作成日
:2021.11.18
2022.04.20 12:08
大手仮想通貨取引所のBinance(バイナンス)が、人気仮想通貨ポルカドット(DOT)のパラチェーンスロットオークションへの対応を発表しました(BinanceではDOTスロットオークションと呼びます)。
パラチェーンスロットオークションとは、ポルカドットで準備されている数々のプロジェクトのどれを優先して実装するかをDOT保有者の投票によって決めようという仕組みです。そして、投票に参加したDOT保有者には、報酬としてトークンが配布されます。
なお、ポルカドットは国内取引所でも取引できますが、パラチェーンスロットオークションに対応していません。従って、日本から参加するには、Binanceなどの海外取引所を利用するか専用のウォレットを利用する必要があります。
また、これは2021年11月11日から開催された新しい試みであり、特にBinanceではDOTスロットオークション開催前の1週間に参加すると「ウォームアップ報酬」として合計3,000万ドル相当のトークンを得られたこともあり、SNS上で話題になっています。
ポルカドットはWeb3.0の世界を実現することを目的としており、2020年5月にメインネット(主となるブロックチェーン)を立ち上げた仮想通貨関連プロジェクトです。
Web3.0とはブロックチェーンを初めとする分散型ネットワークを用いて分権化された次世代のインターネット環境を指します。大手IT企業が影響力を持つ現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)と異なり、Web3.0ではネットワークを構成する個々のユーザーが重要な役割を担うと考えられています。
ポルカドット自体が比較的新しいプロジェクトになり、今年に入ってから価格が急上昇しました。
以前からポルカドットは、外部機関によるプログラムの監査を経てDOTスロットオークションを開催すると公表していました。この度、ポルカドットは宣言通りにDOTスロットオークションを開始することになりましたが、それは一体どのようなものなのでしょうか。
ポルカドットのネットワークは、中心的な存在の「リレーチェーン」とそれに接続される「パラチェーン」と呼ばれる複数のブロックチェーンで構成されています。パラチェーンはブロックチェーンの性能を高めるだけでなく、独立したプロジェクトの基盤として利用できます。
既にパラチェーンを用いたプロジェクト開発が進められていますが、個々のプロジェクトはリレーチェーンに接続されるのを順番待ちしている状況です。そこで、接続の優先順位を決める手段として、ポルカドットはパラチェーンスロットオークションの開催を決定しています。
このパラチェーンスロットオークションでは、ポルカドット保有者を対象として各プロジェクトの人気投票が行われます。最終的により多くの票を獲得したプロジェクトのパラチェーンから、リレーチェーンに接続する権利が付与されていく仕組みです。
パラチェーンスロットオークションは、複数回に分けて開催されます。現時点では、2021年11月11日からの「バッチ1」と12月23日からの「バッチ2」で、それぞれ5回ずつの合計10回のオークションが開催される予定です。
詳しい日程は下で説明しますが、バッチ1のオークションで勝利したプロジェクトのパラチェーンは、12月17日から一斉にリレーチェーンに接続される見通しです。ちなみに、パラチェーンスロットオークションの開催期間中であれば、いつでも投票できるようになっているので、ポルカドットの保有者は、気軽に投票してみるのも良いでしょう。
パラチェーンスロットオークションでは、保有するポルカドットを同ブロックチェーンに預け入れることで投票に参加できます。そして、各投票で勝者となったプロジェクトには最長約2年間の開発期間が設けられており、その間、預け入れたポルカドットは引き出せませんが、投票者にはプロジェクトの独自仮想通貨が報酬として配布されます。
なお、投票したプロジェクトが勝者になれなかった場合は、投票に使用したポルカドットは返却されます。
以上がパラチェーンスロットオークションの概要ですが、Binance(バイナンス)を使うと、ウォレット等から参加する場合に比べて追加の報酬等が準備されています。以下では、Binanceでの流れを紹介していきます。
DOTスロットオークションは、5回に分けて1週間ずつオークションを行いますが、Binanceでもポルカドット保有者から投票を受け付けます。
公開されているバッチ1のオークション日程は、以下の通りです。
パラチェーンスロットオークションでは、より適切な(=市場価格に近い)入札額で落札者を決めたいというキャンドルオークションの思想を採用しています。具体的には、オークション1の場合、投票は11月11日から11月18日までできますが、11月13日から11月18日のどこかの時点の投票総数で勝者を決定します。また、どの時点の投票数で集計するのかについて事前に公表されませんので、最終投票数で劣るプロジェクトが採用される場合もあります。
このため、投票したいプロジェクトがオークションに参加しているのであれば、どの時点で票数が集計されるかわからないので、できるだけ早めに投票することが必要です。
なお、オークション開始前の1週間、バイナンスではウォームアップ報酬を配布していました。これは、オークション開始前にプロジェクトに投票すると、総額3,000万ドル相当のトークンをもらえるというキャンペーンでした(既に終了しています)。
