作成日
:2025.12.22


2025.12.22 17:40
USDCは海外FX業者への入出金手段として注目を集めていますが、利用できるネットワークや出金ルールは業者ごとに異なります。特に、ERC20・BEP20・SPLといった対応しているネットワークの違いや、USDCでの利益出金の可否、最低入金額などの条件は、運用のしやすさを左右する重要なポイントです。
本記事では、USDCでの入出金が可能な海外FX業者を整理したうえで、各社の対応状況や注意点をまとめました。
海外FX業者の中には、入金時と同額までしかUSDCで出金できないブローカーもあります。そのため、今後USDCをメインの入出金手段として利用する場合、利益の出金が可能な海外FX業者を選ぶ必要があります。今回比較したブローカーの中で、USDCで利益を出金できることが確認できた海外FX業者は以下の7社です。
各海外FX業者の詳しい取引条件や口座仕様については、個別のブローカーページで確認できます。
参照:ブローカー情報
なお、本記事に掲載している各ブローカーのUSDCへの対応状況は、2025年12月時点での情報です。
USDCの入金対応状況は、海外FX業者ごとに大きな差があります。特に重要となるのが、どのネットワーク(ERC20・BEP20・SPL)に対応しているかという点です。
同じUSDCでもネットワークが異なると送金が成立しないため、入金前の確認が必須です。以下の表では主要な海外FX業者について、USDCの入金対応ネットワークを一覧で整理しました。
| ブローカー | ERC20 | BEP20 | SPL |
|---|---|---|---|
| XMtrading | ○ | × | × |
| Titan FX | ○ | × | ○ |
| Exness | ○ | ○ | × |
| BigBoss | × | × | × |
| Vantage Trading | ○ | × | × |
| ThreeTrader | ○ | × | × |
| FXGT | × | × | × |
| FXON | × | × | × |
| MYFXMarkets | ○ | × | × |
| HFM | ○ | ○ | × |
| XS.com | ○ | ○ | × |
| easyMarkets | × | ○ | ○ |
| Axi | ◯ | ◯ | ◯ |
ERC20は多くのブローカーで利用できますが、BEP20やSPLを含めた複数のネットワークに対応している業者は限られています。
また、ブローカーによってはそもそもUSDC入金に対応していない場合もあります。
ただし、そういったブローカーでもUSDTやBTCなどの他の仮想通貨での入金には対応している場合が多く、仮想通貨入金に完全に非対応というケースは稀です。
多くの海外FX業者がUSDCでの利益の出金に対応している一方、非対応の業者も存在します。例えば、Axiでは入金額を超える額をUSDCで出金できないルールになっているため、元金しか出金できません。
| ブローカー | USDCでの利益出金の可否 |
|---|---|
| XMTrading | × |
| Titan FX | ◯ |
| Exness | ◯ |
| Vantage Trading | ◯ |
| ThreeTrader | ◯ |
| MYFXMarket | ◯ |
| HFM | ◯ |
| XS.com | ◯ |
| easyMarkets | x |
| Axi | × |
大手海外FX業者として知られるXMTradingもAxi同様、出金は入金額までというルールを採用しているため、USDCで利益を出金することができません。
Axi(アクシ)・XMTrading(エックスエムトレーディング)・easyMarkets(イージーマーケッツ)以外のブローカーは、USDCで元金だけではなく利益も出金することができます。一般的に海外FX業者では、入金時に使用した方法で出金しなければなりません。しかし、Vantage Trading・MYFXMarketsの2社については、入金方法にかかわらず、USDCで利益を出金することができます。
海外FX業者によってUSDC送金に必要な初回入金額が異なり、少額から試せる業者もあれば、ある程度まとまった額で送金しなければならない業者もあります。
以下の表では、主要な海外FX業者のUSDC送金時の最低入金額を比較しています。
各ブローカーの最低入金額(*1)
|
|
10,000円(約66ドル) |
|---|---|
(タイタンエフエックス)
|
6,400円(約43ドル) |
|
|
約1,500円(10ドル) |
(ヴァンテージ トレーディング)
|
5,000円(約33ドル) |
(スリートレーダー)
|
15,000円(100ドル) |
(マイエフエックスマーケット)
|
3,000円(約20ドル) |
(エイチエフエム)
|
約1,500円(10ドル) |
(エックスエス)
|
約7,500円(50ドル) |
