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海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

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New update 2025.07.04 18:17
海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

update 2025.07.04 18:17

ここ最近、海外FXユーザーにとって見逃せない「入出金に関する制限」が相次いで発表されています。

2025年6月30日には、国内仮想通貨(暗号資産)取引所のbitbank(ビットバンク)が利用規約の一部改定を行い、今後はbitbankから海外FXへの直接送金が難しくなったと考えられます。同日にエポスカードもFXサービスの利用等を目的としたカード使用の停止を発表したほか、直近では海外FXに送金した国内銀行口座の凍結事例も増加しています。

海外FXを利用するユーザーにとって、入出金経路の見直しが急務となっています。

bitbankから海外FXに送金できなくなる?

2025年6月30日、bitbank(ビットバンク)は利用規約の一部改定を発表しました。オンラインカジノを利用した犯罪および犯罪に結びつく行為に加え、「第三者と自分の口座間での金銭の受入・払出」などを禁止事項として追記しています(7月3日から適用開始)。

(第17条 禁止行為)関係

・オンラインカジノの利用を追加(第1項第12号)

・ユーザー以外の第三者からの取引口座へ金銭の受け入れる行為を追加(第1項第19号)

・取引口座でユーザー以外の資金及び暗号資産を売買又は送受信する行為を追加(第1項第20号)

・第三者へ取引口座より金銭の払出を行う行為を追加(第1項第21号)

利用規約等改定のお知らせ - より引用

海外FX業者では、仮想通貨(暗号資産)での入出金に決済代行業者を利用していることがあります。そのため今回の規約改定により、bitbankから決済代行業者(第三者)を利用する海外FXへの直接送金が困難になるケースが増加すると見られます。

第三者のウォレットに直接送金を試みるならば、アカウント凍結のリスクも考慮しなければなりません。したがって、仮想通貨を使って海外FXとの入出金をする場合は、Bybit(バイビット)などの海外取引所や、メタマスク等の個人ウォレットを一度経由する方がよいといえるでしょう。

今回の規約改定は、マネーロンダリングなどの犯罪対策強化の流れに対応した措置と見られ、国内取引所として法規制の順守を求められているという背景があると考えられます。

他の国内取引所も追随する可能性

bitbankの利用規約改定を受けて、他の国内取引所もbitbankの動きに追随する可能性があります。

Myforex編集部でCoincheck(コインチェック)、bitFlyer(ビットフライヤー)、GMOコイン、SBI VCトレードの主要4社を調査したところ、bitFlyer以外は利用規約に「第三者と自分の口座間での金銭の受入・払出を禁止」する旨の記述はありませんでした(2025年7月3日現在)。

しかし、他の国内取引所も今回の動きに同調していく可能性はあると考えられ、国内取引所から海外FXへの直接送金はより厳しくなっていくことが予想されます。

SNSでの反応

bitbank(ビットバンク)の規約改定を受け、X(旧Twitter)では海外FXユーザーから困惑の声が見られます。国内取引所から海外FXへの直接送金は口座凍結リスクがあるため、海外取引所やウォレットの経由を推奨するユーザーの投稿も複数確認できました。

また、あるユーザーはbitbankから海外取引所のMEXC(メクシー)に直接送金できなくなったと報告した上で、bitbank→ウォレット→MEXC→海外FXの経路で送金していると投稿しています。

海外FXとの入出金ルート遮断が加速中

bitbank(ビットバンク)の規約改定をはじめ、海外FXとの入出金ルートが遮断される流れが加速しています。2025年6月30日には、エポスカードが仮想通貨(暗号資産)購入取引・FX・オンラインカジノでの利用を原則禁止すると発表しました。

エポスカードでは、暗号資産購入取引・外国為替取引(FX)・オンラインカジノのご利用を原則お断りさせていただいております。

(中略)

