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Tools For Brokers、新たな取引コスト分析ツールをリリース

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update 2021.08.31 15:29
Tools For Brokers、新たな取引コスト分析ツールをリリース

update 2021.08.31 15:29

詳細な取引データの分析や取引コストの表示が可能に

FXブローカー向けのソフトウェア開発を行うTools For Brokers(本社:6, John Kennedy Str. IRIS Building, Office 540, Limassol, Cyprus[1])【以下、TFBと称す】が、MetaTrader 4【以下、MT4と称す】を導入するブローカーを対象として、Terminal Cost Overview【以下、TCOと称す】と呼ばれる新たな取引コスト分析ツールをリリースしたことが明らかになった。

今回TFBが開発した取引コスト分析ツールは、同社の既存製品であるTransaction Cost Analysis (TCA)と似た機能を有しており、リクイディティプロバイダー(流動性供給業者)の比較を含む取引データの分析や、スプレッド、手数料、スワップなどの全ての取引コストを表示するという。また、同ツールは最大25,000口座の取引情報を集計し、MT4マネージャーAPIを活用してTCOとMT4サーバーを繋ぎ、顧客サーバー上の専用ダッシュボードにて60秒間隔で更新が行われる取引データを表示させる。TFBは、取引行為基準を定めた新たな規制策が導入されたことにより、多くの投資家が執行パフォーマンスに注意を払っていると指摘している。

新たな取引コスト分析ツールのリリースに際し、TFBのCOOであるAlbina Zhdanova氏は以下のようにコメントしている。

FX業界は厳格に規制されているものの、国によって規制策が異なります。コストの可視化を図ることで、トレーダーは、自身が拠点とする地域のコンプライアンスを遵守した安全な取引を行うことができるようになります。TCOが表示する取引コストは、投資リターンに直結する手数料など、非常に詳細で多岐に亘ることから、多くの投資家に利用されると見込んでおります。

Albina Zhdanova, COO at Tools For Brokers - Tools For Brokersより引用

2009年に創業したTFBは、海外FXブローカー向けにFXや仮想通貨取引関連ソフトウェアソリューションやBBI(Brokers' Business Intelligence)と呼ばれるリスク管理ツールなどを提供している。またTFBはPAMM機能をアップデートしたほか、TFBはロンドンに新オフィスを開設するなど、積極的に業容拡大を図っている状況である。そして今回、世界中の投資家が愛用するMT4上で利用可能な取引コスト分析関連の高機能ツールをリリースすることで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2019.09.27

出典元:

ニュースコメント

金融サービスプロバイダー各社が最良執行関連サービスを強化

最良執行義務とは、株式や債券、FXなどの顧客注文を、最良の条件のもとで取引執行するための方針を定めると共に、その方針に従って注文を執行する義務のことである。米国では2005年4月にレギュレーションNMSが導入され、ブローカー各社に最良気配を提示した市場での取引執行が義務付けられているほか、日本においても金融商品取引法第40条の2で同義務が採用されている。また、欧州では2007年にMiFIDで最良条件での執行義務が導入されたことに加え、最近ではESMAがブローカー各社に対し、最良執行義務を定めた規制技術基準であるRTS28レポートを企業のウェブサイトに公表するよう求める規制強化策を講じている。このような市場環境下において、多くの金融サービスプロバイダーが最良執行取引に関連したツールの開発を競っている状況だ。足元では、米国を拠点とする電子マーケットメイカーであるVirtu Financial Incが、FXや債券取引を行う際に取引コストを効率的にモニタリングすることが可能な取引コスト分析ツールをリリースしている。また、トレードウェブがマルチアセットパッケージ取引をリリースしたほか、JPモルガンチェースが次世代型FXアルゴリズム取引ツールを開発している。今後も、健全な金融市場の形成に向けた規制強化の流れに変わりはないと予想されることから、透明性の高い取引に繋がる画期的なソリューションが提供されることを期待したい。


Date

作成日

2019.09.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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