作成日
:2025.12.09


2025.12.09 17:17
海外FX業者の国内銀行送金で利用されているクロスボーダー収納代行は、今後規制対象となり、利用できなくなると見られています。bitwallet(ビットウォレット)やPeska(ペスカ)といったオンラインウォレットへの入出金も例外ではなく、クロスボーダー収納代行を介した国内銀行送金は今後使えなくなるリスクを抱えています。
そういった背景もあり、仮想通貨(暗号資産)が使えるオンラインウォレットとしてBXONE(ビーエックスワン)が一部で注目されています。本記事では、BXONEが「使える」オンラインウォレットなのか海外FXユーザー目線で他社と比較します。
BXONE(ビーエックスワン)は、海外FX業者でも一部採用されているオンラインウォレットで、法定通貨だけではなく、仮想通貨(暗号資産)の送金や交換にも対応しています。海外への送金や決済に利用でき、複数の通貨を1つのウォレットでまとめて扱える点が特徴です。
海外FXでよく利用されるSTICPAY(スティックペイ)もBXONEと同様に仮想通貨を扱えますが、bitwallet(ビットウォレット)やPeska(ペスカ)は法定通貨のみの対応となっています。
| オンラインウォレット | 対応通貨 |
|---|---|
| BXONE |
・USD
・EUR
・JPY
・BTC
・ETH
・XRP
・USDT(ERC20)
・USDC(ERC20)
|
| bitwallet |
・USD
・EUR
・JPY
・AUD
|
| STICPAY |
・USD
・EUR
・JPY
・BTC
・LTC
・USDT(TRC20)
・NESS
・他20種類の法定通貨
|
| Peska |
・USD
・EUR
・JPY
・GBP
|
オンラインウォレットへの国内銀行送金は、クロスボーダー収納代行業者を介して処理されているため、規制強化が進むと国内銀行との送金が制限される可能性があります。そのため、bitwalletやPeskaなどの仮想通貨送金に非対応のオンラインウォレットは、海外FX業者の入出金に利用できなくなるのではと懸念されています。
ユーザーがオンラインウォレット経由で海外FXへ送金する一般的な流れは以下のとおりです。
オンラインウォレットへの入金は、法定通貨であれば指定の国内銀行口座へ振り込み、仮想通貨であれば指定されたウォレットアドレスへ送金するのが一般的です。また、海外FX業者へ入金する際は、オンラインウォレットから送金して、取引口座に資金を移動させます。
FX業者で得た利益を出金する場合は、上記とは逆の流れで送金します。
入出金手数料はオンラインウォレットごとに異なるため、手数料の低いサービスを利用したほうが送金コストを節約できます。
BXONEでは、仮想通貨の入金・出金手数料が無料となっており、仮想通貨を利用した海外FXへの入出金コストを抑えられます。一方、STICPAYでは仮想通貨の入出金時に手数料が発生し、入金は1%、出金は3%となっています。
| オンラインウォレット | 手数料 |
|---|---|
| BXONE |
入金:無料
出金:無料
|
| STICPAY |
入金:1%(*1)
出金:3%
|
(*1)Binance Payは1.8%
ただし、BXONE・STICPAYいずれで送金する場合も、ネットワーク手数料は別途必要です。
BXONEとPeskaは法定通貨の入金手数料は無料です。頻度が低いのであれば月1回の出金が無料になるPeskaを利用するとコストを抑えられます。月に2回以上、国内銀行送金で高額を出金する場合は、手数料が固定されているBXONEやbitwalletを利用したほうがコストを抑えられるでしょう。
| オンラインウォレット | 手数料 |
|---|---|
| BXONE |
入金:無料
出金:1%(*1)
|
| bitwallet |
入金:無料~8.5%
出金:777円(*2)
|
| Peska |
入金:無料
出金:0.2~2.4%(*3)
|
| STICPAY |
入金:1.5~4%
出金:2.5~5%
|
(*1)国内銀行送金は500円/1回。
(*2)国内銀行送金の手数料はアカウントステータスによって変化します。海外銀行送金では4,800円+1%の手数料がかかります。
(*3)月1回無料。
ただし、国内銀行送金は「クロスボーダー収納代行」を利用しているため、今後規制が強化されると、手数料の見直しや仕様の変更が行われる可能性があります。今後は定期的に条件に変更がないか確認したほうが良いでしょう。
2025年12月時点では、BXONE(ビーエックスワン)を導入している主要な海外FX業者は一部に限られています。bitwallet(ビットウォレット)やSTICPAY(スティックペイ)と比べると普及度はまだ高くありません。対応ブローカーが少ない点がBXONEのネックといえるでしょう。
