作成日
:2023.05.02
2023.05.02 14:28
2023年5月のポンド相場は、世界的な金融不安と英国の物価動向に注目です。
リスクオフが進まなければポンド円は上昇!
5月のポンド円は、リスクオフによる円高が進まなければ、ポンド買い圧力により上昇すると予想しています。リスクオフが進む要因としては米国の金融不安や債務上限問題、地政学リスクに注意しています。
SVB破綻に始まった金融不安は、一旦落ち着きを取り戻したように見えました。しかしファーストリパブリック銀行の預金流出が明らかになり、中小規模銀行の経営への懸念が一段と高まっています。米国は、中小規模の銀行に対しての規制強化を検討しており、貸し渋りや経営悪化などからリスクオフが進まないか要注意です。
また、米国では債務上限問題によるリスクも懸念されています。問題が長引けば政府機関が閉鎖され、株価急落によるリスクオフが進む可能性が考えられます。4月末から5月にかけて米国議会で債務上限に関する法案が議論・採決される予定であるため、無事に法案が通過するのか注目です。
地政学リスクに関しては、台湾有事や北朝鮮によるミサイル発射が米国との有事に発展しないか、ウクライナとロシアの紛争やスーダンの内戦が激化しないかに注意しています。このようなリスクオフ要因が進まなければ、緩和政策を継続するという日銀の方針から円は売られやすい状況が続くため、ポンド円は上昇する目線です。
リスクオフにつながるヘッドラインニュースには注意しよう。
4月末時点の、ポンド円日足チャートです。4月のポンド円は、上昇トレンドを描いています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
ドル安が進み、ポンドドルは上昇するとみています。
米国では利上げによる物価上昇の抑制が順調に進んでいます。年内で利上げを終了し、利下げまで行うのか注目です。
FRB(連邦準備制度理事会)は物価高騰の抑制のために、ハイペースで利上げを進めてきました。その結果、米国のインフレ率は鈍化し、CPI(消費者物価指数)は前年比5.0%と、前月の6.0%から大幅に低下しました。今回のCPI大幅低下は、物価高の要因の一つであるエネルギー価格の上昇が落ち着いたことが原因だと考えられます。
また米国では人件費の高騰によるサービス業の物価上昇が問題となっていましたが、2021年以降初めてサービス価格の伸びが鈍化しました。米国は消費大国であるため、消費に関するサービス価格が低下したことは大きな意味合いを持ちます。
CPIの構成要素の一つであるサービスが低下してきているということは、物価の抑制が順調に進んでいるということを表しています。したがって、FRBの利上げ終了が近づいていると考えられるのです。
金利の動向からは、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBは利上げを終了し、年内に1回利下げすると予想されています。物価が抑制され続けていくと、年内の利下げを織り込む展開となり、ドル安がさらに進むと考えられます。
利上げ終了以外にも、SVB破綻に始まる金融不安や債務上限問題によるドル売りも考えられます。特に5月初めは債務上限問題が引き金になり、ドル安が進む可能性があります。債務上限問題は、共和党と民主党の政治駆け引きに使われます。したがってギリギリまで駆け引きが行われると、問題解決への不安からドル売りが進むと考えられるのです。
また、SVB破綻に始まった金融不安が再び広がっています。SVB破綻や中小銀行のさらなる資金流出の懸念により、米国は中小銀行の規制強化に動き出そうとしています。規制が強化されれば、中小銀行から融資を受けていた企業は資金繰りに困り、株価が下落、ドル売りが進む可能性を考えています。
したがって現在の米国ドルには買い材料が少なく、売り要因が多い事からドル売りポンド買いによりポンドドルが上昇すると予想しています。
利下げを織り込み始めると、ポンドドルが大きく上昇する可能性が高い!
4月末時点の、ポンドドルの日足チャートです。ポンドドルは、上昇トレンドを描いています。
画像引用:Tradingview
画像引用:Tradingview
5月のポンドは底堅く推移すると予想しています。ポイントは、物価動向とSuperThursdayの2点です。
EU離脱に起因する出稼ぎ労働者数の減少により、英国では慢性的な人手不足が続いています。4月18日に発表された雇用統計では、失業率が3.8%、平均賃金は5.9%と高い水準となりました。特に注目すべきは人件費にあたる平均賃金です。平均賃金は5.9%と、市場予想であった5.1%を大きく上回り、高止まりしています。
人件費の高騰もあり、英国のCPI(消費者物価指数)も前年比10.1%と、市場予想の9.8%を上回り、高止まりしています。英国のCPIの水準は、米国の5.0%と比べても各段に高い数値です。
また米国同様、ECB(欧州中央銀行)も、あと数回の追加利上げの後、利上げを終了するのではないかと話題になり始めています。一方で英国は、物価抑制のために追加利上げを続けているため、欧米の利上げ終了が織り込まれた後、ポンドが買われやすい状況になると予想しています。
5月の物価水準が高止まりしているようであれば、さらなる追加利上げが期待され、ポンド買いがさらに進むと考えられます。したがって平均賃金やCPIが高止まりしていないかに注目です。
5月は、年4回実施される「SuperThursday」の時期であり、金融政策発表と同時にインフレーションレポートが発表されます。インフレーションレポートでは、物価と経済の見通しが記載されており、物価動向を確認するうえで重要です。またSuperThursdayでは、金融政策が変更されることも多く、トレーダーの間で注目されています。
インフレーションレポートで、物価見通しが横這い、または上方修正されるようであれば、さらなる追加利上げ期待につながりポンド買いが進むのではないかと予想しています。しかし、物価が大きく低下している場合は、利上げが期待できないため、ポンド買いを控えたいと考えています。
またスナク首相の盟友として政権を支えてきたラーブ英副首相が、パワハラで辞任しました。今後、政権運営が不安定になる場合は、政治不安からポンド売りが出てくる可能性があるため、政権に関するヘッドラインにも注意しなければいけません。
物価動向の高止まりを確認しながらポンド買いを進めていきたいと思います。
作成日
:2023.05.02
最終更新
:2023.05.02
英ポンドを中心にトレードを行う大学生トレーダーで、2021年の合計利益は4,000万円にのぼる。公式Twitterでもテクニカル分析等の情報発信を行い、フォロワー数は5,000人以上。ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法を用い、Myforexでは月初にポンド通貨ペアの戦略を連載している。
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