作成日
:2023.06.09
2023.06.09 16:02
Binance JAPAN(仮称)の立ち上げに伴い、大手取引所Binance(バイナンス)のグローバルサイトは日本居住者の利用停止を発表しました。日本国内の仮想通貨(暗号資産)コミュニティでは、Binanceに代わる取引所探しが起きています。
OKXやBybitなどが候補になりますが、Binanceに代わるサービスとなるでしょうか。
2023年5月26日、Binanceのグローバルサイト(以下「Binance」といいます)が日本居住者へのサービス停止を発表しました。
2022年11月には日本居住者の新規口座開設を終了しており、日本の仮想通貨コミュニティはサービス停止発表を冷静に受け止めたようです。また、この発表を受けてBinanceに代わる取引所探しが話題になっています。
Binanceは全世界でサービスを展開しています。米国やオーストラリアなどでは、各国の国内法に準拠した形で取引所を運営しています。
Binanceは、Binance JAPAN(仮称)の立ち上げを予定しています。2022年末に日本の「サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)」を買収しており、SEBCが保有している金融庁ライセンスを利用して営業します。
画像引用:サクラエクスチェンジビットコイン
Binance JAPANのサービス開始は2023年12月1日の見込みです。また、サクラエクスチェンジビットコインはサービスを終了します。
当記事執筆時点(2023年6月4日)でBinance JAPANのサービス内容は不明ですが、日本の法制度に準拠したサービスのみを扱い、取扱銘柄数は30以上になる見込みです。このため、Binanceと比べてサービス内容は大幅に縮小すると予想されています。
日本居住者が利用でき、Binanceの代わりとなりうる取引所の例として、以下が挙げられます。
画像引用:Bybit
Bybit(バイビット)は2018年に開設された取引所で、ドバイに本社を構えています。仮想通貨デリバティブを強みとしており、ステーキングやNFTマーケットプレイスなども提供しています。また、仮想通貨BITをエコシステムに取り入れ、保有者に様々な特典を付与しています。
画像引用:OKX
OKX(オーケーエックス)は2013年に中国で設立され、現在はセーシェルを本拠とするオフショア取引所です。総合的なサービスを展開しており、ブロックチェーン開発にも力を入れています。取引所トークンとしてOKBやOKTを発行しています。
オフショア取引所とは、規制が緩い第三国で設立された取引所を指します。各国の規制当局の許可を得ずにグローバルに事業を展開できること、厳しい規制に縛られないこと、有利な税制を享受できることがメリットです。
画像引用:Kucoin
KuCoin(クーコイン)は全世界で2,700万人以上のユーザーを擁し、750以上の銘柄を上場させています。ボット取引や先物取引など多様なサービスを提供しており、分かりやすい取引画面が特徴的です。
画像引用:Bitget
Bitget(ビットゲット)は2018年に設立された取引所です。アンバサダーにサッカー選手のリオネル・メッシ氏を採用するなど、マーケティング活動を積極的に展開しています。取引所トークンBGBは、将来有望な仮想通貨として注目されています。
取引所トークンとは、各取引所が発行する独自仮想通貨です。保有者には取引手数料の割引などの特典が付与されます。有名なものとしては、BinanceのBNBがあります。
MEXCは2018年に立ち上げられ、コピートレードやETFなど数多くのサービスを提供しています。170以上の国や地域でサービスを展開し、顧客数は1,000万人を超えています。
Binanceは数多くのサービスを提供してきました。今後、日本居住者は利用できなくなるので、Binanceユーザーは他の取引所を探す必要があります。
現物取引は取引所ごとに手数料、流動性、取扱銘柄などに差がありますが、どの取引所でも利用可能です。
取扱銘柄数で選ぶならば、MEXCが有力です。MEXCはBybitやOKXなどよりも、多くの銘柄を取り扱っており、草コイン投資にも利用できます。また、2023年6月時点では、現物取引の手数料が無料であり、コストを抑えて取引ができます。
Binanceは、仮想通貨デリバティブの日間取引量で世界1位です。
デリバティブとは金融商品の一つで、株式・債券・仮想通貨などの価格を基準にして価格が上下動します。さまざまな種類があり、仮想通貨市場で人気が高いのは無期限契約です。これは、永久先物契約やパーペチュアル取引と呼ばれることもあります。
CoinMarketCapによると、Binance以外でデリバティブの取引量が多い上位2社は、OKXとBybitです。
