作成日
:2026.04.07


2026.04.07 17:23
マネーロンダリング対策として、不正利用があった口座情報を全国の金融機関間で即時に共有するシステムが、2027年4月を目途に導入されます。
一見すると海外FXユーザーには関係なさそうなニュースですが、国内銀行送金で入出金している人にとっては他人事ではないかもしれません。本記事では、このシステムの導入によって海外FXユーザーにどのような影響が及ぶのか、なぜ国内銀行送金がさらにハイリスクになるのかについて解説します。
金融庁によると、これまで、各銀行等はマネーロンダリング対策として預金口座や取引履歴をモニタリングし犯罪との関連性が疑われる口座を凍結してきたものの、個別の銀行等が把握できる情報には限りがあり、不正な送金を未然に防ぐことには限界があったとされています。
これまで、預金取扱金融機関は、預金口座や取引履歴をモニタリングし、犯罪者の口座を検知した場合には、口座を凍結して犯罪の拡大を防ぎ、また、詐欺被害が疑われる送金を検知した場合には、被害者に連絡して詐欺被害の拡大防止に努めてきた。しかしながら、個別の預金取扱金融機関が把握できる情報は限定的であり、犯罪者の口座や詐欺被害が疑われる送金を検知することには限界があるのが実情である。
預貯金口座不正利用対策高度化推進事業費補助金 実施要領 - より引用
こうした状況を受けマネロン対策を強化すべく、マネロンなどに悪用された疑いのある口座情報を全国の銀行間で迅速に共有する仕組みづくりが進められており、この目的で構築されたシステムの運用が、2027年4月を目途に開始される見込みです。
このシステムが稼働すれば、ある銀行が口座の不正利用を検知・凍結した際に、その情報を他の銀行に共有できるようになるとされています。システムの導入によって、これまで凍結までに数ヵ月かかっていた期間が数日に短縮されると報道されています。
この情報共有システムは、あくまでマネーロンダリングや詐欺の防止を目的としたものですが、海外FXユーザーにとっても他人事ではないかもしれません。
全国銀行協会が公開している「不正利用口座の情報共有に関する報告書」には、金融機関全体で不正利用口座の情報を共有するため、以下のような枠組みを検討したことが記載されています。
金融機関(情報共有元)が、検知・凍結した犯罪者の口座情報を、金融機関全体へ即時に共有。
①金融機関Aは、共有された情報を活用し、犯罪者の口座へ送金していた被害者の口座を検知する。その後、被害者へ連絡し、詐欺被害の拡大を防ぐ。
②金融機関Bは、共有された情報を活用し、犯罪者の口座と同一名義の口座を検知する。その後、当該口座を凍結し、犯罪の拡大を防ぐ。
③金融機関Cは、共有された情報を活用し、犯罪者の口座との間で資金を授受していた共犯者の口座を検知する。その後、当該口座を凍結し、犯罪の拡大を防ぐ。
不正利用口座の情報共有に関する報告書(2024年度)(概要) - より引用
海外FXの国内銀行送金では、ユーザーは収納代行業者の口座に入金し、出金時にも収納代行業者の口座から送金を受ける仕組みになっています。そのため、複数回の入出金がある場合、ユーザーの口座と業者の口座との間には継続的な資金の授受がある状態となります。
加えて、収納代行業者は複数のユーザーと取引を行っています。こうした資金の流れはマネーロンダリングにおけるレイヤリング(送金経路の複雑化)に類似していると言えるでしょう。仮に、収納代行業者の口座が「不正利用口座」として判定された場合、出金先であるユーザーの口座も共犯者の口座として利用している銀行に情報が共有されてしまう可能性があります。
今後、新たに導入される情報共有システムによって、収納代行業者の口座が凍結された場合、一人のユーザーだけではなく、同じ海外FX業者を利用している複数ユーザーの口座が一斉に凍結される可能性も考えられるでしょう。
海外FXユーザーの中には、万が一銀行口座が凍結されても生活に支障が出ないように、FX業者への入出金用の銀行口座と生活用の銀行口座を分けているとSNS上で発信している人もいます。これまでは銀行口座を分けることで、海外FX用の口座が凍結されたとしても、ローンや日々の支払い、給与の受け取りなどが滞るリスクをある程度抑えることが可能でした。
しかし、全国銀行協会が検討している枠組みでは、不正を検知した銀行口座だけではなく、同一名義の別口座を凍結することも想定しています。そのため、海外FX用の銀行口座が凍結されてしまうと、同一名義の生活用の口座も凍結されてしまう可能性があります。
情報共有システムの運用が始まれば、複数の銀行口座を用意していても生活用口座が凍結されるリスクを回避することは難しくなるでしょう。
2025年の資金決済法の改正により、2026年6月までには海外FX業者が利用しているクロスボーダーの収納代行が規制の対象になります。
規制後もクロスボーダー収納代行サービスを提供し続けるには金融庁の許可が必要になります。しかし、現在海外FX業者が利用している収納代行業者の多くは、この許可を取得できないのではないかと言われています。
もし許可を取得しないままサービスの提供を続けた場合、無登録業者とみなされる可能性があります。その結果、「不正利用口座」として国内銀行送金を利用したユーザーの口座情報までもが全国の銀行間で共有され、凍結されてしまうリスクがあります。
海外FXにおける収納代行規制のリスクは以前から指摘されていましたが、情報共有システムの導入により、国内銀行送金を利用する危険性はさらに増したと言えるでしょう。こうした状況を受け、海外FXユーザーの間でも、国内銀行送金のリスクに対してこれまで以上に警戒すべきだという意見がSNS上で上がっています。
2026年6月までに施行される資金決済法改正によるクロスボーダー収納代行の規制に加え、2027年には口座情報共有システムの運用開始が見込まれています。これにより、海外FX業者との入出金に国内銀行送金を利用していると、無登録業者との取引とみなされ、ご自身の銀行口座が複数の銀行で一斉に凍結されてしまうリスクが高まるでしょう。
今後は情報共有システムによる監視の強化も相まって、海外FXにおける国内銀行送金の利用がさらに難しくなると考えられます。今後も海外FXを利用し続けるのであれば、こうした凍結リスクを避けるためにも、仮想通貨(暗号資産)送金へ早めに切り替えておいたほうが良さそうです。
出典元:
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作成日
:2026.04.07
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最終更新
:2026.04.07
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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