| オンラインウォレット | 導入FX業者 |
|---|---|
| BXONE |
・BigBoss
・FXGT
・HFM
・XMTrading
|
| bitwallet |
・Axi
・easyMarkets
・Exness
・FXGT
・HFM
・Milton Markets
・MYFXMarkets
・ThreeTrader
・Titan FX
・Vantage Trading
・XMTrading
・XS.com
|
| STICPAY |
・BigBoss
・easyMarkets
・Exness
・FXGT
・FXON
・Milton Markets
・Titan FX
・XS.com
|
| Peska |
・BigBoss
・FXON
・MYFXMarkets
・ThreeTrader
・Titan FX
・XS.com
|
ただし、クロスボーダー収納代行に対する規制強化が進めば、BXONEを採用するブローカーが増える可能性もあります。また、需要の高まりを受けて、bitwalletやPeskaが仮想通貨(暗号資産)送金に対応することも考えられます。
いずれにせよ海外FX業者やオンラインウォレット各社は、送金の条件や方針の見直しを迫られているといえるでしょう。
BXONE(ビーエックスワン)には仮想通貨(暗号資産)を比較的低コストで送金できる利点がある一方で、利用にあたっていくつか注意点があります。
今回比較したオンラインウォレットの中で、公式サイトが日本語に非対応なのはBXONEだけです。ログイン後のマイページも日本語には対応していません。
そのため、英語が苦手な方が入出金操作を行う際は、翻訳ツールを使用する必要があります。他のオンラインウォレットからBXONEに乗り換える場合、この点に不便さを感じるかもしれません。
ただし、サポートは日本語で提供され、アカウント作成後に届くメールはすべて日本語表記です。また、日本向けのサポート窓口も用意されているので、不明点・疑問点があれば日本語で問い合わせることができます。
先述のとおり、BXONEではウォレット内で法定通貨と仮想通貨を交換できますが、その際のレートにはBXONE側のコストが上乗せされます。そのため、一般的な仮想通貨取引所で提示されるレートと比較すると、やや不利な水準になる傾向があります。
実際に、12月2日午後5時30分時点の外部取引所のBTCレートとBXONEの交換レートを比較したところ、約219ドルの差がありました。このレートで100ドル分のBTCを交換した場合、約0.252ドル分のコストが上乗せされる計算になります。
交換金額が大きくなるほどレート差による影響も大きくなるため、まとまった額を仮想通貨へ交換する際は注意が必要です。
BXONEに限った問題ではありませんが、日本から海外FX業者へ仮想通貨で入金する場合、まず国内取引所で仮想通貨を購入して、送金する必要があります。
しかし、国内取引所によっては、本人以外のウォレットアドレス(第三者)への送金を禁止している場合があります。オンラインウォレットが収納代行経由で資金を受け取っているケースでは、「第三者への送金」と判断され、取引所側が送金を制限する可能性があります。
さらに、現在検討されている仮想通貨の金商法移行に伴い、国内取引所の送金ルールはより厳格化される可能性もあるかもしれません。規制が進めば、オンラインウォレットを経由した送金が利用しづらくなる可能性もあり、今後の動向には注意が必要です。
海外FX業者へ仮想通貨(暗号資産)で入出金する手段としては、オンラインウォレットを利用する方法のほか、海外取引所を経由する方法もあります。法定通貨と仮想通貨をひとつのウォレットでまとめて管理したい場合は、オンラインウォレットのほうが利便性が高いといえるでしょう。
金融庁は、改正資金決済法を2025年6月から1年以内に施行するとしており、国内銀行送金や収納代行を取り巻く環境は今後大きく変わると見られています。海外FX業者を利用するのであれば、2026年6月頃までは最新情報をこまめにチェックし、国内銀行送金が使えなくなっても慌てないように、代替手段を用意しておきましょう。
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作成日
:2025.12.09
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最終更新
:2025.12.09
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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