Select Language

仮想通貨のリボーク(revoke)とは?メタマスクでのリボークの手順や注意点を解説

仮想通貨のリボーク(revoke)とは?メタマスクでのリボークの手順や注意点を解説

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2024.06.03 08:32
仮想通貨のリボーク(revoke)とは?メタマスクでのリボークの手順や注意点を解説

update 2024.06.03 08:32

リボークとはスマートコントラクトの権限取り消しを意味し、リボークされた分散型アプリ(DApps)はユーザーのウォレット内の仮想通貨等を外部に送信できなくなります。

DAppsを使うユーザーにとって、リボークは必須の安全対策です。当記事では、リボークの概要やメタマスクでの手順、注意点などを解説します。

リボークとは

リボーク(Revoke)という単語の意味は、「(契約などを)取り消す、無効にする」です。仮想通貨におけるリボークとは、「DAppsのトークン承認を取り消す」という意味です。

DAppsはトークン承認を受けると、ユーザーのウォレット内のトークンを外部に送信できます。そしてトークン承認をリボークされると、ユーザーのウォレット内のトークンを外部に送信できなくなります。

point Dappとは

Dapp(decentralized application)はブロックチェーン上に作られたアプリで、運営管理者がいなくてもアプリを常時稼働できます。

トークン承認とは

トークン承認

画像引用:Uniswap

トークン承認とは、スマートコントラクトにウォレット内のトークンの使用許可を与えることです。

例えば、分散型取引所(DEX)でトークンを売買したい場合に、トークン承認します。ひとたびトークン承認をすると、リボークしない限り何度でも取引可能です。

リボークはなぜ必要か

トークン承認を与えたままの場合、DAppsはいつでもユーザーのトークンを移動可能です。

DAppsの運営者が悪意を持っていたりハッキングされたりした場合、トークンを奪われてしまうかもしれません。トークン承認を与えている限り、ユーザーのトークンは危険にさらされています。

このトークン承認を取り消す行為がリボークであり、Revoke.cashなどを使って実行できます。

ウォレット接続解除との違い

ウォレットの接続

画像引用:Uniswap

仮想通貨ウォレットはDAppsの接続解除ができますが、接続解除はリボークと異なる機能です。接続解除はDAppsによる以下の行動などを不許可にすることです。

  • ユーザーの仮想通貨アドレス確認
  • トークン残高確認
  • 過去の行動の閲覧

一方、リボークはDAppsのトークン使用許可を取り消すことです。接続解除してもリボークしない限り、Dappsはユーザーのトークンを移動できます。

リボークの重要性

DAppsのハッキングは日常茶飯事である一方、あらかじめリボークすれば被害を防げます。以下は、ハッキング事例です。

  • Unibotハッキング(被害額60万ドル)
  • SushiSwapハッキング(被害額350万ドル)
  • bZxハッキング(被害額5500万ドル)

Unibotハッキング(被害額60万ドル)

2023年10月31日、テレグラムの自動取引ボットUnibotのユーザーが60万ドルを盗まれました。ルーターコントラクトへのハッキングが原因とされています。

SushiSwapハッキング(被害額350万ドル)

2023年4月9日、人気DEXのSushiSwapのユーザーが350万ドル以上を盗まれました。こちらも、スマートコントラクトのハッキングが原因です。

bZxハッキング(被害額5500万ドル)

2021年11月5日、DeFiプラットフォームbZxのユーザーが5500万ドル以上を盗まれました。bZxの管理者アカウントが不正にアクセスされたことが原因でした。

定期的なリボークを推奨

上記DAppsのユーザーは、リボークしていればハッキングの被害を防げました。リボークが簡単にできるプラットフォームRevoke.cashでは、定期的なリボークを推奨しています。

Revoke.cashとは

Revoke.cashはリボークが可能で、イーサリアムやBNBチェーン(BSC)など70以上のネットワークに対応しています。

PC・スマホで利用でき、仮想通貨ウォレットをウェブサイトに接続して操作します。なお、リボークにはガス代が必要です。

Revoke.cashの使い方(PCの場合)