甲乙つけがたい両社ですが、安全面で比較するとBybitがやや有利かもしれません。Bybitは本社所在地を映像で公開しており、また、顧客資産保全に向けてさまざまな対策を取っています。
ローンチパッドはIEOプラットフォームであり、BinanceはBinance Launchpadと呼ばれるサービスを展開しています。
IEOはプロジェクト開発チームによる資金調達手段の一つで、取引所経由で仮想通貨を先行販売します。ICOなど従来の資金調達方法は詐欺などのリスクがありましたが、IEOは取引所が審査することで安全性を確保しています。
Binance Lauchpadの代わりとしては、KuCoinのKuCoin Spotlightが有力です。Cryptorankによると、KuCoin SpotlightのROIはBinanceとPoloniexについで3番目です。PoloniexでのIEO実施件数は2件にとどまっており、KuCoinのほうが実施件数が多くて利便性が高いと想定できます。
画像引用:cryptorank
ROIはReturn on Investmentの略称で、日本語で投資収益率と呼ばれます。投下資金に対してどれだけ利益を生み出しているかを示します。
Binanceは、Binance Earnという名称でステーキングサービスを提供しています。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
預けるだけで利益になるためユーザーの人気を集めており、各取引所は数多くの銘柄でステーキングサービスを提供しています。ビットコインやUSDTなどPoS銘柄でなくても利用できるのが特徴です。
Bybit、MEXC、Bitgetで多くの銘柄を取り扱っています。なお、MEXCでの名称はステーキングでなくセービングとなっています。
Binanceは日本居住者向けのサービスを段階的に停止します。日程は以下の通りです。
2023年5月26日
2023年6月9日
レバレッジトークンとは金融商品の一種で、レバレッジを効かせたトークンです。最大の特徴は、レバレッジがかかった状態で現物の形式でトークンを保有する点です。
2023年6月23日
2023年8月1日
2023年10月27日
2023年11月6日
2023年11月20日
2023年11月27日
2023年11月29日
2023年11月30日
2023年12月1日
Binanceのサービス終了に伴うよくある疑問とその回答は以下の通りです。
Binanceは日本居住者向けサービスを停止します。このため、日本居住者はBinanceを利用できず、他の取引所を使うことになります。
Binanceにある保有資産は、各ユーザーが2023年11月30日までに出金します。
Binance JAPANで取扱われない仮想通貨がBinanceの口座にある場合、2023年11月30日にビットコイン(BTC)に交換されます。Binance JAPANで取扱われる仮想通貨に関しては、そのまま保有されます。
なお、Binanceは2023年12月1日以降も出金に対応します。
2023年11月27日にBinance Earnは停止され、預入資産は現物ウォレットに返還されます。
Binanceはポルカドット(DOT)のパラチェーン・スロットオークションに対応しています。
このオークションに参加するにはDOTを預け入れますが、預入期間はおよそ2年であり、その間は引き出しできません。DOTを預け入れている間、Binanceが発行するBDOTを受け取って資産運用等に利用できます。
パラチェーン・スロットオークションは、ユーザーによるプロジェクトの人気投票です。DOT保有者がプロジェクトに投票し、最多得票のプロジェクトが勝利します。勝利プロジェクトはポルカドットに接続でき、勝利したプロジェクトの投票者には独自仮想通貨が配布されます。
BinanceはBDOTについて何も公表しておらず、他の仮想通貨と同じ扱いになります。このため、保有資産をBinance JAPANに移動する際には、BDOTを売却して他の仮想通貨に交換することになります。
ただし、BDOTがBinance JAPANの取扱銘柄として採用される場合は、日本国内への送金が可能になります。
2023年8月1日から2023年11月30日までに顧客確認を完了させると、Binance JAPANにスムーズに移行できます。
日本居住者は、早めにBinanceの利用停止に準備するのがおすすめです。Binanceのサービスが段階的に終了していく中で、思わぬ損失を出さないよう注意しなければなりません。また、仮想通貨投資を継続する場合は、代替サービスを検討する必要があります。
作成日
:2023.06.09
最終更新
:2023.06.09
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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