作成日
:2025.03.19
2025.03.19 18:48
2023年に破綻した海外FX業者のGEMFOREX(ゲムフォレックス)から事業を引き継いだGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)が、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。GEMFOREXユーザーの資金は現在まで返金されておらず、Galaxy DAOに対する批判も続いています。
メールには資金の返還が可能になった旨が記載されているものの、多くのユーザーは返金の実現に懐疑的な見方を示しています。本記事では、なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
2025年3月12日頃に元GEMFOREXユーザーに対して2通のメールが送信されました。
1通目のメールには凍結口座の解除に成功し、返金の目途が立った旨が記載されています。メールには、返金の待機リストへの登録申請用リンクも添付されていました。
2通目のメールでは返金申請用のフォームが変更になり、OTC取引申請フォームとされるページへのリンクが添付されていました。どちらのメールにも詳細な資金の受け取り方法に関する記載はありません。
OTC取引の申請フォームはGoogleフォームで作成されたもので、上部には説明文が記載されています。説明文によると、OTCネットワーク内のユーザーからGBONDの購入に関する問い合わせがあったとされています。
マッチングが成立すると、Galaxy DAOより連絡があるとの記述もあります。フォームには希望する取引価格やGBONDの数量のほか、連絡用にDiscord IDを入力する欄も設けられています。
GBONDとは、GEMFOREXユーザーの債権を管理するために発行されたトークンです。フォームでOTCの申請を行うことで、資金の回収・出金処理が可能になるようです。
現状、Galaxy DAO唯一のサポート窓口であるDiscordチャンネルは、基本的に英語のみの対応となっており、今回の申請フォームのテキストもすべて英語です。フォームへの入力も日本語は不可とされており、日本人ユーザーが多いことを考えると、相変わらず不親切な対応といえるでしょう。
申請フォームの説明文には、2023年12月よりGalaxy DAOはOTC取引を開始していると記載されていますが、マイページに関連するメニュー・記述はありません。申請フォーム以外での受付は行っていないようです。
また、申請フォームには、OTC取引でGBONDをUSDTなどの他の仮想通貨に交換する予定で、申請のタイミングや数量によっては、処理の順番が前後する可能性があることも記載されています。しかし、具体的にどのような方法で、USDTを送金するのかについては触れられていません。
GBONDの保有者には年利5%で、DDTと呼ばれるトークンが付与されることになっていますが、返金は元金のみとなっていることから、DDTは対象外になると見られます。
GEMFOREX・Galaxy DAOにはこれまでに、発表内容を二転三転させてきた経緯があります。Galaxy DAO公式の発表は信頼性に乏しく、今回の出金受付についても実現する見込みは薄いと考えられます。
以前公開されたホワイトペーパーによると、1GBOND=1USDとされていました。GBONDはロックされた状態で発行され、取引に使用するにはロックを解除して、stGBONDに交換しなければなりません。
stGBONDは、2023年に対USDTで一時的に価格が上昇し、0.14USDTの高値をつけましたが、すぐに0.05USDTまで下落しています。それ以来、価格すらついていない状態が続いており現在の価値は0USDTです。
プロジェクトの立ち上げ直後からGalaxy DAOの評判は非常に悪く、stGBONDに価格がついたのはGBONDが発行された直後だけです。そのため、GBOND購入の問い合わせがあったという話の信憑性も低いと考えられます。
一般的なOTC取引の利点として、以下の2つが挙げられます。
OTC取引は当事者同士が取引価格・数量を自由に設定できるため、市場価格の変動の影響を受けることなく取引できます。しかし、裏を返せば不当に高い・低い価格で取引が成立してしまうリスクもあります。
Galaxy DAOが用意したOTC取引の申請フォームには、GBONDの数量と希望価格を記入する部分が設けられていますが、マッチングを実施するのはGalaxy DAO側です。
先述のとおり、GBONDはGBOND=1USDとして発行されているため、希望価格を同様の水準に設定して申請するユーザーが多くなることが予測されます。しかし、stGBONDの価値を考慮すると、ユーザーが希望する価格で取引が成立するとは考えにくいです。最悪の場合、Galaxy DAOが一方的にユーザーに不利な価格で取引を成立させてしまう恐れもあります。
もしくは、条件の不一致による取引の不成立を理由に、返金の話をうやむやにされる可能性も考えられるでしょう。
過去にはOTC取引を装った詐欺事件も発生しており、取引相手が信用できる人物か確認することも重要です。Galaxy DAOはまともなプロジェクトだとは見なされていないため、取引の信頼性も欠けるといえるでしょう。
Galaxy DAOのメールには凍結口座の解除に成功し、返金の目途が立ったと記載されていました。しかし、解除された口座の資金を直接返金せずに、わざわざOTC取引を通じてUSDTで返金するという対応には疑問が残ります。
GEMFOREXの運営会社であるGem Trade LLCは、2023年11月に破綻騒動と関連する決済代行会社に対して、損害賠償請求を開始したことを発表していました。しかし、その後の音沙汰はなく、ユーザーによる批判をかわすためのパフォーマンスだったのではないかといわれています。
凍結口座の解除に成功という話も真偽は不明であり、具体的にどこの決済代行会社や金融機関の口座なのかも明かされていません。今回の出金受付もただのパフォーマンスという可能性も考えられます。
Galaxy DAOの真の目的は返金ではなく、負債の圧縮にあるのかもしれません。過去に公開されたホワイトペーパーには、GBONDの売買はできず、トークンを利用するにはロックを解除してstGBONDに交換する必要があることが記載されていました。
さらにGBONDのロック解除によって、Galaxy DAOが保有する債権の全額が決済されるという記述もありました。GBOND自体は売買できないことから、OTC取引の際はstGBONDへ交換した上で売買されると考えられます。
Galaxy DAOは、過去にもユーザーの債権放棄を促すようなイベントを企画したことがあり、今回の出金案内も同様の目的があるように見えます。
SNS上では、出金申請を行ったことを報告する元GEMFOREXユーザーの投稿が見られます。返金に懐疑的な投稿も多く、申請を行ったユーザーもそれほど期待していない様子がうかがえます。
今回のメールについてGalaxy DAOに問い合わせたものの、2日経っても返信がないという投稿もあり、相変わらずサポートはまともに機能していないようです。GEMFOREXが破綻した頃と比較すると、ユーザーによる激しい反応は見られません。
GEMFOREX騒動から時間が経っていることもあり、返金を諦めているユーザーも多いと思われます。
仮にGalaxy DAOの発表どおり凍結口座の解除に成功していたとしても、直接口座の資金を使用せずに、OTC取引で返金するのは不自然です。加えて、GBONDにほぼ価値はなく、買い手が現れるとは思えません。
Galaxy DAOは返金の目途が立ったと主張しているものの、ユーザーが資金を回収できる見込みは極めて薄いと考えられます。現時点で実際に返金されたという報告もありません。具体的な返金方法や時期も明示されておらず、Galaxy DAOのこれまでの対応を踏まえると期待はできないでしょう。
今後しばらくは状況に進展があるかどうか、ユーザーは定期的に情報をチェックしたほうが良いでしょう。
作成日
:2025.03.19
最終更新
:2025.03.19
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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