PCでのRevoke.cashの使い方は以下の通りです。ここでは、例として仮想通貨ウォレットのメタマスクを利用します。

手順1

Revoke.cashのホームページにアクセスします。

手順2

「ウォレットを接続する」をクリックします。

Revokeのトップ画面 Revokeのトップ画面

手順3

「Metamask」をクリックします。

Revokeにメタマスクを接続

手順4

メタマスクがポップアップしますので、接続するアカウントを選んで「次へ」をクリックします。

Metamask内のウォレットを選択 Metamask内のウォレットを選択

手順5

「接続」をクリックします。

メタマスク内のウォレットに接続 メタマスク内のウォレットに接続

手順6

トークン承認済みリストが表示されます。リボークしたいトークンの「取り消す」をクリックします。

リボーク選択画面
リボーク選択画面

手順7

メタマスクがポップアップしますので、「承認」をクリックします。これでリボークは完了です。

リボークの承認 リボークの承認

Revoke.cashの使い方(スマホの場合)

スマホでのRevoke.cashの使い方は以下の通りです。ここでは、例としてMetaMaskのiOSアプリを利用します。

手順1

Revoke.cashのホームページにアクセスします。

手順2

画面右上の「≡」をタップします。

Revokeのトップ画面

手順3

「ウォレットを接続する」をタップします。

メニューから選択

手順4

「WalletConnect」をタップします。

WalletConnectを選択

手順5

「MetaMask」をタップします。

MetaMaskを選択

手順6

「Allow」(許可)をタップします。

メタマスクへのアクセス許可

手順7

「接続」をタップします。

選択したウォレットに接続

手順8

Revoke.cashに戻ると、トークン承認済みリストが表示されます。

トークン承認済みリスト

リボークしたいトークンの「取り消す」をタップします。

リボークするトークンを選択

手順9

「Allow」(許可)をタップします。

別アプリへの接続許可

手順10

メタマスクアプリがポップアップしますので、「次へ」をタップします。

リボークするトークンの確認

ここでの「使用上限」とは、「DAppsが使用できるトークンの上限」を指します。これを「0」にすることで、トークン使用許可を取り消すことができます。

手順11

「承認」をタップします。これでリボークは完了です。

リボークの承認

リボークの注意点

リボークの注意点として、以下が挙げられます。

  • ガス代が必要
  • ハードウェアウォレットにもリボークは必要
  • 失ったトークンは戻らない

ガス代が必要

リボークするにはガス代が必要です。イーサリアムブロックチェーンなどでガス代が高騰している場合があり、ガス代が落ち着いているタイミングでリボークすると良いでしょう。

ハードウェアウォレットにもリボークは必要

レジャーなどのハードウェアウォレットは、モバイル・ブラウザベースのウォレットと比較して安全と考えられています。なぜなら、秘密鍵がオフラインのハードウェア内に保存されており、盗難が難しいからです。

しかし、トークン承認が行われていれば、DAppsは秘密鍵なしでもトークンを動かせます。ハッカーは、トークン承認さえあれば簡単にトークンを盗めます。

ハードウェアウォレットを利用するだけでは、ハッキングに対して万全な対策とはなりません。DAppsでトークン承認した場合は、リボークしない限り常にリスクにさらされています。

失ったトークンは戻らない

ハッキングなどで失ったトークンは、リボークしても取り戻せません。リボークはトークン承認を取り消す機能であり、予防手段にすぎません。

Revoke.cashなどのウェブサイトで定期的に点検し、リボークすることでリスクを抑えられます。

不正アクセスされたウォレットの回復は困難

仮想通貨ウォレットが不正アクセスされてしまった場合は、リボークが難しいケースがあります。

例えば、ウォレット内のトークンを瞬時に盗む「スイーパーボット」が組み込まれることがあります。リボークのためのガス代をウォレットに入金しても、ボットに瞬時に盗まれてしまい、二次被害になる可能性があります。

このような場合は、不正アクセスされたウォレットの回復を諦めるしかありません。

リボークは仮想通貨投資家の常識に

仮想通貨情報サイト「Scam Sniffer」によると、2023年の仮想通貨の詐欺被害者は約32万人、被害額は3億ドル近くに上った模様です。

仮想通貨投資は大きなリターンを得られる可能性があるものの、ひとつのミスで多額の資産を失うこともあります。リボークは、そのような環境の中で投資家が自己防衛するための大切な手段です。

仮想通貨投資家は定期的にリボークすることで、詐欺被害のリスクを大幅に減らすことができます。今後リボークは、仮想通貨ユーザーの常識になっていくかもしれません。


Date

作成日

2024.02.05

Update

最終更新

2024.06.03

Myforex編集スタッフー仮想通貨担当ー

2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル