作成日
:2022.10.11
2024.02.13 19:17
ASTRは、渡辺創太氏らが主導するプロジェクト「Astar Network」のネイティブトークンです。Binance(バイナンス)など海外の主要取引所で売買可能で、日本ではbitbank(ビットバンク)に上場しています。
ステーキングをすれば高利率で増やせますので、日本発のプロジェクト応援の意味でもASTRを保有する価値があるかもしれません。ただし、ブロックチェーンプロジェクトは無数にあり、発展するには他のプロジェクトに負けない特徴が必要です。
そこで、最初にAstar Networkの特徴を概観し、それを受けてステーキングについて紹介します。
Astar Networkはpolkadot(ポルカドット)上に構築されたプロジェクトで、ブロックチェーンの相互運用性の確立と高速送金を実現します。
ブロックチェーンはそれぞれが独自に開発されており、互換性はありません。このため、あるブロックチェーン上で流通するトークンを別のブロックチェーンに送金することはできません。これを可能にするのが、相互運用性の技術です。
相互運用性に取り組んでいるプロジェクトは多数あります。このため、ブロックチェーンをまたぐ仮想通貨(暗号資産)送金を当然のことと感じる人もいることでしょう。すなわち、これはAstar Network独自の強みではありません。
Astar Network独自の強みは、dApp Stakingにあります。dApp Stakingとはその名の通りステーキングであり、ユーザーが利用すると報酬を得られると同時に、新プロジェクトの支援にもなります。
誰かが新規にプロジェクトを立ち上げる場合、資金確保の問題に直面します。資金を確保する方法は主に2種類あり、一つはベンチャーキャピタル等から支援を受ける方法、もう一つはICOやIEO等でトークンを新規に発行する方法です。
Astar Networkは、第3の方法を提供しています。
資金を得たい新規プロジェクトは、Astar NetworkのdApp Stakingに登録します。そして、ユーザーは支援したいプロジェクトを選択してステーキングします。すると、ステーキング報酬が新規プロジェクトにも付与される仕組みです。
ユーザーにとっては、単にASTRをもらうだけでなく、支援したいプロジェクトを選ぶ楽しさがあります。開発チームにとっては、ユーザーが集まればASTR建てで開発資金を得られますので、IEO等に頼らなくても継続的に収入を得ることができます。
下の画像はdApp Staking画面の一部で、選択可能なプロジェクトは23あります。どのプロジェクトでも自由に参加できるのではなく、一定の条件を設けています。
画像引用:Astar Network
Astar Networkは2022年1月にメインネットを公開しました。このため、ASTRのチャートも2022年1月以降の表示です。2022年は仮想通貨(暗号資産)の冬の時代と呼ばれており、ASTRにとっても厳しい値動きとなっています。
価格の下落は、相場環境が大きく影響していると予想できます。このため、このチャート形状だけでAstar Networkの価値を考えると、判断を誤る可能性があります。
なお、チャート中央付近で大きく上昇している部分があります。これは、dApp Stakingに15以上のプロジェクトが同時に登録された際の値動きです。価格はほどなく下落しましたが、ユーザーの関心を集めていることが分かります。
画像引用:CoinMarketCap
ステーキングでASTRを稼ぐには、主に3つの方法があります。dApp Staking、BinanceのSimple Earnのフレシキブル、そしてGate.ioのステーキングです。
一般的にステーキングは、コンセンサスアルゴリズムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨(暗号資産)を預け入れることで、ブロックチェーンの取引承認システムに貢献し、報酬を得る仕組みのことを指します。また、仮想通貨を貸し出して利息を得る「レンディング」に該当するサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
この3つの年率を比較すると、下の表の通りです(2022年10月6日現在)。
取引所等 | サービス名 | 年率 |
Astar Network | dApp Staking | 11.5% |
Gate.io | Gate.ioステーキング | 1.07%~14.60% |
Binance | Simple Earnのフレキシブル | 2.5% |
Astar Network
サービス名 | 年率 |
dApp Staking | 11.5% |
Gate.io
サービス名 | 年率 |
Gate.ioステーキング | 1.07%~14.60% |
Binance
サービス名 | 年率 |
Simple Earnのフレキシブル | 2.5% |
Gate.ioの利率には大きな幅があり、これは選択するサービスによって異なります。年率14.60%はASTRを使ったレンディングの手数料であり、貸付期間は10日間です。
