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仮想通貨APTとは?旧Facebookメンバーが手がける注目プロジェクトの特徴・将来性を解説

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update 2023.03.16 15:30
仮想通貨APTとは?旧Facebookメンバーが手がける注目プロジェクトの特徴・将来性を解説

update 2023.03.16 15:30

仮想通貨(暗号資産)APTは、Aptosと呼ばれるプロジェクトが発行する独自仮想通貨です。社名をMeta(メタ)に変更した旧Facebook(フェイスブック)メンバーが手がけており、注目を集めています。

2022年10月17日のメインネットが立ち上げ時は、技術力や期待の高さから話題になった反面、TPS(1秒間あたりのトランザクション数)が低いなどと不安の声も挙がっていました。当時は仮想通貨全体が下落局面であり、APT価格も軟調な推移となりましたが、2023年1月後半は急激な価格上昇を見せ、話題になっています。

本記事では、仮想通貨APTの特徴やTPSに関する考察、将来性などを解説していきます。

仮想通貨APTとは

APTは、Aptosのエコシステムを支える独自仮想通貨です。旧Facebookのメンバーであるモー・シャイフ氏とエイブリー・チン氏によって立ち上げられました。シャイフ氏とチン氏は、旧Facebookの仮想通貨関連プロジェクト「Diem(ディエム)」にも関与していたとされています。

point Diemとは

Diemは、元々、Libra(リブラ)という名称でスタートしたプロジェクトです。独自ステーブルコインを軸に、決済システムなどのインフラ開発を目的としていました。法定通貨に代わる存在となることが期待されていましたが、各国規制当局から批判を受け、開発を断念しました。

Aptosは、テストネットの試運転期間を経てメインネットの公開に至りました。同時に仮想通貨APTも発行されており、既に大手取引所のBinanceやBybitなどに上場しています。

Web3.0インフラ機能

Aptosは、Web3.0に対応するインフラ機能の提供を目的としており、DApp(分散型アプリ)を稼働できます。

point Web3.0とは

Web3.0とは、分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では、個々のユーザーが重要な役割を担います。

仮想通貨市場には、イーサリアム・キラーと呼ばれる同様のブロックチェーンが多数存在します。しかし、まだイーサリアムの課題を完全に解決できるものは出てきていません。そんな中、AptosはDiemの技術を核に、イーサリアムを代替するプラットフォームとしての地位を狙っています。

point イーサリアム・キラーとは

イーサリアム・キラーとは、DAppプラットフォームとしてイーサリアムの座を狙うブロックチェーンを指します。スマートコントラクトだけでなく、より効率的なコンセンサスアルゴリズムを採用して、高速取引や安い手数料を実現しています。すなわち、イーサリアムが抱えている課題をある程度克服しているのが特徴です。

Aptosの技術的な特徴

Aptosはブロックチェーンとして優れた性能を持っており、特徴としては以下のようなものが挙げられます。

トリレンマを解決する可能性

ブロックチェーンのトリレンマとは、分散性、セキュリティ、スケーラビリティに関する問題を指します。これら3つをそれぞれ解決することは可能です。しかし、3つ全てを同時に解決することは難しいと考えられています。

トリレンマの挿入画像

例えば、イーサリアムは分散性とセキュリティに優れていますが、スケーラビリティ問題を抱えています。そして、イーサリアム・キラーとして代表的なBNBチェーンは、セキュリティとスケーラビリティに優れていますが、分散性を弱点としています。

point スケーラビリティ問題とは

スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンの処理能力に起因する障害です。ブロックチェーンにトランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。

これまで、次世代のブロックチェーンはトリレンマの解決に挑戦してきました。ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)などが期待されていますが、まだ課題を抱えているのが現状です。

Aptosはこれらのブロックチェーンと並んで、Web3.0インフラとして高いパフォーマンスを実現するために、トリレンマの解決に取り組んでいます。

独自プログラミング言語を採用

DAppはスマートコントラクトを基礎に構築されます。スマートコントラクトは契約を自動履行するプログラムであり、プログラミング言語で記述されます。DAppはスマートコントラクトを駆使することで、ブロックチェーン上の様々なトランザクションを可能にします。

仮想通貨市場では、イーサリアムが採用する「Solidity」と呼ばれるプログラミング言語が広く利用されています。これに対してAptosは、Diemで開発された独自言語の「Move」を採用しています。

Moveはセキュリティに重きを置いたプログラミング言語であり、Solidityと比較して二重支払い(複数回にわたって送金が発生する現象)などのバグが発生し辛いと考えられています。