(イージーマーケッツ)
|
約3,750円(25ドル) |
(アクシ)
|
約4,500円(30ドル) |
(*1)1ドル=150円の場合
ExnessやHFMは比較的少額からUSDC送金を利用できる一方、ThreeTraderは金額がやや高めに設定されています。
また、FX業者によっては、口座タイプごとに最低入金額が異なるケースもあるため注意が必要です。例えば、ExnessではUSDCで送金できる最少額は1,500円ですが、同社のプロ口座の初回最低入金額は30万円(2,000ドル)です。(*2)そのため、プロ口座を利用する場合、USDC入金であっても30万円以上の資金を用意しなければなりません。
海外FX業者を比較する際は、USDCの最低入金額だけではなく、口座側の最低入金額も確認しておくことが重要です。初めてUSDC送金を利用する場合は、テストを兼ねて最低入金額が低い業者で送金してみると良いかもしれません。
(*2)1ドル=150円の場合
2025年6月の資金決済法の一部改正によるクロスボーダー収納代行規制後の送金手段として、USDCなどの仮想通貨が注目されています。仮想通貨での入出金は規制の影響を受けにくいと考えられますが、いくつか注意すべき点があります。
USDCはERC20・BEP20・SPLなど、複数のネットワークで流通しています。そのため、ネットワークの選択ミスや入金先アドレスの誤入力といったリスクには注意が必要です。
送金元と送金先のネットワークが一致していない場合、入金は反映されません。また、正しいネットワークを選択していても、間違ったアドレスへ送金してしまうと資金を回収できなくなる恐れがあるので注意しましょう。
こういったトラブルへの対策として有効なのが、少額でのテスト送金です。初回は最小金額で送金し、着金を確認できたら残りを送金すると良いでしょう。万が一、間違ったネットワーク・アドレスに送金してしまったとしても、テスト送金の段階で気づくことができるので、損失を最小限に抑えられます。
SBI VCトレードは、USDCを取り扱っている数少ない国内仮想通貨取引所です。しかし、SBI VCトレードの対応ネットワークはERC20のみとなっています。そのため、SBI VCトレードでUSDCを購入して海外FX業者へ入金する場合、ERC20に対応している海外FX業者を選ばなければそのまま送金することはできません。
また、日本の金融規制下にあるSBI VCトレードは、送金先や資金移動の目的などを厳格にチェックしています。SBI VCトレードから海外FX業者が指定するウォレットにUSDCを直接入金することには、SBI VCトレード内での利用制限の対象となるなどのリスクがあるので、個人ウォレットを経由させて送金を試してみるほうが安全でしょう。
USDCでの入出金を前提とする場合、どちらかといえば口座通貨が米ドル(USD)の口座を選択したほうが良いかもしれません。
理由としては、円(JPY)口座やユーロ(EUR)口座など、米ドル以外の口座へUSDCを入金した場合、ブローカーの独自レートで口座通貨への交換が行われるためです。
上記の独自レートには、ブローカー側のコストが上乗せされているケースも少なくありません。結果として取引口座に反映される入金額が想定よりも少なくなる可能性があります。出金時も同様に円やユーロからUSDCに交換する必要があるため、米ドル口座と比較してコストが大きくなってしまう恐れがあります。
実際の環境はブローカーごとに異なるため要確認となりますが、USDCを主軸に運用する場合は、米ドル口座を利用したほうが入金・出金のコストを抑えられるでしょう。
USDCでの入出金を前提とする場合、対応ネットワークや出金ルール、最低入金額は業者ごとに異なるため、自身の運用スタイルに合わせてブローカーを選ぶことが大切です。
まずは少額で送金を試してみたいという場合は、10ドルからUSDCを送金できるExness(エクスネス)やHFM(エイチエフエム)が良いでしょう。イーサリアムよりも高速・低コストなネットワークで送金したい場合は、Titan FX(タイタンエフエックス)、Exness、HFM、XS.com(エックスエス)などが候補になるでしょう。
2026年以降はクロスボーダー収納代行に対する規制が強化されるため、海外FX業者の国内銀行振込が利用できなくなると見られています。今後も海外FXを利用するのであれば今のうちに複数の入出金ルートを確保しておきましょう。
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作成日
:2025.12.22
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最終更新
:2025.12.22
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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