dApp Stakingは年率11.5%でGate.ioと比べてやや劣りますが、ステーキング期間を自由に決められますし、特定の新規プロジェクトを支援することもできます。
ASTRをステーキングする3つの方法のうち、ここではdApp StakingとBinance(バイナンス)のSimple Earnの利用方法を紹介します。
dApp Stakingを利用するには、「Substrate」という開発フレームワークに対応したウォレットが必要になります。そのため、事前に「Polkadot{.js}」などのウォレットをインストールし、そこにASTRを入金しておきましょう。
Astar Networkへのアクセスや一部サービスの利用は、MetaMaskを使っても行えます。しかし、dApp StakingはSubstrateに対応したウォレットでのみ利用可能であり、MetaMaskでは利用できません。
以下のリンクから、Astar Networkのアプリケーションページにアクセスします。
dApp Stakingで利用するウォレットを選択します。
どのアカウントを利用するか選択し、「Connect」をクリックします。
Astar NetworkのTelegram内では、Polkadot{.js}を接続できない主要な原因として、以下の3つが挙げられています。
原因 | 対処法 |
---|---|
ネットワークの選択ミス | アカウント横の「・・・」を押してAllow use on any chainもしくはAstarにします。 |
サイトのアクセス拒否 | ウォレット設定の「Manage Website Access」をクリックして、「allowed(許可)」になっていることを確認します。 |
キャッシュの干渉 | ブラウザのキャッシュをクリアしてリロードします(Ctrl+F5)。もしくはプライベートウィンドウまたはシークレットウィンドウで試します。 |
うまく接続できない場合は、1つずつ確認してみてください。
「dApp Staking」をクリックします。
サポートしたいプロジェクトを探して「Stake」をクリックします。
ASTRの数量を入力して「Stake」をクリックします。
アカウントのパスワードを入力して「Sign the transaction」をクリックします。
選択したプロジェクト上に「Your stake」という項目が出れば、預け入れは完了です。なお、ステーキングの解除は「Unbond」から行えますが、解除可能となるのは預け入れから10日が過ぎてからとなります。
dApp Stakingには年利が比較的高いなどのメリットがありますが、ウォレットの準備が必要などのデメリットもあります。よりシンプルな方法で運用したい場合は、BinanceのSimple Earnの利用を検討してみると良いでしょう。
Simple EarnはBinance内で完結するサービスであり、外部ウォレットでの接続等は不要です。Simple Earnの利用方法は以下の記事で紹介しています。
ASTRはSimple Earnで取り扱われていますが、売り切れになることもあります。売り切れ状態では預け入れができないので、預け入れ枠が空くのを待つことになります。
dApp Stakingを利用するにはASTRの現物が必要です。ASTRを購入する場合、国内取引所のbitbank(ビットバンク)や海外取引所を利用することになります。ここでは各海外取引所のASTRの取り扱い状況を紹介します。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) | × |
〇 |
(バイナンス) | 〇 |
× |
(ゲート) | 〇 |
〇 |
(メクシー) | 〇 |
× |
(ビンエックス) | 〇 |
× |
(ビットゲット) | × |
× |
(コインイーエックス) | 〇 |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
× | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
× | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
Astar NetworkのdApp Stakingを使うと、仮想通貨(暗号資産)ASTRを増やしながら特定のプロジェクトを応援できます。大元のプロジェクトであるAstar Networkを預け先に選ぶこともできます。日本初のAstar Networkに興味がある人は、dApp Stakingを通して応援してみるのも良いかもしれませんね。
作成日
:2022.10.11
最終更新
:2024.02.13
FXと仮想通貨をメインとし、投資歴は20年を超える。トレードで独立後に別のペンネームで書籍を出版したり投資雑誌に寄稿したりするなど活躍中で、主に英語メディアで日々最新情報をチェックしている。
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