作成日
:2020.12.29
マイナス金利とは、その名の通り金利がマイナスの状態になっていることを表す言葉です。一般的に、民間の金融機関が中央銀行に預ける際の金利がマイナスになることを指します。
マイナス金利は、中央銀行がデフレ対策のために行う金融緩和政策として適用される場合があります。民間の金融機関は、中央銀行に預金していれば通常なら金利を受け取ることができますが、中央銀行の当座預金がマイナス金利になると、逆に金利を支払わなければならなくなります。すると、その分の資金を企業への貸出や投資運用に回そうとする動きが強まり、実体経済にプラスに作用します。つまり、マイナス金利の導入によって消費の拡大と物価の上昇が期待できるというわけです。
日本銀行が導入しているマイナス金利政策は「階層構造方式」を採用しています。日銀当座預金を「基礎残高」「マクロ加算残高」「政策金利残高」という3段階の階層構造に分割し、マイナス金利はこのうちの政策金利残高にのみ適用されています。現在のマイナス金利は-0.1%が設定されており、対象となっているのは当座預金全体の約5%に該当します。
日本では、2016年に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入が決定されました。現在は上記政策にイールドカーブ・コントロールを加えた「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」としてマイナス金利の導入が続いています。また、日本以外では欧州連合(EU)やデンマーク、スイスなどがマイナス金利政策を導入しています。特に欧州中央銀行(ECB)は、中銀預金金利の他に準備預金制度における超過準備にもマイナス金利を設定するなど、日本よりも広範にマイナス金利政策を取っています。
作成日
:2020.12.29
最終更新
:2024.11.14
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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