくべき準備について解説するほか、海外FXユーザーにとってプロップファームや国内FXといった代替サービスを利用する価値はあるのか説明します。
海外FXが終わりといわれている背景には資金決済法の改正があります。2025年6月に同法が一部改正されたことで、「クロスボーダー収納代行」が規制対象となりました。
現在、多くの海外FX業者は日本のユーザー向けに提供している国内銀行送金の処理において、このクロスボーダー収納代行を利用しています。金融庁は改正資金決済法の施行日を2026年6月1日としており、今後は海外FXの入出金に国内銀行送金を使用することがより難しくなる可能性があります。
また、bitwalletやPeskaといったオンラインウォレットも、国内銀行送金にクロスボーダー収納代行を利用しています。規制後も海外FX業者とオンラインウォレット間の送金は可能ですが、国内銀行とウォレット間の送金は規制の影響を受けると考えられます。
過去のトレードの負け越し(ロスカット等により入金額以上の損失が出ている状態)がある一部のユーザーの間では、「出金時に銀行口座を凍結されるのでは」という懸念も広がっています。
海外FX業者ではマネーロンダリング防止(AML)の観点から厳格な出金ルールが設けられています。ブローカーによっては、優先順位に従って、入金時と同じ方法で元金を出金し、その後に任意の方法で利益を出金するといったルールを採用しているケースもあります。
こうしたブローカーで、過去に国内銀行送金で入金した際の負け越しが残っている状態で利益を出金するには、下図の通り、先に国内銀行送金で負け越した額を出金しておく必要があります。
①振込で入金
国内銀行送金で10万円を入金します。
②負け越しが発生
ロスカットで口座残高が0になり、10万円の負け越しが残ります。
③凍結のリスク?
新たに資金を追加して負け越し分の10万円を国内銀行送金で出金する場合、「規制が原因で銀行口座が凍結されるのでは」という懸念が広がっています。
そのため、規制後に新たな資金を取引口座に追加してトレードを行い、負け越した額を国内銀行送金で出金する際に、規制によって銀行口座が凍結されるのではという懸念に繋がっています。
ただし、主要な海外FX業者がこうした問題が大きくなった場合に、何も対策を検証しないということは考えにくいでしょう。
銀行送金だけで手軽に入出金が完結していた時代は確かに終わりつつあるものの、海外FXというサービス自体が終わるわけではありません。実際、本記事の執筆時点(2026年5月)において、主要な海外FX業者が日本市場から撤退するといった情報も確認されていません。
規制の影響を受けやすいのは、あくまでもクロスボーダー収納代行と国内銀行間の送金であり、仮想通貨(暗号資産)などの国内銀行送金を介さない方法であれば、規制後もこれまで通り海外FX業者を利用することができます。
また、収納代行規制が始まったとしても、即座にすべての海外FX業者で国内銀行送金がストップするとは限りません。今回の法改正では経過措置として、金融庁への登録申請を行うための6ヶ月の猶予期間が設けられており、その間は未登録のままでも従来通りの営業を継続できるとされています。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正後の資金決済に関する法律(次項及び附則第九条において「新資金決済法」という。)第二条の二の規定により為替取引に該当するものとされる行為(この法律による改正前の資金決済に関する法律第二条の二の規定により為替取引に該当するものとされる行為を除く。同項において同じ。)を業として営んでいる者は、この法律の施行の日から起算して六月間(資金決済に関する法律第三十七条の登録の申請をした場合において、当該期間内にその申請について同法第四十条第一項の規定による登録の拒否の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第四条第一項及び第四十七条第一項並びに資金決済に関する法律第三十七条の規定にかかわらず、当該行為を業として営むことができる。
資金決済に関する法律の一部を改正する法律 - より引用
したがって、6月に規制が始まったとしても、海外FX業界がすぐに大きな混乱に陥ることはないとみられます。しかし、将来的には国内銀行送金による入出金は難しくなる可能性があるため、代替手段の準備を早めに進めておくことが重要です。
仮想通貨(暗号資産)送金を利用すれば、規制後も海外FXでの取引を継続できます。海外FXを使い続けるために用意しておきたいのが、仮想通貨で送金を行うためのツール・サービスです。
最低限以下の2つを準備しておけば仮想通貨での入出金が可能です。
どの仮想通貨取引所を利用すべきか迷っている方は、国内取引所としては仮想通貨の送金手数料が無料のGMOコイン、海外取引所としては日本語対応で初心者でも使いやすいBitget(ビットゲット)のアカウントを用意しておけば海外FXブローカーへの送金が行えます。(2026年5月21日時点)。
Bitget経由で海外FX業者へ送金する手順については、下記の記事でご確認いただけます。