【利用停止の対象となるお取引例】

■暗号資産/FX取引

暗号資産取引やFX取引は、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性が指摘されております。

また、金融庁に金融商品取引法上の登録を受けていない事業者でのトラブルが発生しております。

■オンラインカジノ

日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは禁止されております。

海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。絶対に利用しないでください。

暗号資産購入取引・外国為替取引(FX)・オンラインカジノ 取引の利用停止について - より引用

理由として、仮想通貨やFX取引はマネーロンダリングのリスクがあること、オンラインカジノは犯罪であることが説明されており、カード会社としての対応強化が進んでいると見られます。

海外FXへの入金にクレジットカードが使えないケースは増えていますが、今後はさらに規制強化の流れが波及していくと考えられるでしょう。

国内銀行送金での入出金もできない?

ここ最近は、海外FXに関連する送金を行った国内銀行口座が凍結されたとの報告が増加しています。SNSでは「突然口座が凍結された」と報告する海外FXユーザーの投稿が複数見られます。

また、2025年6月に成立した資金決済法の一部改正により、「クロスボーダー収納代行業者」への規制が強化される見通しです。

クロスボーダー収納業者

海外FX業者に国内銀行送金で入金する場合、ユーザーは海外FX業者に直接送金するのではなく、代行業者の国内銀行口座に送金します。その後、入金情報が海外FX業者に共有され、取引口座に残高が反映されます。しかし法改正によって、今後は上記の代行会社が規制対象となります。

こういった状況を考えると、海外FXで国内銀行送金を使った入出金はできなくなる可能性や、国内銀行送金を使うことの潜在的なリスクが高まっているといえるでしょう。

仮想通貨での入出金が現実的か

現状の規制動向を踏まえると、海外FXへの入出金は今後さらに厳しくなると見られます。国内銀行送金やクレジットカードはすでに使いづらくなっていることに加え、国内取引所から海外FXへ仮想通貨(暗号資産)を送金することも難しくなる見通しです。

しかし、そういった状況の中でも銀行口座凍結や法改正の影響を受けにくいのは、仮想通貨を使った入出金だと考えられます。現時点では国内取引所から海外取引所やウォレットを一度経由すれば、海外FXとの入出金ができます。

ここでは、一般的に使われることが多い海外取引所を経由した入金方法を紹介します。

海外取引所を経由して入金する方法

国内取引所からBybit(バイビット)などの海外取引所を経由し、海外FXに入金する手順は以下の通りです。

  1. 国内取引所に日本円を入金して仮想通貨を購入する
  2. 購入した仮想通貨を海外取引所に送金する
  3. 海外取引所に送金した仮想通貨をUSDTに交換する
  4. 海外取引所から海外FXにUSDTを送金する

国内取引所で購入する仮想通貨は、送金手数料や送金スピードなどを考慮すると、リップル(XRP)が適しているでしょう。海外取引所に送金したXRPをUSDTに交換し、その後にUSDTを海外FXに送金する流れとなります。

また、仮想通貨の現物を保有しておらず税金面の心配がない方は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを購入して、その通貨のまま海外取引所経由で海外FXに送金する方法もあります。

ただし、海外FXによって対応している仮想通貨が異なることに加え、取引所側がビットコインやイーサリアムの出金手数料を高めに設定しているケースも多いため、それらの点には注意が必要です。

caution ウォレットアドレスの入力ミスに注意

慣れれば特別難しいことはありませんが、仮想通貨を送金する際は、入金アドレスの入力ミスには注意が必要です。また、XRPを送金する場合、宛先タグという数字を入力しなければいけないケースが多いです。もし、入金アドレスや宛先タグに入力ミスがあると、送金した仮想通貨を失う可能性があります。入金アドレスや宛先タグを入力する際は、手入力ではなくコピー&ペーストで入力するのがおすすめです。

個人ウォレットを経由する方法も

国内取引所からメタマスクなどのウォレットを経由して、海外FXに入金する方法もあります。基本的な流れは同じですが、ウォレットを使う場合は取引所と異なり、良くも悪くも自分で秘密鍵を管理する必要があることや、ウォレットによって対応ネットワーク(ブロックチェーン)が異なることなど、仮想通貨に関する周辺知識が必要になります。

海外取引所かウォレットを使うか迷った場合、初心者の方ならまずは海外取引所を経由する方法を使って、仮想通貨の扱いに慣れるのがよいかもしれません。

どの国内取引所を使うのがおすすめ?

海外取引所・ウォレットのどちらを経由する場合でも、基本的には、まず国内取引所で仮想通貨を購入する必要があります。以下は主要な国内取引所を比較した表です。

国内取引所 説明
Coincheck
・XRPの送金手数料は安いものの、全体的に送金手数料は高め
・最低送金額が小さく、少額送金に使いやすい
・アプリでは販売所形式でしか取引できない
bitbank
・全ての仮想通貨を取引所形式で取引できる
・XRPの送金手数料は安いものの、全体的に送金手数料は高め
・PC・アプリともに使いやすい
bitFlyer
・送金手数料はかかるが、XRPなど一部の通貨は無料
・PC・アプリともに使いやすい
GMOコイン
・多数の仮想通貨を取引所形式で取引できる
・全ての仮想通貨の送金手数料が無料
・最低送金額が大きく、少額送金には向かない(*1)
SBI VCトレード
・全ての仮想通貨の送金手数料が無料
・最低送金額が小さく、少額送金に使いやすい
・PCでの操作がわかりにくく、送金完了までに長時間かかる
Coincheck
・XRPの送金手数料は安いものの、全体的に送金手数料は高め
・最低送金額が小さく、少額送金に使いやすい
・アプリでは販売所形式でしか取引できない
bitbank
・全ての仮想通貨を取引所形式で取引できる
・XRPの送金手数料は安いものの、全体的に送金手数料は高め
・PC・アプリともに使いやすい
bitFlyer
・送金手数料はかかるが、XRPなど一部の通貨は無料
・PC・アプリともに使いやすい
GMOコイン
・多数の仮想通貨を取引所形式で取引できる
・全ての仮想通貨の送金手数料が無料
・最低送金額が大きく、少額送金には向かない(*1)
SBI VCトレード
・全ての仮想通貨の送金手数料が無料
・最低送金額が小さく、少額送金に使いやすい
・PCでの操作がわかりにくく、送金完了までに長時間かかる

(*1)口座内の全数量を送金する場合は送金額の下限なし

Myforex編集部では、上記の主要取引所からBybit、メタマスクにそれぞれ実際に送金して検証を行っています。これら取引所の中でも、総合的に使いやすい取引所としてGMOコインが挙げられるでしょう。

GMOコインはPC・スマホともに使いやすく、全ての仮想通貨の送金手数料が無料となっています。また、多くの通貨を「取引所形式」で売買できるため、コストを抑えられる点が特徴です。

knowledge 取引所と販売所

国内の仮想通貨取引所では、「取引所」と「販売所」という2つの取引方法を提供していることが多いです。「取引所」はユーザー同士で売買を行う取引形式であり、安価な手数料で売買できます。一方「販売所」は取引所よりも操作が簡単であるものの、スプレッドと呼ばれる売買時の価格差が大きく、取引コストが高くなる傾向があります。

デメリットとしては、他の取引所より最低送金額が高めに設定されており、少額送金に向かない点が挙げられます。しかし、口座内にある仮想通貨を全数量送金する場合は、最低送金額未満でも送金が可能です。

どの国内取引所を使えばよいかわからない方は、GMOコインの利用を検討してみてもよいでしょう。

海外FXには規制強化の流れが続くか

bitbank(ビットバンク)やエポスカードの対応は単発の出来事ではなく、規制強化の流れの一環として捉えるべきでしょう。今後も入出金ルートに対する規制は続くと予想され、海外FXユーザーは早急に安全かつ確実な資金ルートの再構築を検討すべき局面に来ています。

現時点では、仮想通貨(暗号資産)を活用した入出金方法が比較的自由度が高く、現実的な選択肢といえるでしょう。


Date

作成日

2025.07.04

Update

最終更新

2025.07.04

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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