作成日
:2024.03.19
2024.03.26 06:12
仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、分散型ステーキングプロトコル「ether.fi」のガバナンストークンです。2024年3月12日、大手取引所Binance(バイナンス)がローンチプールでのETHFIの取り扱いを発表したことで注目を集めています。
当記事では、仮想通貨ETHFIの将来性やX(旧Twitter)での評判、ether.fiの特徴などについて解説します。
2024年3月12日、大手海外取引所のBinance(バイナンス)は、ローンチプールでの仮想通貨(暗号資産)ETHFIの取り扱いを発表しました。
画像引用:Binance公式X
Binanceのローンチプールとは、指定の仮想通貨を預けると特定のトークンがもらえるイベントです。ETHFIのローンチプールの条件は以下の通りです。
なお、Binanceへの上場日時は2024年3月18日午後9時(日本時間)で、取引可能な通貨ペアは以下の通りです。
仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、ether.fiの独自トークンです。ether.fiにおけるガバナンストークンとしての役割を持っています。
画像引用:ether.fi
ガバナンストークンとは、DeFi(分散型金融)のサービスにおいて、プロジェクトの新しい機能の追加・削除・変更や、開発などの方針の提案(投票)を行う権利を持つトークンのことです。ガバナンストークンを多くの利用者に配ることは、プロジェクトの分散化を目的としており、保有者はDeFiサービスの運用に関わることができます。
ETHFIの保有者は、ether.fiのプロトコルやコミュニティに関する、以下のような事項の決定に参加できます。
上記に加え、ETHFIを保有すると「StakeRank」と呼ばれるランクも向上するようですが、当記事執筆現在(2024年3月19日)では詳細は明らかになっていません。
画像引用:ether.fi
ether.fiは、イーサリアム(ETH)のリステーキングを可能としている分散型のステーキングプロトコルです。ユーザーがステーキングしたイーサリアムは、自動的にEigenLayer(アイゲンレイヤー)というリステーキングプロトコルにリステーキングされます。
なお、リステーキングとは、イーサリアム本体でステーキングしつつ、別のプロジェクトでも再度ステーキングする仕組みのことです。リステーキングすることで、通常のステーキング報酬よりも多くの報酬を獲得でき、資金効率を高められます。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
また、ユーザーはether.fi上でイーサリアムをステーキングすると、eETHという別のトークンを受け取れます。eETHは、リキッドステーキングトークンの一種であり、eETHを別のDeFiプロトコルで運用して、さらなる運用利回りを得ることも可能です。
リキッドステーキングトークンとは、ステーキング期間に引き出しできない仮想通貨について、流動性を確保するために独自に発行されるトークンです。Lidoの「stETH」やRocket Poolの「rETH」などが該当します。
ether.fi上でステーキングをすると、ユーザーは以下の報酬を獲得できます。
イーサリアムのステーキング報酬に加え、ether.fiポイントやEigenLayerポイントを獲得できます。eETHを保有しているだけでもステーキング報酬などを受け取れますが、Curve FinanceやPendle Financeといった各種DeFiプロトコルでeETHを運用すれば、さらなる利回りを得ることも可能です。
また、ether.fi公式サイトでは、eETHをよりDeFiで運用しやすくした、weETHというラップドトークンへの交換にも対応しています。
ラップドトークンとは、特定の仮想通貨の価値に連動するトークンを指します。例えば、ビットコインはビットコインブロックチェーン上で流通し、イーサリアムブロックチェーン上で使用できません。そこで、ビットコインと値動きが同じになるトークンを作って、イーサリアムブロックチェーン上で流通させます。これがラップドビットコインです。
ether.fiは、ノンカストディアルな形で運用ができるプロトコルです。ノンカストディアルとは、「自身の資産を第三者に管理されない状態」というような意味を持っています。
一般的なDeFiプロトコルを利用する際は、自身の資産を預けているプロトコルがハッキングなどにあってしまう可能性があり、これをカウンターパーティーリスクと呼びます。
取引相手(カウンターパーティー)の債務不履行や詐欺などのリスクを指します。FTXの経営破綻以降、中央集権型取引所などのカウンターパーティーリスクへの警戒感が高まっています。
カウンターパーティーリスクは、資産管理をプロトコル側に任せる(=カストディアルな状態)のではなく、完全に自身の管理下におくこと(=ノンカストディアルな状態)によって避けられます。
ether.fiでは、ステーキングをするユーザーが「鍵」を保持する仕組みを導入しており、ユーザー自身がイーサリアムを管理しつつ、ノードにステーキングを委託できます。これにより、カウンターパーティーリスクを抑えた状態でのステーキングを実現しています。
画像引用:CoinMarketCap
仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、2024年3月18日の上場直後、約690円までの上昇を見せました。
しかし、その後は右肩下がりに価格が下落しており、2024年3月19日時点では約438円を記録しています。今後、再び価格を持ち直すことができるのか注目です。
仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、Binance(バイナンス)ローンチプールでの取り扱いや、エアドロップの実施などもあり、X(旧Twitter)でも話題になっています。
Binanceに加え、大手海外取引所のBybit(バイビット)にも上場することから、期待の声を上げているユーザーも見られました。
仮想通貨(暗号資産)ETHFIの将来性について、以下の2点の項目に沿って考察します。
当記事執筆現在(2024年3月19日)、ether.fiに預けられている合計資産額(TVL)は、約28億ドル(約4,200億円)を超えています。
画像引用:ether.fi
TVLはTotal Value Lockedの頭文字をつなげた言葉で、ブロックチェーンやDAppに預け入れられた仮想通貨の総額を示します。この金額は人気のバロメーターとしても使用されます。
この金額は、ether.fiと同じリステーキングプロトコルであるKelpDAO(約6.8億ドル)や、Puffer Finance(13.2億ドル)のTVLを上回っています。この実績は、ether.fiに対するユーザーの期待の表れだといえるかもしれません。
ether.fiに預け入れられたイーサリアムは、EigenLayerでリステーキングされます。
画像引用:EigenLayer
EigenLayerは、リステーキングプロトコルとして多くの注目を集めており、a16zやBlockchain Capital、Coinbase Venturesなどの大手VCから、合計1億6,400万ドルもの資金調達に成功しています。
また、当記事執筆現在(2024年3月19日)のEigenLayerのTVLは112億ドルを超えており、全てのDeFiプロトコルの中でも2位となっています。
今後、EigenLayerやリステーキングへの注目度がさらに増えることで、ether.fiのユーザー数増加につながる可能性があるかもしれません。
仮想通貨(暗号資産)ETHFIの総供給量は10億ETHFIであり、上場時の流通供給量は1億1,520万ETHFI(総供給量の約11.52%)になる予定です。
ETHFIの配分先と、その配分比率は以下の通りです。
番号 |
説明 |
---|---|
1 |
2.0%がBinanceローンチプールに割り当てられています。 |
2 |
11.0%がエアドロップに割り当てられています。 |
3 |
32.5%が投資家およびアドバイザーに割り当てられています。 |
4 |
23.26%がチームに割り当てられています。 |
5 |
1.0%がプロトコルギルドに割り当てられています。 |
6 |
27.24%がDAOトレジャリーに割り当てられています。 |
7 |
3.0%が流動性に割り当てられています。 |
上記の通り、投資家・アドバイザーとチームへの割り当てを合わせると、総供給量の50%以上を占めています。
投資家・アドバイザーおよびチームに割り当てられるトークンは、以下の通り、2025年以降に徐々にロック解除される予定となっています。しかし、総供給量の多くの比率が割り当てられている点には、注意が必要かもしれません。
画像引用:ether.fi
仮想通貨(暗号資産)ETHFIの総供給量のうち、投資家およびアドバイザーに32.5%、チームに23.26%と大きな割合が分配されます。
仮想通貨ETHFIは、ether.fiにおけるガバナンストークンとして機能します。そのためガバナンスの観点において、投資家やアドバイザー、チームの発言権が過度に大きくなってしまう危険性があり、健全な運営が損なわれる恐れがあります。
また、トークンがロック解除されたからといって、ただちに売却されるとは限りませんが、一部のステークホルダーに多くの割合が配分されている点は、注意しておく必要がありそうです。
2024年3月19日現在、仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、日本国内の取引所では取り扱われていません。そのため、取引は海外取引所で行います。各海外取引所におけるETHFIの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。
仮想通貨取引所 | 現物 | デリバティブ |
---|---|---|
(バイビット) |
〇 |
〇 |
(バイナンス) |
〇 |
〇 |
(ゲート) |
〇 |
〇 |
(メクシー) |
〇 |
〇 |
(ビンエックス) |
〇 |
〇 |
(ビットゲット) |
〇 |
× |
(コインイーエックス) |
〇 |
× |
Bybit(バイビット)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Binance(バイナンス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Gate.io(ゲート)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
MEXC(メクシー)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
BingX(ビンエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | 〇 |
Bitget(ビットゲット)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
CoinEX(コインイーエックス)
現物 | デリバティブ |
〇 | × |
海外の取引所であれば、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。
Bybitでは、3つの手順でETHFIを購入できます。
まずは以下のリンクをクリックし、ETHFIの購入ページ(ETHFI/USDT)にアクセスします。
なお、Bybitを利用するには口座を開設し、本人確認(KYC)レベル1を完了させておく必要があります。
ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でETHFIを購入するには、以下のように操作をして「ETHFIを買う」をクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
「買い」または「売り」 |
通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。 |
2 |
注文方法 |
成行を選びます。 |
3 |
注文価格 |
購入したい数量を入力します。 |
ETHFIはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。
内容を確認して「ETHFIを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したETHFIは現物アカウント残高に反映されます。
以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。
仮想通貨(暗号資産)ETHFIは、ether.fiにおけるガバナンストークンです。ether.fiだけでなく、EigenLayerを活用したリステーキング関連のプロジェクトは、仮想通貨業界でも注目を集めています。
まだ新しいジャンルではありますが、リステーキングに注目している方は、ether.fiや仮想通貨ETHFIの動向をチェックしておくとよいかもしれません。
作成日
:2024.03.19
最終更新
:2024.03.26
フリーランスのWebライター。ブロックチェーンがもたらす非中央集権的な世界観に惚れ込み、暗号資産・NFT・ブロックチェーンゲームなどweb3のジャンルにしぼって記事を執筆。自らの暗号資産投資やNFT売買の経験を活かし、暗号資産の投資情報をできる限りわかりやすくお届けします。
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