作成日
:2024.04.16
2024.04.17 09:12
メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットです。2022年1月時点では、月間アクティブユーザー数が3,000万人を超えています。では、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
この記事では、メタマスクにリップルを送金できるのかを紹介した上で、メタマスクが対応するブロックチェーンなどについて解説します。
原則として、メタマスク(MetaMask)にリップルは送金できません。メタマスクはリップルに対応しておらず、リップルを扱いたい場合は、リップル対応のウォレットを使用します。
メタマスクはあらゆるブロックチェーンに対応しているわけではありません。イーサリアムブロックチェーン、およびEVM互換性のあるブロックチェーン(EVM-compatible blockchains)にのみ対応しています。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。EVMを実装すると、ブロックチェーン間の仮想通貨の移動や、DApps(分散型アプリケーション)の移植などが容易になります。
メタマスクが対応している主なブロックチェーンは、次のとおりです。
これらのブロックチェーンであれば、仮想通貨(暗号資産)の入出金ができます。
リップルは独自のシステムである「XRP Ledger」を使用しており、メタマスクは対応していません。そのため、原則としてメタマスクにリップルは送金できません。
リップルはブロックチェーンでなく、XRP Ledgerと呼ばれる分散型台帳に取引履歴が記録されます。XRP Ledgerはリップル社が独自開発したシステムで、従来の国際送金と比べて低コストで迅速な取引が可能です。
リップルはメタマスク(MetaMask)に送金できませんが、リップルのラップドトークンなら送金可能です。
ラップドトークンとは、特定の仮想通貨の価値に連動するトークンを指します。例えば、ビットコインはビットコインブロックチェーン上で流通し、イーサリアムブロックチェーン上で使用できません。そこで、ビットコインと値動きが同じになるトークンを作って、イーサリアムブロックチェーン上で流通させます。これがラップドビットコインです。
リップルのラップドトークンはwXRP(Wrapped XRP)です。wXRPはイーサリアムブロックチェーン上のトークンであり、メタマスクに送金できます。
画像引用:Wrapped
wXRPを手に入れるには、wXRPの取り扱い業者にリップルを預け入れます。業者は預け入れられたリップルをカストディアンに送り、カストディアンはリップルと1:1の比率でwXRPを作成してユーザーに配布します。預け入れたリップルはカストディアンが保管しており、配布されたwXRPを任意のタイミングでリップルに戻すことも可能です。
wXRPは分散型取引所(DEX)での売買や運用が可能となっており、例えばSushiswap(スシスワップ)で取り扱いされています。
画像引用:Sushiswap
分散型取引所とはブロックチェーン上で仮想通貨を売買できる取引所であり、中央管理者が存在しません。分散型取引所を意味する「Decentralized Exchange」の頭文字をとってDEXとも呼ばれます。
リップルはメタマスク(MetaMask)に送金できませんが、Trust Wallet(トラストウォレット)などのリップル対応ウォレットであれば送金可能です。ここでは、XRPを取引所からTrust Walletに送金する方法を解説します。
2024年2月15日、米国のセキュリティ機関であるNIST(アメリカ国立標準技術研究所)が、iOS版Trust Walletが脆弱性を持つ可能性があるとして、調査をしているとの報道がされています。報道によると、この脆弱性により攻撃者はウォレットのシードフレーズを特定し、資金を盗むことができるとしています。
一方、Trust Walletは公式ブログにて、2018年に脆弱性は修正済みであり、ユーザーの資金は安全であると説明しています。また、米国NISTからの調査も受けていないとしています。
現在は様々な情報が錯綜している状況です。もう少し情報が明るみに出るまで、Trust Walletの使用を控えたり、ウォレットにある資金を出金しておく方がよいのかもしれません。
Trust Walletの拡張機能をクリックし、虫眼鏡マークをクリックします。
検索欄に「XRP」と入力し、トークンとネットワークの組み合わせを選びます。通常のXRPを受け取りたい場合は、トークンとネットワークの両方が「XRP」となっている項目をクリックしてください。
「受取」アイコンをクリックします。
QRコード下に記載されているアドレスをコピーします。
XRPの送金元となる取引所で送り先情報を入力します。ここでは例として、国内取引所のbitbankで送金先を登録する方法を紹介します。
bitbankから仮想通貨を送金するには送金先を登録する必要があり、次のように登録します。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
ラベル |
ユーザー自身が識別しやすいように付ける任意の名前です。アドレスの事前登録が必要な場合に求められます。 |
2 |
ネットワーク |
送金時に使うネットワークです。通常のXRPを送る場合は「XRP」を選びます。 |
3 |
アドレス |
送金先のアドレスです。 |
3 |
宛先タグ |
誰からの送金かを識別するためのタグです。多くのユーザーを抱えるサービス(取引所など)に送る際などに入力を求められます。Trust Walletへの送金時は入力不要です。 |
入力すべき内容は利用するサービスによって異なりますが、ラベルやネットワーク、アドレス、宛先タグは、多くのサービスで入力を求められる項目です。そのため、意味を理解しておくとスムーズです。
送金先情報を設定できたら、送金を実行します。bitbankから送金する場合は、事前に登録していたアドレスと送金する数量を指定し、出金申請を進めます。
取引所からの送金のとき、多くの場合、二段階認証としてコードの入力を求められます。この入力作業を無事に終えると、送金申請が完了するという流れが一般的です。
仮想通貨を送金する際には、少額でのテスト送金を行うのがおすすめです。テスト送金は、送金先のウォレットアドレスが正しいかどうかを確認する方法です。まずは少額の仮想通貨を送り、無事にウォレットに着金したのを確認した後、大きな金額を送金するのが確実な方法です。
送金元の取引所等での処理がスムーズな場合、XRPは基本的に数分で着金します。着金したかどうかはTrust Walletの拡張機能を開くと確認できます。
10分ほど経っても着金の確認ができない場合、送金元の取引所等でのステータスを確認してみてください。
また、送金時に正しい送金先情報を入力できていたかを振り返ってみましょう。送金先のアドレスをエクスプローラーと呼ばれるサービスで調べてみることも役に立つかもしれません。
メタマスク(MetaMask)以外のウォレットの中には、ラップドトークンを使用しなくてもリップルを送金できるものがあります。Trust Wallet(トラストウォレット)やGinco(ギンコ)、GateHub(ゲートハブ)などがその例です。
このようなウォレットを使えば、リップルをよりシンプルに取り扱うことが可能です。メタマスクとリップル対応ウォレットのどちらを使うと自分にとってメリットが大きいか、検討してみるとよいかもしれません。
作成日
:2024.04.16
最終更新
:2024.04.17
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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