Select Language

政策金利

読み方 せいさくきんり

政策金利とは、その国の中央銀行が、景気や物価安定目標を達成するために市中の銀行に対して資金を貸し出す際に適用される短期金利のことです。市中の銀行が資金調達をする際の金利なので、銀行が企業や個人に対して貸し出す際の金利等、経済全体のさまざまな金利にも影響を及ぼします。政策金利を引き上げることを利上げ、引き下げることを利下げといいます。

政策金利は、それぞれの中央銀行が、景況感を考慮しながら決定しています。一般的に、景気に過熱感が見られるときには金融引き締めの一環として政策金利が引き上げられ、市中の資金を吸収しようとします。その逆に、景気が冷え込んでいるときには市中に資金を供給するために政策金利を引き下げるといった政策がとられます。

利上げ・利下げの影響

FXの世界では、主要先進国が低金利で、新興国の中には高金利の国があるという構図が長らく続いています。FXにはスワップポイントがあるため、政策金利の低い通貨を売って、高金利通貨を買うポジションを保有すると、スワップポイントを受け取ることができます。しかし、低金利の国で景気が過熱して政策金利の引き上げが行われ、高金利通貨との金利差が逆転すると、これまでプラススワップ(スワップ受け取り)だったポジションがマイナススワップ(スワップ支払い)になる可能性もあるので注意が必要です。

knowledge ジョージ・ソロスと英中銀の伝説的な戦い

政策金利の引き上げを行うと、その通貨は買われやすくなります。その法則を利用して通貨防衛をしようとしたものの、失敗に終わった歴史的な「事件」があります。それは1992年のポンド危機です。ポンドの価格が実評価よりも高いと判断した世界的な投資家、ジョージ・ソロスが大規模なポンド売りを仕掛け、英中銀はそれに対抗する買い支えと2度の利上げを行いました。最終的には、ソロスの売り仕掛けに世界中の投資家が同調したためポンドは下落し、英中銀の敗北となりました。この事例では、利上げの効果を売り仕掛けが上回りましたが、通貨価値を上昇させるために中央銀行が政策金利の引き上げを選択することがセオリーであると、改めて裏付けられました。


Date

作成日

2020.12.21

Update

最終更新

2022.04.20

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

arrow
斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

arrow
山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル