作成日
:2019.09.13
2021.08.31 15:29
FXブローカー向けのソフトウェア開発を行うTools For Brokers(本社:6, John Kennedy Str. IRIS Building, Office 540, Limassol, Cyprus
)【以下、TFBと称す】が、MetaTrader 4【以下、MT4と称す】とMetaTrader 5【以下、MT5と称す】を導入するブローカーを対象として、新たなアセットマネジメントシステムを構築することにより、PAMM(Percentage Allocation Management Module)機能をアップデートしたことが明らかになった。TFBが改良を行ったPAMMは、ユーザーフレンドリーなポータルを設けMetaTraderとは別のデータベースにおいて情報処理を行うことにより、サーバーの負担過多を軽減させると共に、取引量が増加した際のレイテンシーの改善に繋がるとのことだ。さらにマネーマネージャーが容易に取引設定を行うことができ、取引制限もなくなるとのことである。これによりPAMMはプラットフォームのテクニカル的な制約を克服し、従来のMT4と比較して数倍の処理能力を発揮することが可能になる模様だ。また、取引データを複数のMetaTraderサーバーに分散するシステムから単一のPAMMデータベースに集約するシステムに変更することで、マネーマネージャーによる運用成績のモニタリングが簡単になるほか、既存のCRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)とバックオフィス機能を容易に統合することもできるという。PAMM機能のアップデートに際し、TFBのCEOであるAlexey Kutsenko氏は、マネーマネージャーがシンプルなグラフィックディスプレイとリアルタイムの統計データ分析を望む場合、PAMMは非常に効果的な取引手法であるとコメントしている。
なお、2009年に創業したTFBは、ブローカレッジファーム向けにFXや仮想通貨関連のソフトウェアソリューションを提供するサービスプロバイダーだ。また、リスク管理やビジネス分析機能を有するBBI(Brokers' Business Intelligence)は同社の主力商品となっている。加えて、TFBはゴールドパッケージにBBIを追加したほか、TFBはトレードプロセッサーに新機能を追加するなど、積極的にサービス機能の強化を推進している。そして今回、投資家からの人気が高まるPAMM機能をアップデートし、取引環境の改善を図ることで、同社製品の利用拡大が期待できそうだ。
release date 2019.09.13
PAMMは、マネーマネージャーの知識・経験と多くの投資家からの資金を組み合わせることで両者に投資メリットをもたらすと共に、1回のバッチ処理をリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)に送信することで、全ての投資家に対してリアルタイムにプライシングを提供することもできるところに特色がある。また、各リテールブローカーが顧客の取引高の飛躍的な拡大を図るうえで、PAMMはFXや株式など伝統的な金融市場において10年以上に亘り人気の取引手法であると共に、最近ではビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨市場においてもより一般的に用いる手法になりつつある。実際に、PAMMサービスを強化する金融サービス業者は増えており、NordFXがMT4上でPAMMの提供を開始したほか、B2BrokerがMT5にPAMM機能を追加している。PAMMを活用することにより、マネーマネージャーと投資家双方が効率的に資金を増やすことが期待でき、更なる市場拡大が見込まれるため、今後も海外FXブローカーなどが関連の新機能やサービスを打ち出すと予想される。
作成日
:2019.09.13
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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