さて、パラチェーンスロットオークションに参加して投票先プロジェクトが勝利した場合、参加者は保有するポルカドットを預け入れるのと引き換えに、投票したプロジェクトの独自仮想通貨を受け取ることができます。報酬の額やどの仮想通貨が配布されるかはプロジェクトによりますが、全ての報酬が一度に支払われるのでなく、9回に分けて支払われます。なお、ポルカドットを預け入れている期間中に報酬として獲得した独自仮想通貨を売却することもできます。
Binanceを通じてDOTスロットオークションに参加した場合、預け入れたポルカドットの量に応じて、BDOTが配布されます。BDOTはプロジェクトの預入期間が終了した後に、ポルカドットと1対1の割合で交換することが可能です。
預け入れたポルカドットは最長約2年間償還されませんが、先にBDOTを売却してしまうこともできます。BDOTはDOTスロットオークション終了後、45日以内に取引可能となります。
ちなみに、途中でBDOTを売却してしまった場合でも、投票したプロジェクトから報酬を受け取ることが可能です。
当記事を執筆した時点において、DOTスロットオークションに9つのプロジェクトが名を連ねています。投票するには内容を把握する必要がありますが、これらはどのようなプロジェクトでしょうか。
Moonbeamはポルカドットネットワーク上で、イーサリアム(ETH)と互換性のあるスマートコントラクト(ブロックチェーンを活用した契約の自動履行機能)プラットフォームを開発するプロジェクトです。これが実装されれば、ブロックチェーンを活用したアプリケーションであるDApp(分散型アプリ)の開発が容易になると考えられます。
Clover Financeは、DeFi(分散型金融)関連サービスに特化したクロスチェーンインフラです。クロスチェーンとは、異なるブロックチェーンに互換性を持たせる技術ですが、Clover Financeはその利用を支援することを目的に、開発ツールや基本的な機能なども提供します。
DeFi関連サービスはブロックチェーンを用いて金融分野のサービスを提供することを可能にします。具体的には分散型取引所(DEX)、仮想通貨レンディング(仮想通貨を利用した貸付)、仮想通貨ローン(仮想通貨を担保としたローン)などが代表的です。
Astar Networkは、Moonbeamと同じく、イーサリアムの規格に対応するスマートコントラクトプラットフォームです。また、Astar Networkは日本発のブロックチェーンとして注目されています。
LitentryはユーザーがIDを管理する機能と、DAppが利用可能なユーザーの信用スコア(特定の口座に紐づく様々な評価を可視化したもの)を提供します。Litentryを利用すれば、仮想通貨レンディングなどで貸し手が適切な判断を下すことができるようになります。
Mantaはプライバシー保護に焦点を当てたプロジェクトです。MantaはDeFi関連サービスの取引だけでなく、Web3.0時代における全てのアプリケーションのプライバシー保護を実現することを目的としています。
BifrostはvTokenと呼ばれる機能を提供するためのプロジェクトです。vTokenとは、Binanceが預け入れたポルカドットに対してBDOTを発行するのと同じ発想で、ステーキングなどを目的に預け入れた資産に流動性を与えることを可能にします。
ステーキングとは特定のブロックチェーンで報酬と引き換えにブロックの検証や生成に関与する行為です。ステーキングを行うには、対象となる仮想通貨を指定のウォレットアドレスに預け入れる必要があります。一般的にその間は、仮想通貨を移動することはできません。
Efinityは次世代のNFT(非代替性トークン)インフラを構築するプロジェクトです。EfinityはNFTに特化した安価な手数料で高速な取引手段を実現することができます。
NFTとは日本語で「非代替性トークン」と訳されます。現在、NFTは主にゲームアイテムやデジタルアートなどのコンテンツをトークン化する手段として利用され、また、売買可能なことから投資対象としても注目され始めています。
ParallelはDeFi関連サービスのプラットフォームで、ポルカドットのブロックチェーン上でレンディングとステーキングを提供します。Parallelを利用すれば、レンディングとステーキングを同時に行って保有する仮想通貨からより多くの利回りを得ることができます。
Acalaはポルカドットにおける総合的なDeFi関連サービスやステーブルコインなどを提供することを目的としています。AcalaのステーブルコインであるAcala Dollarは、複数のブロックチェーンに跨って利用可能な点が特徴的です。
ポルカドットのDOTスロットオークション開催発表を受け、仮想通貨市場では同仮想通貨への注目度が高まっています。ポルカドット価格は、DOTスロットオークションを発表した2021年11月1日以降急騰し、50ドルの大台を超えて史上最高値を更新しました。
既にDOTスロットオークションに多くのユーザーが参加していますが、どのような結果になるでしょうか。Binance(バイナンス)を始めとする海外取引所を利用する環境があれば、DOTスロットオークションに簡単に参加できるので、応援できるプロジェクトを探して投票してみるのも面白いかもしれません。
出典元:
作成日
:2021.11.18
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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