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Galaxy DAOがトレードコンテスト実施を発表|債権放棄が目的との見方が強い

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update 2024.02.11 05:27
Galaxy DAOがトレードコンテスト実施を発表|債権放棄が目的との見方が強い

update 2024.02.11 05:27

2024年1月29日、海外FX業者のGEMFOREX(ゲムフォレックス)から事業を引き継いだGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)がトレードコンテストを開催することを発表しました。

GEMFOREXが破綻した際の資金の返金問題が解決しない中で今回の大会開催が発表されたことで、ユーザーからはむしろ怒りの声が上がっています。

この記事では、Galaxy DAOのトレードコンテストの詳細や、トレードコンテストを共催する団体VFundProについて詳細を調査した内容を紹介します。

Galaxy DAOのトレードコンテストの詳細は?

Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)のトレードコンテストの詳細は、仮想通貨プロジェクトでよく利用される記事投稿サイトMediumに掲載されています。

Galaxy DAOが開催するトレードコンテストの仕組みは、一般的な海外FX業者のトレードコンテストとは異なり複雑です。

  • 100GBONDで参加可能なデモコンテスト
  • 参加にはGBONDのロック解除が必要
  • メイン賞金は出金不可のトレード資金
  • リスク管理条件がついている

100GBONDで参加可能なデモコンテスト

Galaxy DAOのトレードコンテストは、参加費用を払って参加するデモコンテストです。参加費の支払いは法定通貨ではなく、Galaxy DAOが発行するトークン「GBOND」で行います。

point GBONDとは

GBONDは、GEMFOREXから引き継いだ債権を管理するためにGalaxy DAOが発行するトークンです。GBONDを市場で売買、譲渡することはできないとしていますが、保有することで利息を受け取れたり、レンディング機能を利用できたりします。

GBONDは、GEMFOREXの口座に資金を保有していたユーザーに対して1GBOND=1ドルの計算で配布されているため、参加費は日本円で約1万5000円に相当します。海外FX業者のトレードコンテストでは、入金等の条件が設定されることはあっても直接参加費を徴収することはほとんどないため、ユーザーにとっては不利な条件といえます。

参加にはGBONDのロック解除が必要

GBONDは2023年9月に配布されましたが、市場での売買や譲渡はできないため、現時点では使い道が限定されています。

GBONDを担保としたUSDCのレンディング機能やGBONDのステーキング機能を利用できるようになりましたが、メリットが大きいとは言い難いため、利用しているユーザーは少ないです。

使い道の少ないトークンであればトレードコンテストに利用したいと考えるユーザーもいるかもしれませんが、参加にはGBONDのロック解除が必要である点に注意が必要です。

GBONDは、ユーザーがGalaxy DAOに対して保有している「債権」、つまりまだ見通しすらも発表されていないGEMFOREXの口座資金の返金を求める権利を表したものです。GBONDのロック解除(アンロック)をしなければそのまま債権として保有できますが、トレードコンテストに参加するためにロックを解除してしまうと、GBONDは債権ではなくなります。

GBONDの使い道

またGBONDのロック解除は全額まとめてでなければできないため、トレードコンテストに参加するために100GBONDを使用しようとすると、Galaxy DAOに対して持っていた債権を全て手放してしまうことになるのです。

ロックを解除することでGBONDをUSDCのレンディングやステーキング、トレードコンテスト等、Galaxy DAOが提供する各種サービスに利用できるようになります。しかしそれと引き換えに法定通貨での返金の権利を諦めるのは大きなデメリットです。

メイン賞金は出金不可のトレード資金

Galaxy DAOのトレードコンテストで1位となった場合の賞金は、以下となっています。

  • PPACへの無料招待
  • 1,000USDT
  • 1,000PNT
Galaxy DAOのトレードコンテストの商品

PPACとは「プラチナ・プロアカウント・チャレンジ(Platinum Pro Account Challenge)」の略で、10万ドルの資金でトレードを行うことができる権利です。この10万ドルの資金を利用したトレードで設定された目標を達成すると、利益の80%や1,000PNTなど多数の賞品を受け取ることができると説明されています。ただし10万ドルの取引資金自体を出金することはできません。

point PNTとは

PNTは、Galaxy DAOが2024年第1四半期に立ち上げを予定している中央集権型取引所「トレードプラネット」のユーティリティトークンです。今回初めて配布されるもので、Galaxy DAOの説明では、発行数が限られているため希少価値があるとされています。

PPACはトレードコンテスト終了後に追加でトレードで勝たなければ利益を得られない仕組みです。さらに、GEMFOREXの返金をまだできていないGalaxy DAOが開催するイベントなので、PPACで出した利益を実際に受け取れるかどうかは不透明です。そして、PNTもGalaxy DAOの評判を考えると高い価格で現金化できる可能性はあまり高くないと考えられます。

価値の高い賞品は1,000USDTしかないとも言える状況なので、債権としてのGBONDと引き換えにしてまで参加するメリットが大きいとはいえません。

リスク管理条件がついている

Galaxy DAOのトレードコンテストでは、一般的な海外FX業者のトレードコンテストではついていないようなリスク管理の条件がついています。

  • 1日の損失を5%以内に抑える
  • 最大トレーリングドローダウンが6%に設定される(6%の利益が出た後は初期残高に固定)

これは、共催団体のVFundProがプロップトレードのプラットフォームであることと関係していると思われます。

Galaxy DAOと共催のVFundProとは?

Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)のトレードコンテストは、海外FXユーザーの間で全く知名度のない団体「VFundPro」との共催とされています。

このVFundProはどのような組織なのでしょうか?VFundProについてほとんど情報が得られない状況ではありますが、以下の4点から考察します。

  • 国籍不明の謎の組織
  • 2023年9月以降に活動を開始か
  • プロップトレードのプラットフォーム
  • ThinkMarketsと提携?

国籍不明の謎の組織

VFundProの公式サイトを確認すると、中国語が表示されます。英語版も日本語版もないようなので、一見すると運営元は中国人のように見えます。

VFundPro公式サイト VFundPro公式サイト

しかし、VFundProの経営陣を確認すると、中国系に見える人は一人も含まれていません。複数の幹部を名前と会社名(VFundPro)で検索しても情報が出てこず、実在の人物に見えない怪しさを感じます。

VFundPro経営陣 VFundPro経営陣

また利用規約も英語で書かれており、運営団体の正式名称は「Prop Account, LLC」となっています。さらに運営と利用者間でトラブルが起きたときに仲裁を行う場所にはカナダのケベック州が指定されていることからも、サイトの表記を中国語にして中国人の団体を装っている可能性も考えられます。

2023年9月以降に活動を開始か

Galaxy DAOはVFundProのことを「アジアの最上級のプラットフォーム」と紹介しています。しかし、「VFundPro」についてGoogle検索しても口コミ等が見当たらないことから、知名度が高いようには見えません。

ある程度規模の大きいウェブサイトの情報を収集するサービスにも過去の記録が残っていないので、利用者が少ないか最近作成されたサイトである可能性があります。

またVFundProのブログ投稿は最も古い記事が2020年10月ですが、2番目に古い記事は2023年5月、3番目に古い記事は2023年9月となっています。2023年9月以降は多くの記事が投稿されているため、実質的な活動を開始したのは2023年9月以降かもしれません。

プロップトレードのプラットフォーム

VFundPro公式サイトの情報では、VFundProはプロップトレードのプラットフォームとされています。

point プロップトレードとは

プロップトレードとは「自己勘定取引」とも呼ばれ、金融機関が自己資金でトレードを行い、利益を獲得しようとする取引を指します。またプロップトレードを行うトレーダーのことをプロップトレーダーと呼びます。

VFundProでは、まずトレーダー側が審査料を払ってトレードスキルの審査をしてもらいます。そして審査で一定の成績を残すことができたトレーダーはプロップトレーダーとして活動をし、稼いだ利益の一部を受け取ることができるようです。つまりトレードの原資を資金力の豊富な企業に出してもらう代わりに、トレードで稼いだ利益も分配する仕組みとなっています。

プロップトレードプラットフォームの仕組み

ThinkMarketsと提携?

VFundProは、ThinkMarketsと提携しているとして自社のサイトにロゴを掲載しています。

VFundProとThinkMarketsの提携 VFundProとThinkMarketsの提携

ThinkMarketsは日本でも正式に金融ライセンスを取得している大手FX業者なので、信頼できる要素に見えるかもしれません。ただし、ここまでの調査で示したように謎が多い運営団体ですので、この1点で信頼するのは危険です。

VFundProはプロップトレーダーと資金提供元が利益を分け合うためのプラットフォームであり、ブローカーではありません。VFundProの説明では、取引はThinkMarketsのRAWアカウントを使用して行うとされています。

口座を使用することについてThinkMarketsと契約を結んでいることは事実かもしれませんが、その場合でもThinkMarkets側がどれだけVFundProの安全性をチェックをしているかは不明です。

Galaxy DAOトレードコンテストへの反応は?

Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)への注目度が高くないこともあり、今回のトレードコンテストは大きな話題にはなっていません。現在もGEMFOREX(ゲムフォレックス)の口座の返金を求める声が強いことから、少ないコメントも批判的なものがほとんどです。

債権放棄が目的との見方

トレードコンテストの参加にはGBONDのロックを解除(アンロック)して、実質的に債権を放棄する必要があります。

このため、トレードコンテストの開催は債権放棄を目的としたものという見方が強く、開催そのものが批判視されています。

DiscordもGEMFOREX批判が中心

Galaxy DAOは公式情報の発表にDiscordを利用していますが、Discordでもほとんどの投稿はGEMFOREXで発生した被害の返金を求める声です。

Galaxy DAOのX(旧Twitter)のフォロワー数も2,000人以下で大きな話題にもならないため、どのような目的でトレードコンテストを企画したのか不思議なほどです。

Galaxy DAOの返金予定は未定

GEMFOREX(ゲムフォレックス)の元ユーザーは法定通貨での返金を求めていますが、Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)は返金の見通しを示していません。一方で、USDCのレンディング機能やステーキング機能、今回のトレードコンテストなど、GBONDのロックを解除して債権を放棄させることが目的と思われるような取り組みを次々と打ち出しています。

憶測ではありますが、トレーダーに好まれる機能を追加することで、ユーザーが根負けしてロック解除をするのを待っているのかもしれません。

Myforex編集部では、今後もGalaxy DAO関連の最新情報を提供していきます。


Date

作成日

2024.02.02

Update

最終更新

2024.02.11

明石菜摘

海外FX歴5年。海外FX20社以上のアカウントを保有し、実際にサービスを利用して執筆を行う。長期トレードがメインで、スワップの有利なブローカーを愛用している。仮想通貨・原油等のCFD取引や各ブローカーのボーナスの仕組みにも詳しい。

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