作成日
:2025.04.17
2025.04.17 18:14
複数の大手メディアがGEMFOREX問題を取り上げたことが話題になっています。GEMFOREX騒動の経緯や2億円が未出金のままになっている元ユーザーの体験談などが掲載されています。
2025年4月11日にX(旧Twitter)で、「GEMFOREXを炎上させる」と投稿したことで注目を集めていた元GEMFOREXユーザーが、4月17日に集めた情報を公開すると予告していました。該当する元ユーザーとその関係者が大手メディアに情報を提供したものと見られます。
ネット上ではこの件を拡散して、世論を動かして事件化しようとする動きもあり、動向が注目されています。GEMFOREX騒動の経緯は、下記の記事で解説しています。
公開された記事には、実際にGEMFOREX騒動に巻き込まれた元ユーザーの現状や体験談が掲載されています。2億円を出金できなくなった元ユーザーの声や被害者コミュニティについても掲載されており、騒動による被害の大きさも明らかになりました。
FX歴12年のラーメンキング氏は、騒動に巻き込まれたユーザーの一人で、GEMFOREXに預けていた2億円が未出金のままになっています。無登録業者を利用することにリスクは認識しているとした上で、当時GEMFOREXが元サッカー選手のデビッド・ベッカム氏とアンバサダー契約を結んでいたことに加えて、出金も早かったため完全に信頼していたと語っています。
SNSでGEMFOREXで出金できないとする投稿が増えても、「大丈夫だろう」とすぐに出金せずに放置した結果、ある日突然取引ツールを使用できなくなり、出金できなくなったと証言しています。
2022年11月時点では1,000万円の出金ができたものの、それ以降は3万円しか出金できず、資金の大半は返金されていないとしています。
別の被害者である北山氏(仮名)の証言によると、参加している被害者コミュニティには73名が所属しており、被害総額は約3億7300万円にのぼるとされています。メンバーの中で最も被害額が大きな元ユーザーは3,000万円以上の被害を受けており、被害額が1,000万円を超えるユーザーが11名いると証言しています。
GEMFOREXは破綻を発表した際に、決済代行会社に50億円を持ち逃げされたことを破綻の原因の一つとして挙げていました。北山氏も被害者は全国に1,000人以上いて、被害総額は50億円以上と証言しており、多くの元ユーザーが苦しんでいることが明らかになりました。
現在確認されている被害の中でも、前述のラーメンキング氏の被害額が最高額と見られます。
SNSや被害者のオープンチャットでは、警察に被害届を提出したことを報告するユーザーも見受けられます。しかし、北山氏は「この手の事件は扱いたくないのか被害届をなかなか受理してもらえないようです」と話しています。
実際、ネットで被害届の提出を報告する元ユーザーの投稿はあるものの、その後に事件として扱われた事例は確認できていません。多くの元ユーザーが泣き寝入り状態にあるのが現状です。そのため、返金を諦めざるを得ないユーザーも多いようです。
GEMFOREXによる被害がなかなか事件化されない理由はいくつか考えられます。運営会社が海外の法人であること、決済代行会社がグレーな手法を使用している点が事件化を難しくしています。
日本国内向けにFX業者としてサービスを提供するには、金融庁の許可が必要ですが、一般的に海外FX業者と呼ばれているブローカーは、許可を受けずに営業しています。
金融庁は海外無登録業者のリストを公開し、トレーダーや投資家に対して該当する業者を利用しないよう注意を呼びかけています。しかし、海外FX業者は基本的に日本の法律が適用されない海外に拠点を置いているため、実態の把握が困難でユーザーとの間にトラブルが発生しても、追及が難しく警告に留まっているのが現状です。
加えて、海外FX業者の数は非常に多く、当局がすべての業者を監視することは困難です。これらの理由から、海外FX業者による国内向けの営業を止めることは難しいといえるでしょう。
金融ライセンスとは、管轄地域を監督する機関に許可を取り、金融事業を運営するために必要な許可のことです。規制の厳しいライセンスを取得しているFX業者は、経営状態や運営などに一定の信頼性があると判断できます。ただし、日本へサービスを提供する法人のライセンスはオフショアライセンスであることが多いため、グループ全体で保有する金融ライセンスに注目しましょう。
海外FX業者の銀行振込を使用して出金を行う際には、決済代行会社を介して送金します。海外FX業者が決済代行会社を利用する理由は、海外無登録業者であることが関係しています。
海外無登録業者が、国内の金融機関で口座を開設することは困難です。そのため、海外FXは決済代行会社を使用する必要があります。
しかし、こういった決済代行業者の一部では、逃げ道として出納代行スキームと呼ばれるグレーな方法を使用しているといわれています。出納代行スキームとは、海外FX業者に代わって出納代行業者名義の口座に資金を送金することで、規制をかわす手法です。
