作成日
:2023.10.19
2024.07.08 01:59
Aptos(APT)やSui(SUI)など、ソラナ(Solana)キラーと呼ばれるブロックチェーンが登場しています。ソラナは価格などで苦戦しており、AptosやSuiの発展に期待する人々もいることでしょう。
当記事では、ソラナキラーの概要や特徴、将来性、懸念点などを解説します。
ソラナキラーとは、ソラナに取って代わる可能性があるブロックチェーンを指します。具体的には、安価で高速処理が可能なブロックチェーンです。
その一方、ソラナは次世代のブロックチェーンとして登場し、イーサリアム(ETH)が抱えるスケーラビリティ問題を解決する可能性があるとみなされています。
イーサリアムはトランザクションの処理能力が低く、トランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します(スケーラビリティ問題)。イーサリアムは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。
仮想通貨市場では、高性能なブロックチェーンが次々に公開され、性能面でソラナを上回るものも出てきました。その中でも、AptosとSuiがソラナキラーの筆頭として位置付けられています。
ソラナキラーには、次の特徴が見られます。
ソラナキラーはスマートコントラクトを備えており、DApp(分散型アプリ)を展開できます。ソラナと同様、優秀なDAppプラットフォームとして、大規模なエコシステムを構築するかもしれません。
スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムです。自動販売機でたとえると、「利用者が必要なお金を投入する」「特定の飲料のボタンを押す」という二つの契約条件が満たされた場合に、自動的に「その飲料を利用者に提供する」という契約が実行されます。
TPSは1秒あたりの送金可能件数であり、ブロックチェーンの性能を測る指標として使われます。数値が高いほど、高性能なブロックチェーンだとみなされます。
ブロックチェーン | 最大TPS |
---|---|
Solana
(ソラナ)
|
65,000 |
Aptos
(アプトス)
|
160,000 |
Sui
(スイ)
|
297,000 |
AptosやSuiはソラナよりも後に公開されているので、ソラナより高性能なのは自然です。ソラナの65,000TPSでは不足するとき、AptosやSuiがさらに脚光を浴びるかもしれません。
送金するには、ガス代と呼ばれる手数料が必要です。
ブロックチェーンの処理能力を超えるトランザクションが集中すると、価格が高騰する傾向にありますが、ソラナキラーはソラナと同様、ガス代が安くなるように設計されています。
画像引用:Aptos Foundation
Aptosは、Meta(旧Facebook)のDiem開発メンバーが立ち上げたプロジェクトで、仮想通貨APTをネイティブトークンとして発行しています。すでにDAppプラットフォームとして稼働しており、多くのDAppが利用中です。
Diemは、元々、Libra(リブラ)という名称でスタートしたプロジェクトです。独自ステーブルコインを軸に、決済システムなどのインフラ開発を目的としていました。法定通貨に代わる存在となることが期待されていましたが、各国規制当局から批判を受け、開発を断念しました。
Aptosは、ブロックチェーンのトリレンマを解決する存在として期待されています。
ブロックチェーンのトリレンマとは、分散性、セキュリティ、スケーラビリティに関する問題です。それぞれを解決するのは可能ですが、3つ全てを同時に解決するのは難しいとされています。
例えば、イーサリアムは、分散性とセキュリティに優れていますが、スケーラビリティを課題として抱えています。ソラナもトリレンマの解決を目指していますが、まだ完全には解決できていません。
画像引用:Sui
Suiは、Mysten Labsが手掛けるブロックチェーンです。そのネイティブトークンSUIは、2023年4月に複数の大手取引所で売り出されて話題になりました。
Suiはには以下の特徴があります。
この特徴を活かして、以下のサービスなどを展開できます。
分散型SNSは、ブロックチェーンを基礎に構築されたSNSです。従来のSNSと異なり、中央管理者がおらず、分散化されたシステムの中で運用されます。プライバシー性能が高く、仮想通貨による報酬などがあるのが特徴的です。
ソラナキラーは、ソラナから仮想通貨市場のシェアを奪う可能性があります。当記事執筆時点(2023年10月19日)ではソラナの方が規模で優勢ですが、ソラナキラーが追い上げています。
ソラナは、仮想通貨市場で順調に勢力を拡大してきました。しかし、2022年に不具合やハッキング被害を経験し、人気に陰りが出ています。
また、2022年11月に起きた大手取引所FTXの破綻も、ソラナにとって痛手でした。FTXはソラナ最大の支援者として知られており、エコシステムに巨額の投資を行ってきました。
2022年、FTXはハイリスクな経営をした結果、手持ち資金が枯渇して顧客資産を払い出せない状況に陥りました。競合のBinanceが買収による救済を模索しましたが、結局失敗に終わっています。この影響は仮想通貨市場全体に波及しており、CEX(中央集権型取引所)の信頼が揺らいでいます。
FTXの支援を失った後、ソラナのTVLは大幅に下落しており、最盛期の30分の1程度まで落ち込んでいます。
画像引用:DefiLlama
TVLはTotal Value Lockedの頭文字をつなげた言葉で、ブロックチェーンやDAppに預け入れられた仮想通貨の総額を示します。この金額は人気のバロメーターとしても使用されます。
また、SOL価格も2021年末の28,000円台と比較して、現在は3,500円ほどに低迷しています。ソラナの失速は、ソラナキラーにとっては、シェアを奪うチャンスです。
画像引用:CoinMarketCap
その一方、ソラナキラーは規模を拡大しており、AptosやSuiで利用可能なDAppが増えています。ブロックチェーンの性能は高く、さらに多くのDAppが参入するかもしれません。
AptosとSuiのTVLは、いずれも5,000万ドルを超えています。ソラナに比べると1桁小さいものの、勢いを感じさせます。
画像引用:DefiLlama
画像引用:DefiLlama
仮想通貨市場では、イーサリアム(ETH)がDAppプラットフォームとして絶対的な存在です。しかし、イーサリアムはスケーラビリティ問題を抱えており、その解決のためにソラナなどが開発されてきました。
また、別の解決策として、イーサリアムのレイヤー2開発も拡大しています。レイヤー2は、イーサリアムを基礎とした高機能なブロックチェーンです。
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
イーサリアムのレイヤー2が主流になると、代替のブロックチェーンは不要になるかもしれません。既に、ポリゴン(MATIC)・オプティミズム(OP)・アービトラム(ARB)・マントル(MNT)やアスター(ASTR)などが、レイヤー2に参入しています。
レイヤー2の発展は、ソラナキラーにとってマイナス要因になるかもしれません。
ソラナキラーは高性能な一方で、レイヤー1のブロックチェーンが乱立しており、開発競争が激化しています。今後、競争を生き残れるのか、ソラナキラーの開発活動に期待です。
作成日
:2023.10.19
最終更新
:2024.07.08
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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