作成日
:2023.06.08
2024.02.19 11:54
Manta Network(マンタネットワーク)はプライバシー保護に特化したブロックチェーンです。
Polkadot(ポルカドット)やBinance(バイナンス)と連携して、多様なサービスを開発しています。直近ではMantaPayを公開しており、関連イベントが注目を集めました。
当記事では、Manta Networkの特徴やプロジェクトの内容、公開予定の仮想通貨(暗号資産)MANTAなどについて解説していきます。
Manta Networkの独自トークンMANTAが、2024年1月18日にBybitをはじめとする海外取引所に上場しました。MANTAは、ネットワーク利用料や各種取引、ガバナンス投票権などに使われます。上場に際して行われた大規模なエアドロップも盛り上がりを見せました。
画像引用:Manta Network
Manta Network(マンタネットワーク)はプライバシー特化型のブロックチェーンで、p0x labsというチームが開発しています。
主要なネットワークであるManta Networkと、そのカナリアネットワークであるCalamari Network(カラマリネットワーク)の2つで構成されています。
カナリアネットワークはテスト環境の一種で、テストでありながら広く一般に公開されています。テストネットとメインネット(本番環境)の中間に位置し、新機能等を本番環境で適用する前にチェックする役割を担っています。
プライバシーの保護は、多くのブロックチェーンにとって重要な課題の1つです。Manta Networkはこの課題に対して、ゼロ知識証明の一種であるzk-SNARKsを使って対応しています。
ゼロ知識証明(ZKP:Zero Knowledge Proof)とは、ある人がある情報を持っていることについて、詳細を明かさずに証明する手法です。プライバシーを保護しながら正当性を確認できるので、ブロックチェーンにおける安全性や匿名性の向上に寄与しています。
また、Manta NetworkはPolkadotのパラチェーンオークションを勝ち抜き、Polkadotに接続する権利を持っています。
Polkadotとは、異なるブロックチェーン同士を接続できるブロックチェーンです。当記事では、PolkadotとManta Networkの連携についても解説します。
Manta Network(マンタネットワーク)が既存の課題をどのように解決しているかについて解説します。
ブロックチェーン上の情報は改ざんが難しいという特徴があります。それと同時に、誰でもブロックチェーン上の送金情報を確認できるという透明性もあります。この点が、プライバシー保護の観点から問題視されてきました。
具体的には、Etherscanなどを使うと、各ウォレットの資産状況や送金履歴がすべて見えてしまいます。
Etherscan(イーサスキャン)は、イーサリアムネットワーク上の送金などを調査するツールです。ユーザーはガス代やスマートコントラクトなど、イーサリアムネットワーク上の様々な情報を確認できます。
Manta Networkはこの状況を改善するために、DAP(分散型匿名決済)とDAX(分散型匿名取引所)を採用しています。
DAP(Decentralized Anonymous Payment:分散型匿名決済)は、匿名性を保持しながら決済するシステムです。プライバシーを保護しつつ、ブロックチェーンの透明性とセキュリティを維持することを目的としています。
Manta NetworkではMantaPay(マンタペイ)でDAPを実現しており、送金情報を秘匿化してプライバシーを保護しています。
DAX(Decentralized Anonymous Exchange)は、匿名性を維持したまま取引できる分散型取引所です。
Manta NetworkではMantaSwap(マンタスワップ)でDAXを実現しており、プライベートトークンをAMM方式でスワップできます。
AMMは「Automated Market Maker」の略称で、分散型取引所(DEX)で主に使われます。取引価格が自動的に決まる仕組みで、ユーザーは流動性を提供すると見返りに報酬を受け取れます。
さらに、トランザクションの詳細を秘匿化した状態で取引可能なため、不正なフロントランニングも防止できます。
株式など既存の金融商品について、フロントランニングは法律で禁止されています。具体的には、金融商品取引業者などが顧客の注文情報を悪用して、顧客よりも先に取引して利益を得る行為を指します。
画像引用:p0x labs
Manta Networkを運営しているのは、p0x labsというチームです。Shumo C.氏など3名を中心に、20名程度で活動しています。
p0x labsはゼロ知識証明の技術を武器に、Manta NetworkやCalamari Networkなどを開発しています。
Manta Network(マンタネットワーク)は開発中のプロジェクトであり、ネイティブトークンのMANTAは未発行です。
しかし、他のブロックチェーンとの連携やコラボイベントが盛り上がるなど、様々な動きが見られます。
画像引用:Parachains.info
Polkadot(ポルカドット)は異なるブロックチェーン同士を接続するプロトコルです。
従来のブロックチェーンは相互につながっておらず、「イーサリアムのガス代をビットコインで支払う」ということはできませんでした。
これに対し、Polkadotでは本体のブロックチェーン(リレーチェーン)があり、そこにパラチェーンと呼ばれる個別のブロックチェーンを接続することで、ブロックチェーンの相互接続を実現しています。
なお、パラチェーンとして接続できるブロックチェーンはオークションで決められ、日本発のAstar Network(アスターネットワーク)もオークションで勝利して接続しています。
Manta Networkは第39回のオークションに勝利し、Polkadotのパラチェーンとして開発可能になっています。DAPやDAXも、Polkadotとの接続で実現できた技術だと言えるでしょう。
画像引用:Medium
Manta Networkの製品の1つに「zkSBT」があります。これはSBT(ソウルバウンドトークン)の一種です。
SBTは「Soulbound Token」の略称で、譲渡不可能なNFT(非代替性トークン)を指します。一度受信すると他のウォレットに移せず、主に個人情報関連の記録ツールとしての利用を想定されています。
Binanceは、本人確認が完了したユーザーに対してBAB(Binance Account Bound)と呼ばれるSBTを発行しています。これに加えて、zkSBTを活用した「zkBAB」も発行しています。
zkBABの発行により、自分の情報を明かさなくてもBinanceの本人確認が完了していることを証明できます。
MantaPayは2023年5月にキャンペーン「Privatize to Maximize」を実施しました。MantaPayで送金すると報酬をもらえるという内容です。