出納代行スキームを用いた送金では、顧客自身が同意した上で送金しているため、詐欺として扱うことができません。加えて、取引が海外にまたがっているため、当局が介入するのが難しくなっています。
海外FX業者では、頻繁に決済代行会社を変更することも珍しくないため、こういった業者をたどるのも容易ではありません。このような点も事件化を困難なものにしている一因になっていると考えられます。
GEMFOREXの運営会社は海外法人ではあったものの、関係者の証言では実質的な経営者は日本人であったとされています。GEMFOREXでは、サービスが日本製であることを打ち出していたため、多くの日本人被害者を生み出す原因になったと考えられます。
GEMFOREXを運営していたGemTrade LLCの登記上の経営者は、外国人とされています。しかし、複数の業界関係者が実質的な経営者は、日本人のA氏だったと証言しています。
また、被害者の一人である三上(仮名)氏も独自にGEMFOREXの調査を進める中で、関係者より「GemTrade LLCの外国人経営者はA氏が代表を務める、FX自動売買プログラムを提供する別会社で部下として働いていた人物」という証言を得たと語っています。
FX自動売買プログラムを提供していた会社のセミナーに参加した別の関係者も、案内資料には代表としてA氏の名前が記載されていたと証言しています。そのため、出金遅延騒動の際も実質的な指揮を取っていたのはA氏と見られ、顧客の資金を仮想通貨に変えるという判断にも関与していた可能性があります。
業界関係者の証言からGEMFOREXは、日本人のA氏が経営していた会社であることがわかっています。実際、GEMFOREXは日本人が運営しているブローカーである点を売りにしていました。
現在、GEMFOREXのWebサイトは閉鎖されていますが、同社は経営からサポート、システムまですべて日本製であることを謳っていました。これは、海外FX業者に対する新規ユーザーの不安を払拭するための謳い文句で、日本人ユーザーをターゲットにしていたことは明らかです。
日本人被害者が多いことを認識していながら、Galaxy DAOのサポートは英語のみの対応となっている点も批判されています。このような対応もGEMFOREX・Galaxy DAOが元ユーザーの怒りを買う原因の一つになっているといえるでしょう。
GEMFOREXに限らず、海外FX業者が破産した場合、預けている資金を取り戻すのは難しいといわれています。GEMFOREX騒動から既に2年近く経っていることもあり、元ユーザーの間でも返金を諦めるような投稿が見受けられました。
しかし、今回大手メディアにGEMFOREX騒動が取り上げられたことで、世間の注目を集められる可能性があります。社会問題として認知されれば、事件として扱ってもらえるのではと期待する元ユーザーも見受けられます。
GEMFOREXとその事業を引き継いだGalaxy DAOによる返金は、現在に至るまで実現していません。騒動から時間がたっていることもあり、出金を諦めていた元ユーザーにとって、大手メディアへの記事掲載は事件化できる最後のチャンスになるかもしれません。
公開された記事の読者の間では意見が分かれています。自己責任とする意見も見受けられますが、GEMFOREXは初めから詐欺目的で設立された会社ではなかったことから、一定の理解を示すコメントも多いようです。
トレーダーによるコメントも見られ、「海外FXの使いやすさは便利だが、国内FX業者と比較すると安全性に難がある。国内業者と海外FX業者を組み合わせて利用したほうが良さそう」など、自身に対する戒めのような書き込みも散見されます。
今回の件で資金の安全な管理方法について改めて考えるトレーダーも多いようです。
現在に至るまでGEMFOREXの騒動が、事件として扱われたケースは確認されていません。
初めから詐欺目的で運営されていたわけではなく、FX業者としての実績があること、海外法人であることなどから、警察としても手を出しにくく、事件化が難しくなっていると考えられます。
今回、大手メディアでGEMFOREX騒動が取り上げられたことをきっかけに、大きな動きを起こすことができれば当局を動かせる可能性があります。GEMFOREXが破綻した当初から資金を取り戻すのは難しいと言われていましたが、今回の件が元ユーザーにとっては最後のチャンスになるかもしれません。
ネット上では、この件を拡散しようと同調する元ユーザーも見られ、動向が注目されます。今後も声を上げ続けて、騒動を風化させないことも重要といえるでしょう。
作成日
:2025.04.17
最終更新
:2025.04.17
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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