多岐にわたるDAppに対応

AptosはSDK(ソフトウェア開発キット)を提供して、開発者をサポートしています。SDKとはDAppの開発を手助けするツールです。

結果的にAptosのテストネットでは、DeFi(分散型金融)やブロックチェーンゲーム、ローンチパッド、NFTマーケットプレイスなど多岐にわたる分野でDAppが開発されています。合計で200以上のプロジェクトが参画しているといわれています。

メインネットは立ち上げられたばかりなので、利用できるDAppには限りがあります。今後、テストネット上のDAppがメインネットに移行してくると考えられます。

Twitterで見られるAPTへの反応

仮想通貨(暗号資産)コミュニティは、APTにどのように反応しているのでしょうか。Twitter(ツイッター)上ではさまざまな声が上がっています。ここでは、日本のコミュニティで見られたものを中心に紹介します。

一斉上場やエアドロップへの期待

APTは2022年10月19日にBinance(バイナンス)やFTX、OKXなどの大手取引所に一斉に上場し、上場前から盛り上がっていました。

またAptosは、総額約2,000万APTの無料配布イベント(エアドロップ)を開催しており、これは「APTOS : ZERO Testnet NFT」を受け取った人も対象でした。NFTを獲得するだけで参加できたためか、日本のコミュニティでもAPTのエアドロップが話題となりました。

上場後にAPTの価格は上下したため、10月末頃まではAPTの価格動向についての投稿が多く見られました。

TPSの低さを懸念する声

ブロックチェーンの性能を測る指標の一つに、TPSがあります。一般的に、TPSが高いブロックチェーンは、より多くのトランザクションを処理できます。

このTPSについて、2022年10月半ば頃にTwitte上では、AptosのTPSがビットコインを下回るほど低くなっていると懸念する声がありました。最終的に10万TPSを目指すとしているだけに、コミュニティはパフォーマンスの低さを問題視したのです。

今後TPSが上昇していく可能性

この問題に対して創設者のシャイフ氏は、自身の公式Twitterアカウントを通じて「現在のTPSはネットワークのキャパシティを示すものではありません。ネットワークはDAppの立ち上げに備えてアイドリング状態にある」と説明しています。加えて、今後AptosのTPSが上昇していく見通しだと言及しました。

実際、Aptosは立ち上げ直後には4TPSでしたが、2022年10月19日時点では25TPS前後まで上昇していました。2023年1月26日では8TPSでしたが、直近30日の最大TPSは1,569TPSとなっております。

アルトコインのTPSは低い?

そもそも、アルトコインのTPSはあまり高くありません。新しいブロックチェーンであれば数万から数十万のTPSを叩き出すことができますが、需要はイーサリアムのように高くなく、常にフルキャパシティで稼働しているわけではありません。

時価総額の大きいブロックチェーンでも、例外ではありません。従って、AptosのTPSはそれほど悲観すべき水準ではないと考えられます。

CoinMarketCapで時価総額50位圏内の主要なレイヤー1ブロックチェーンのTPSは、以下のようになっています(調査日:2022年10月19日)。

ブロックチェーン 送金速度(TPS) 順位
Aptos 25 51
BNBチェーン 53 5
ソラナ 3,000 9
アバランチ 23 18
ステラ 40 25
ニア 5 28
イオス 6 49

Aptos

送金速度(TPS) 順位
25 51

BNBチェーン

送金速度(TPS) 順位
53 5

ソラナ

送金速度(TPS) 順位
3,000 9

アバランチ

送金速度(TPS) 順位
23 18

ステラ

送金速度(TPS) 順位
40 25

ニア

送金速度(TPS) 順位
5 28

イオス

送金速度(TPS) 順位
6 49

ソラナが頭ひとつ抜ける形ですが、それ以外は時価総額の順位にかかわらず、おおむね50TPS以下で推移しています。Aptosは18位のアバランチと同程度です。

価格の急上昇に反応する声

2023年1月後半には、APT価格が上昇しました。急激な上昇であり、日本の仮想通貨コミュニティでは、APT価格の上昇に関する投稿が数多く見られます。

保有していた現物の売りやトレードで稼げたと喜ぶ人、上昇の波に乗れなかったことを悔やむ人、あまりの急上昇に疑問を持って様子見する人、などと反応はさまざまですが、注目度が高いことがわかります。

仮想通貨APTの使い道

仮想通貨APTは、Aptosのガバナンストークンとして使用されます。APT保有者は、DAO(分散型自立組織)による投票で意思決定に参加可能になる見通しです。

また、APTは取引手数料の支払いやステーキングに利用可能です。時間経過と共にステーキングやコミュニティの報酬として継続的に払い出され、供給量は増加していきます。エコシステムが拡大すれば、需要も増加する可能性があるでしょう。

APTの価格チャート

APT上場は多くの注目を集めましたが、2022年後半は仮想通貨全体が下落局面にあり、APT価格も軟調な推移となりました。しかし、2023年1月10日に上昇に転じ、当記事執筆時点(2023年1月26日)も上昇の勢いは止まらず、SNSで話題となっています。

APTのチャート(2023/1/26)

画像引用:CoinMarketCap

なお、APTだけが上昇しているのではなく、ビットコインはじめ他の主要銘柄も上昇しています。しかし、下のチャートの通り、ビットコインなどは2022年末の下落分を回復する程度にとどまっています。それに対して、APTは下落分を回復した後も上昇の勢いが止まっていません。どこまで上昇するか、注目が集まっています。

ビットコインのチャート(2023/1/26)

画像引用:CoinMarketCap

仮想通貨APTの将来性

仮想通貨APTは、時価総額ランキングで50位前後に位置しており、人気銘柄となっています。Aptosのプロジェクトとしての発展性は早くも注目となっていますが、具体的にどのような好材料があるのでしょうか。

名だたる企業やプロジェクトが参画

Aptosには、数々のベンチャーキャピタルが出資しています。仮想通貨業界で有名なアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)が資金調達を主導し、コインベース・ベンチャーズやFTXベンチャーズなどが名を連ねています。結果、合計で約480億円の資金調達に成功しています。

それ以外にも、Binance(バイナンス)やCoinbaseなどの仮想通貨関連企業が、プロジェクトへの参画を表明しています。その他、Google Cloudとパートナーシップを締結しています。

そのネームバリューや技術力の高さから、今後もビッグネームの企業や開発者などが続々と参画することが期待されています。

DApp開発の支援プログラム

Aptosは、DApp開発チームや個人の支援を目的にしたプログラムを立ち上げています。このプログラムに選定されたプロジェクトは、開発資金やサポートの提供を受けることができます。

申し込みには条件があり、オープンソースであることや、DeFiやゲーム、DAOなどの分野であることなどが求められます。

メインネットがローンチされたばかりなので、利用できるDAppは限られていますが、このプログラムを通じて新たな価値を提供するプロジェクトが誕生する見通しです。

仮想通貨APTの買い方

APTは国内取引所で売買できませんので、海外取引所で購入します。日本語対応の海外取引所における、APTの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ
bybit binance gate mexc

海外取引所なら、日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。

BybitでAPTを購入する方法

Bybitでは、3つの手順でAPTを購入できます。

  1. 購入ページにアクセス
  2. 購入条件を入力
  3. 内容を確認して購入

手順1

まずは以下のリンクをクリックし、APTの購入ページ(APT/USDT)にアクセスします。

BybitのAPT購入ページへ link

なお、Bybitを利用するには口座を開設しておく必要があります。

手順2

ここでは最もシンプルな「成行」での購入方法を紹介します。成行でAPTを購入するには、以下のように操作をして「APTを買う」をクリックします。

Bybitの注文画面

番号

項目

説明

1

「買い」
または「売り」

通貨ペアの左の通貨を買って右の通貨を売るなら「買い」、左の通貨を売って右の通貨を買うなら「売り」を選びます。

2

注文方法

成行を選びます。

3

注文価格

購入したい数量を入力します。

APTはUSDTを支払って購入します。そのため、USDTの残高が十分でない場合は、入金や両替が必要です。

手順3

内容を確認して「APTを買う」をクリックします。注文は即座に確定し、購入したAPTは現物アカウント残高に反映されます。

/Bybitの成り行き注文画面

以下の記事では、買い方に関してより詳しく説明しています。有利な価格を指定する「指値」の使い方なども解説しています。

真価を発揮できるか

仮想通貨APTは晴れてメインネットがリリースされましたが、仮想通貨コミュニティではTPSに関する懸念が浮上するなど、不本意な出だしとなりました。しかし、プロジェクトとしての知名度や技術力は確かなので、今後の発展に大きな期待がかかっています。

Diemの開発者が関与する仮想通貨関連プロジェクトは、Aptos以外にもいくつかあります。Aptosは真価を発揮できるでしょうか。今後の動向にも注目です。


Date

作成日

2023.01.30

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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