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【検証】偽インフルエンサーの「稼げる話」を信じた結末は...?詐欺アカウントに接触してみてわかった投資詐欺の手口

【検証】偽インフルエンサーの「稼げる話」を信じた結末は...?詐欺アカウントに接触してみてわかった投資詐欺の手口

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update 2025.10.09 03:40
【検証】偽インフルエンサーの「稼げる話」を信じた結末は...?詐欺アカウントに接触してみてわかった投資詐欺の手口

update 2025.10.09 03:40

「あの有名インフルエンサーが自分をフォローしてくれた!」

「...よく見たら偽物だった。」

XなどのSNSでトレードや投資関連の情報収集をしている方の中には、偽物のインフルエンサーにフォローされ、上記のような体験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。

見慣れたインフルエンサーになりすます巧妙な詐欺が今、SNS上で増加しています。プロフィールやアイコン、普段の投稿までそっくりに再現された偽アカウントは、一見して本物と区別がつかないほど精巧です。

実際に、SNSで投資話に乗ってみたらどうなるのでしょうか。本記事では詐欺アカウントに接触して分かった、その手口の一部始終をお見せします。

【検証】SNSの"投資話"に乗るとどうなる?DMで詐欺の誘いに乗ってみた結果

SNSでは、有名トレーダーやFX系インフルエンサーの投稿が日々拡散されています。しかし、最近ではそうした正規アカウントになりすました偽アカウントが多数出現し、ユーザーを詐欺に誘導するケースが確認されています。

今回の検証は、有名投資系アカウントのフォロー後に、偽アカウントがこちらをフォローしてきたところから始まります。実際に詐欺アカウントとやり取りした記録をもとに、DMを通じて見えてきた詐欺の一連の手口をお見せします。

1.偽アカウントにフォローされる

有名アカウントをフォローすると、本物を装った偽アカウントにフォローされました。画像や自己紹介文もオリジナルのものをそのまま流用しているようです。偽アカウントはフォローしていないため、フォローバックボタンが表示されています。

偽アカウントからのフォロー

2.投資話を持ちかけられる

偽アカウントだと気づかず、インフルエンサーにフォローされたことに驚いて、そのアカウントへDMを送ってしまう人もいるかもしれません。

その想定で偽アカウントにDMを送ってみたところ、やり取りが続き、気づけば仮想通貨(暗号資産)プロジェクトへの勧誘が始まっていました。1日で1,000~4,000ドルの利益を得られることをアピールしています。

投資話への誘い

投資期間・銘柄などの詳細は不明ですが、投資額の10倍に増えると説明しています。

投資額とリターンの説明

3.ウォレットへの入金を指示される

ウォレットを持っているか聞かれ、持っていないことを伝えると、bitFlyerでアカウントを作成し2万円を入金するよう促されました。また、確認用にスクリーンショットも送るよう指示されました。

ウォレットへ入金

4.マイニングサービスへ誘導される

bitFlyerのスクリーンショットを添付すると、リンクが送られてきました。リンク先のサイトでアカウントを開設するよう促されます。

マイニングサービスへ誘導

リンク先はビットコインのマイニングサービスのようですが、「SIGN IN」「REGISTER」「HOME」など、一部のボタン・リンク以外は機能していません。

一口にマイニングサービスといっても、ユーザーにマイニング機器を購入してもらって代理で保守・点検・運用する会社や、クラウドマイニングのようなサービスを提供する会社などさまざまですが、どのような仕組みのサービスなのか記載されていません。

また、CEOとされる人物の写真を画像検索にかけると著作権フリー素材であることも分かりました。

誘導先のサイト

5.ビットコインへの換金を指示される

アカウントを作成してスクリーンショットを送ると、bitFlyerで日本円をビットコインに交換するよう促されました。

ビットコインへ換金

6.ビットコインを送金するよう指示される

換金すると指定したウォレットアドレスに送金するよう促されます。ここで送金してしまうとビットコインをだまし取られることになります。

ビットコインを送金

偽アカウントから送られてきたウォレットアドレスの入出金履歴を確認すると、4件の入金が確認できます。最も古い入金履歴は2025年2月14日のものです。入金額は約150ドル~約655ドルで、4件の合計金額は約1,266ドルです。

7.偽アカウントが消失する

数日後、偽アカウントは削除されDMは見れなくなりました。入金せずに放置していたため、不審に思われたのかもしれません。

実際に資金をだまし取られていた場合、詐欺に気づいても相手との連絡手段を失うことになります。足がつかないように、詐欺1件につき1アカウントのように、Xアカウントを使い捨てで運用しているのかもしれません。

