作成日
:2021.06.02
地政学リスクとは、ある特定の地域が抱える地理学的・政治学的なリスク要因のことです。地理的な位置関係による政治的、軍事的、社会的な摩擦や緊張の高まりが、その地域ひいては世界経済に与える悪影響を指します。
狭義には戦争・紛争・内戦といった武力衝突、核開発、テロなどが含まれ、広義には政治、貿易、外交、ナショナリズム、デモなどが含まれます。世界にはあらゆる問題があり、それらのリスク要因はグローバル経済と密接な関係を持つため、さまざまな市場や投資判断に大きな影響を及ぼします。
地政学リスクという言葉は、アラン・グリーンスパンFRB議長が2002年9月の公聴会で用いたことから一般化したと言われています。その時期は、米国同時多発テロからの1年後であり、米国とイラクとの緊張の高まり、日朝首脳会談などがあるという背景でした。この言葉を世界のメディアが使用するようになり、世に定着していきました。
近年では、新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響や米中問題、米国の政権交代、東南アジアでのデモ、新興国の債務問題、貿易とテクノロジーを巡る摩擦など、多岐にわたるリスクが警戒されています。
金融相場は、地政学リスクに振り回されることがしばしばあります。そうした有事には、安全資産とされる円や金(ゴールド)が買われる傾向があります。その理由の一つは流動性(リクイディティ)の高さで、リスク発生時には一時避難的にこれらへ待避し、リスクが後退した際に資金を巻き戻しやすいからです。「有事の円買い」は、つまり円高を意味するので、クロス円の買いをする人にとっては注意すべき相場の動きだといえます。
作成日
:2021.06.02
最終更新
:2024.11.19
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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