作成日
:2021.06.02
仕掛けとは、FXで新たな売買注文を出すことを指します。また、広義には、巨大な資金を持つ投機筋などが相場を意図的に動かすために大規模な注文を入れることも含まれます。
為替市場には、実需筋と投機筋という大きな取引勢力があります。実需筋とは、輸出入業者など外貨を必要としている取引勢力のことです。実需に基づく取引を行うため、そのポジションの機動力は高くありません。一方、投機筋とは、外貨を必要とはせず差益の獲得を狙う取引勢力のことです。利益を得るために、新規ポジション建てと決済を繰り返します。
投機筋の代表的存在は、限りある期間で成果を上げなければならないヘッジファンドなどの機関投資家です。その巨大な資金を用いることで、身動きの取りにくい実需筋のポジションや、個人投資家のポジションを狙います。買いポジション、もしくは売りポジションのどちらかが積み上がっているような局面では、投機筋がそれらのポジションをストップロスに追い込むように、反対側の大口注文を入れてくることがあります。こうした意図的な取引が、仕掛けと呼ばれます。
投機筋による仕掛け的な値動きの象徴が、フラッシュクラッシュです。これは一定の条件が整っているときに起きやすくなります。最大の条件は薄商いであること、つまり為替市場の取引量が極端に少ない日や時間帯です。記憶に新しいのは、2019年1月3日の早朝に起きたフラッシュクラッシュです。これは日本が正月休みで、しかも東京時間前という最も取引が少なくなる時間帯を狙った売り仕掛けでした。このときに米ドル円は10分以内に4円以上も急落し、他の通貨ペアもクラッシュ相場となりました。こうした商いが薄いタイミングには、仕掛けが入る可能性があります。長期のポジションを持つ際には、それを念頭に資金管理をしなければなりません。
作成日
:2021.06.02
最終更新
:2024.11.22
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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