こうした詐欺は、決して一部の人だけが引っかかる特殊なケースではありません。実際、たった1か月で数百件の被害が報告され、被害総額は58億円を超えています。

たった1か月で58.6億円の被害が出たSNS型投資詐欺

SNSを通じて投資を勧誘され、資金をだまし取られる「SNS型投資詐欺」の被害が深刻化しています。警視庁の発表によれば、2025年2月以降、被害は増加傾向にあり、3月は前月から23.7億円増加して2月の約1.75倍に膨れ上がっています。さらに4月には認知件数507件、被害額は58.6億円に増加していることが明らかになりました。

SNS型投資詐欺の被害額

画像引用:警視庁(当編集部で一部加工)

しかも、これは氷山の一角に過ぎません。2025年通年ではSNS型投資詐欺の認知件数は、4月末時点で1,672件に達する一方で、検挙件数はわずか63件となっており、取り締まりが追いついていないのが現状です。

認知件数 1,672件
被害額 188.8億円
検挙件数 63件
検挙人員 29人

SNS型投資詐欺の増加は日本に限った現象ではありません。アメリカでは2023年の投資詐欺による被害額が約6,900億円に達したほか、イギリスやフランス、オーストラリアでもSNSを悪用した詐欺被害が増加傾向にあります。

これほどまでに被害が拡大している背景には、多くの詐欺が誰もが使うSNSから始まっているという現実があります。どのSNSで、どのように接触が行われているのか詳しく見ていきましょう。

主要SNSでの接触が半数以上

SNS型投資詐欺の入口として最も多く利用されているのは、InstagramやLINE、Facebook、X(旧Twitter)といった主要SNSです。

SNS型投資詐欺の接触手段

画像引用:警視庁(当編集部で一部加工)

2025年に国内で認知された投資詐欺のうち、840件がSNSのDMによる初期接触から始まっています。全体の約50.2%に相当し、DMは最も多い接触手段となっています。

さらに警視庁の報告によると、SNS上のバナー等広告による接触が28.2%を占め、DMを合わせると約80%になります。つまり、被害者の5人に4人はDMか広告を通じて詐欺に巻き込まれている計算になります。

巧みに作られた広告や、信頼できそうに見えるアカウントからのDMが、詐欺のはじまりです。SNSの匿名性と有名インフルエンサーの影響力に便乗した、悪質かつ効率的な手口だといえるでしょう。

海外FXでもSNSを悪用した詐欺が発生

SNS型の投資詐欺が疑われる事例は、仮想通貨だけでなく海外FXの分野でも確認されています。特に悪質な例として知られているのが、「AmazingTick」と「AssassinFX」というコピートレードサービスを装った詐欺事例です。

これらのサービスでは、ユーザーがトレーダーの売買を自動でコピーできる仕組みが導入されており、「実績のあるトレーダーに任せるだけで利益が出る」とうたわれていました。

しかし、ある日複数のコピー元のトレーダーが一斉に異常なロット数で取引を行い、莫大な損失を発生させます。その結果、コピーしていたユーザーの資金は一夜にして消滅しました。

これらのサービスを紹介していたインフルエンサーが、「借金してでもやるべき」と強く勧めていたとの情報もあり、詐欺的な宣伝が堂々と行われていました。騒動が表面化すると、関与していたインフルエンサーたちは一斉に沈黙しています。最終的に資金の回収はほぼ不可能となりました。

このように、信頼性のないサービスをSNSで宣伝し、コピートレードの仕組みを利用して集中的に資金を奪う手口は、今後も形を変えて現れる可能性があります。SNSでの情報を鵜呑みにすることのリスクが、浮き彫りになった事例といえるでしょう。

SNS型投資詐欺は知識がある人でもハマる巧妙な罠

SNSは、リアルタイムで情報を入手できる便利なツールであり、有益な知見を得られる場でもあります。しかし、投資やトレードの分野においては、その利便性を悪用する詐欺も多く、情報の真偽を見極める力が求められます。

中級者でも「ある程度の知識があるから大丈夫」という油断が落とし穴になってしまうことがあります。偽アカウントは巧妙に作り込まれているため、しっかり観察しなければ偽物であることを見抜くのが難しいケースも少なくありません。

海外FXの世界でも、ライセンス不備の発覚や出金トラブルが問題になっている業者が存在します。SNSでの評判やインフルエンサーの紹介だけで判断せず、第三者の視点から検証された情報を基に、総合的に信頼性を見極める姿勢が必要です。

当サイトでは、こうしたポイントを事前に調査し、信頼性が高いブローカーのみを掲載しています。海外FX業者選びでお困りの方はぜひご覧ください。


Date

作成日

2025.06.30

Update

最終更新

2025.10.09

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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