SNSなどを見ると、規制後も海外FXを使い続けるというユーザーがいる一方で、一部ではプロップファームや国内FXへの乗り換えを検討するというポストも見受けられます。
これらの代替サービスで、少額の資金で一気に大きな利益を狙うのは難しいものの、トレードの目的や資産状況によっては海外FXとの使い分け・併用を検討する価値はあります。
多くのプロップ業者は、自社のサービスは教育・評価プログラムであるという立場をとっています。実際、今のところプロップファームが、FX業者のように金融商品取引業者として、規制対象になるといった情報も確認できません。
取扱銘柄は業者によって異なりますが、基本的には海外FXと同じようにFXやCFD銘柄を取引できるため、海外FXで培ってきた経験や知識をそのままプロップでも活かすことができるでしょう。
プロップファームを利用する主なメリットとして以下の3つが挙げられます。
プロップファームではプランを購入して取引を行うため、仕組み上、プランの購入費を超える損失が発生することはありません。また、数千~数十万円のプラン購入費で数百万~数億円規模の取引が可能です。ただし、実際の市場で取引を行うわけではないという点には留意しておく必要があります。
海外FX業界で懸念されている収納代行規制については、プロップ業界では国内銀行送金を採用している業者が少ないため、規制の影響を受けにくいと考えられます。
もちろんプロップファームにもデメリットはあります。
プロップファームでは利益目標を達成し、試験に合格しなければ報酬を受け取ることはできません。加えて、利益目標を達成する前に、指定された水準を上回る損失が発生すると失格になります。そのため、禁止事項やポジションの保有時間など、プロップ業者が設定しているルールをすべて把握しておく必要があります。
また、海外FXとは異なり、自己資金で取引するわけではないため、報酬として受け取れるのはトレードで得た利益の一部です。
ルールを遵守しながら慎重に取引できるトレーダーであれば、プロップファームの利用を検討する価値はあるでしょう。一方でプロップファームでは常に厳格なルールに縛られることになるため、リスク度外視で一気に大きな利益を狙いたいトレーダーは、海外FXを利用したほうがよいでしょう。
国内のブローカーの中にも、MetaTrader4(MT4)やMetaTrader5(MT5)を導入している業者は存在します。そういった業者を選べば、新たにツールの使い方を覚える必要がないため、スムーズに取引を始められるでしょう。
国内FXには以下のようなメリットがあります。
国内FXでは原則固定スプレッドを採用している業者が多く、主要銘柄のスプレッドも狭いため低コストでの取引が可能です。
また、国内FX業者で得た利益には申告分離課税が適用されます。20.315%の固定税率が適用されるため、大きな利益が出た場合は、総合課税の海外FXよりも税金を抑えられる可能性があります。
国内FXのメリットとして、FX業者に信託保全が義務付けられている点も挙げられます。万が一、FX業者が倒産しても預けた資金が未返還となるリスクは低いといえるでしょう。
海外FXに慣れているユーザーが国内FXへ乗り換える場合、サービスや取引条件に不満を感じる可能性があります。
国内FXではゼロカットのように顧客の損失を業者が補填する行為が禁止されているため、口座残高がマイナスになった場合は証拠金の追加が必要です。そのため、ロスカット覚悟で大きな利益を狙う取引スタイルの方に国内FXは向いていません。
そのほか、個人口座の最大レバレッジが25倍に制限される点やMT4/MT5を利用できる国内業者が限られる点も国内FXのデメリットといえるでしょう。
大口トレーダーであれば国内FXの利用を検討する価値はあるかもしれませんが、少額取引がメインのトレーダーが国内FXに乗り換えたとしても、あまりメリットを感じられない可能性があります。
収納代行規制で海外FXが終わるというわけではありません。しかし、これまで国内銀行送金で送金していたユーザーにとって、規制後は入出金が若干不便になるのも事実です。仮想通貨送金については、一度やり方を覚えてしまえばそれほど難しいものではないため、今後も海外FXの利用を検討している方は、早めに慣れておくことをおすすめします。
取引スタイルや目的によっては、海外FXの代替サービスとしてプロップファームや国内FXを検討する価値はありますが、万人におすすめできるわけではありません。「少額で効率よく資金を増やしたい」という場合は、やはり海外FXを利用したほうが良いでしょう。
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作成日
:2026.06.01
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最終更新
:2026.06.01
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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