このイベント告知ツイートに対して、リツイートといいねが合計で4万件以上に達し、盛況となりました。
Manta Network(マンタネットワーク)は、ネイティブトークンとしてMANTAを発行予定です。2023年5月時点でMANTAはまだ流通しておらず、売買もできません。
そこで、カナリアネットワーク「Calamari Network」で流通しているKMAトークンの情報も参考にして、MANTAを考察します。
MantaPayとMantaSwapには使用料をユーザーに還元するメカニズムがあり、その際にMANTAが使われます。
MANTAは、換金されると一部が自動的にバーン(焼却)されます。これによりトークンの価値が下がりづらくなり、既存のMANTAホルダーに価値をもたらします。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指し、仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行できます。そして、そのウォレットの秘密鍵は開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
トークン保有者はステーキングに参加すると、取引手数料の一部を報酬として受け取ることができます。なお、ネットワークにとってマイナスな行動をとった場合、ステークした資産は没収されます。
MANTAは、DAOにおいてガバナンストークンとしても利用される予定です。
DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略称で、日本語で「分散型自律組織」と訳されます。中央管理者を必要とせず、参加者の自律的な活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及に伴い広く採用されています。
MANTAをステークすると投票権を得ることができ、重要な提案に際して投票できます。
MANTAは未上場のため、参考としてKMAの価格を解説します。
KMAは、KuCoinやGate.ioなどの大手取引所に上場しています。2021年12月の上場当初の価格は7円前後でしたが、その後は下げています。当記事の執筆時点(2023年5月31日)では、1KMA=0.3円前後の水準で推移しています。
画像引用:CoinMarketCap
Manta Network(マンタネットワーク)には主要なプロダクトが複数あり、ここでは代表的なものを3つ取り上げます。
画像引用:Manta Network
NPO(NFT Private Offering)は、ゼロ知識証明とNFTを組み合わせたツールです。ユーザーは自分のプライバシーを守りながら、NFTやSBTを簡単に発行できます。
zkSBT(Zero-Knowledge Soulbond Token)はソウルバウンドトークン(SBT)の一種で、従来よりもセキュリティとプライバシー機能を強化しています。また、通常のSBTのように簡単に発行可能で、イーサリアムやBNBチェーンなど他のチェーンでも発行できます。
なお、プライバシー認証はManta Network上で実行されるため、ウォレット内の資産状況等が外部に漏れることはありません。
MantaPayは匿名性を保持しながら送金できます。当記事執筆時点(2023年5月31日)では、カナリアネットワーク「Calamari Network」で利用できます。
画像引用:Manta Network
Manta Network(マンタネットワーク)の将来性について、ロードマップから読み取れる内容を踏まえて考察します。
MantaPayにより、USDTの取引に関するプライバシーが強化されます。
Gafinはweb3にeスポーツの要素を提供するゲームプラットフォームです。GafinはManta NetworkのNPOを活用して、ユーザーに向けてzkSBTを発行する予定です。
Manta Networkの活動に参加することで、MANTAのエアドロップを受け取れます。
開発者がManta Networkでzkアプリケーションを構築できるように、堅牢な機能を提供します。
2023年6月6日現在、仮想通貨(暗号資産)MANTAはリリース前のため購入できません。しかし同じManta Networkが発行するKMAは、海外取引所で購入できます。
各海外取引所におけるKMAの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) |
× |
× |
(バイナンス) |
× |
× |
(ゲート) |
〇 |
× |
(メクシー) |
〇 |
× |
(ビンエックス) |
× |
× |
(ビットゲット) |
× |
× |
(コインイーエックス) |
× |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
× | × |
上記取引所のうち、MEXCとGate.ioは現物取引でKMAを取り扱っています。
MEXCでは、2つの手順でKMAを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、KMAの購入ページ(KMA/USDT)にアクセスします。
なお、MEXCを利用するには、口座を開設しておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でKMAを購入するには、以下のように操作をして「KMAを購入」をクリックします。
番号 |
項目 |
説明 |
---|---|---|
1 |
取引種別 |
「現物取引」を選択したままにします。 |
2 |
注文方法 |
「成行注文」を選びます。 |
3 |
合計 |
購入したい数量を入力します。 |
「KMAを購入」をクリックすると、即座に注文が実行されます。
なお、KMAはUSDTで購入します。そのためUSDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
ブロックチェーンはその透明性や検証性の高さがメリットです。それと引き換えに、ユーザーのプライバシーを犠牲にしてきました。
しかし、この両者はトレードオフの関係にあるわけではありません。ユーザーが安心してブロックチェーンを利用するためには、プライバシーの保護が必要です。
Manta Network(マンタネットワーク)は、ゼロ知識証明を様々な形で活用してプライバシーの問題に取り組んでいます。産業全体でのプライバシー保護の動きをどれだけ牽引できるか、今後も注目です。
作成日
:2023.06.08
最終更新
:2024.02.19
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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