Select Language

利下げ

読み方 りさげ
対義語 利上げ

利下げとは、中央銀行政策金利を下げることです。政策金利を下げることにより、「物価上昇を促す」「景気を刺激する」といった効果が期待されます。政策金利は各国で指す内容が異なり、日本銀行では「無担保コールレート(オーバーナイト物)」、米連邦準備制度理事会(FRB)では「フェデラル・ファンド金利」、欧州中央銀行(ECB)では「主要リファイナンス・オペ金利」を用いています。いずれも銀行同士が資金を融通し合う際の金利です。

政策金利を下げると、このような流れで物価上昇・景気刺激につながります。

政策金利引き下げの影響

利下げは、さまざまな相場に影響を及ぼします。株式の場合は銘柄にって及ぼす影響の度合いは異なりますが、FXの場合は影響が甚大です。基本的には、利下げした通貨は売られて安くなります。例えば、米国金利が引き下げられたなら、ドル安となる傾向があります。しかし、他国との金利差や、市場の期待との綱引きという面もあるため、解釈には細心の注意が必要です。

knowledge 利下げによる景気回復効果は限定的

利下げは主に、景気後退局面で行われることが多く、短期間で大きく引き下げられることが多いです。しかし、利上げが景気上昇を抑える強力な力を持っていることに比べ、利下げが景気を上昇させる力は弱く、効果が出るまでに時間がかかります。利下げの効果を例えて「金利はひものようなもので、引っ張ることはできても、押すことはできない」「馬を水辺まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」ということもあります。

こうした利下げと利上げの効果の非対称性や、政治は常に好景気を望むため、利下げ圧力がかかりやすいこと、近年では国家財政の赤字累積により世界的に財政支出を抑え金融政策頼みとなっていることなどから、景気が悪いときは大幅に金利を下げるが、景気が回復しても金利を大きく上げることが難しくなりました。結果、世界の多くの国が、利下げしようにも下げる金利がないという状態に追い込まれており、この先金利のない世界で金融市場や実体経済がどう動いていくのか、予測のつきにくい状況となっています。


Date

作成日

2020.11.30

Update

最終更新

2022.04.20

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

arrow
斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

arrow
山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル