作成日
:2024.04.12
2024.09.20 07:01
Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。Sui Network上のアプリを利用する際に必要となることが多いのが、SUIウォレットです。
この記事では、主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
画像引用:Sui
SUIウォレットとは、Sui Networkに対応したウォレットのことです。
Sui Network上では、ネイティブトークンとして仮想通貨(暗号資産)SUIが発行されています。SUIウォレットでは、仮想通貨SUIを管理することが可能です。
Sui Network上のDApps(分散型アプリケーション)を使う際には、SUIウォレットが必要になります。
DAppsとは「Decentralized Applications」の略称で、管理者がいなくても自律的に行動を行う非中央集権のアプリケーション(分散型アプリケーション)を指します。分散管理されていることでサーバーダウンによるサービス停止が少ないという特徴があります。
Sui Network上で展開されているDAppsには、以下のようなものがあります。
DeFi(ディーファイ)とは、銀行や仮想通貨(暗号資産)取引所などの金融サービスの分野でブロックチェーンを活用した、分散型金融と呼ばれる金融エコシステムです。分散型金融を意味する英語の「Decentralized Finance」の頭文字を取ってこのように呼ばれます。
DEX(分散型取引所)とは、ブロックチェーンを活用することで、中央管理者が不在でも仮想通貨の取引を行うことができる取引所のことです。中央集権型取引所とは違い、出金や取引の停止措置が行われる心配はありません。ただし、運営者に管理してもらえないため、ユーザー自身が知識をつけて利用する必要があります。
仮想通貨ウォレットとして有名なメタマスク(MetaMask)は、Sui Networkに対応していません。メタマスクが対応しているブロックチェーンは、原則としてイーサリアム(Ethereum)と、EVM互換性を持つブロックチェーンのみです。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。EVMを実装すると、ブロックチェーン間の仮想通貨の移動や、DApps(分散型アプリケーション)の移植などが容易になります。
そのため、SUIの保管や送受金をしたい場合は、SUIに対応したウォレットが必要です。
Sui Networkに対応したウォレットには、以下の2種類があります。
それぞれの特徴を簡潔に紹介します。
ハードウェアウォレットは、専用のハードウェアデバイスによって、仮想通貨(暗号資産)の秘密鍵を保管するウォレットです。
秘密鍵とはウォレットの所有者が管理する文字列で、仮想通貨の送金の際に必要です。秘密鍵を他人に漏らすと、仮想通貨が不正に流出する可能性があります。
ハードウェアウォレットはインターネットから切り離されているため、セキュリティの高さが魅力です。一方で、デバイスの購入コストや紛失リスクなどのデメリットがあります。
ソフトウェアウォレットは、PCやスマホなどインターネットに接続されたデバイスで利用できるウォレットです。メタマスクもソフトウェアウォレットに分類されます。
利便性は高いものの、ハッキング被害のリスクなどがあります。
Sui Networkに対応したウォレットは複数あり、各ウォレットは仮想通貨(暗号資産)の保管や送受金のほかに、さまざまな機能を有しています。以下はSUIウォレットが持つ機能の例です。
それぞれの機能について見ていきましょう。
SUIウォレットの中には、NFTを管理できるものがあります。NFTに対応したウォレットではSui Network上でNFTの購入や、NFTのミント・送受信などができます。
ミントとはNFTを新しく発行することを指し、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを通じて行われます。NFTゲームなどでは、新しいNFTをミントするために別のNFTやゲーム内アイテムが必要になることがあります。
一部のSUIウォレットでは、ステーキングに対応しています。SUIを長期保有する場合には、ステーキングによってSUIを増やすことが可能です。
ステーキングとはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨で採用される仕組みで、ブロックチェーンの維持に貢献する対価として報酬を得ることを指します。また、仮想通貨を貸し出して報酬を得られるサービスをステーキングと呼ぶこともあります。
SUIウォレットの中には、スワップ機能を持つものもあります。スワップは、すでに持っている仮想通貨をほかの仮想通貨に交換する機能です。仮想通貨は価格変動が激しいため、スワップするタイミングによっては利益を上げられます。
SUIに対応している主なウォレットとして、次の7つが挙げられます。
それぞれの特徴を紹介します。
画像引用:Suiet
SuietはSUI専用ウォレットで、スワップやNFTのミントに対応しています。また、ウォレット内にあるエアドロップボタンをクリックするだけで、テストネット上で使えるトークンを入手できます。
エアドロップとは仮想通貨の無償配布を指します。知名度向上などを目的として新規プロジェクトが実施する例が多く、仮想通貨をもらうには公式ツイッターをフォローすることなど一定の条件がつく場合もあります。
現在はブラウザ拡張機能として提供されていますが、今後モバイルアプリの開発も予定しているとのことです。
画像引用:Sui Wallet
Sui Walletは、Sui Networkを運営するMysten Labsが開発したSUIウォレットで、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリ(2024年3月19日時点でAndroidのみ)が提供されています。ブロックチェーンゲームなどDAppsへのシームレスな接続やNFTの保管、ステーキングが可能です。
画像引用:Ethos Wallet
Ethos WalletはSUI専用ウォレットで、ブラウザ拡張機能とモバイルアプリの両方に対応しています。アドレス帳の機能があり、仮想通貨をより簡単に送れるのが特徴です。アプリ内で仮想通貨を直接購入・取引できるため、取引所を介して購入する必要がありません。
画像引用:Surf Wallet
Surf WalletはSUI専用ウォレットで、仮想通貨の送受金やNFTの保管、ステーキングなどに対応しています。ブラウザ拡張機能とモバイルアプリの両方を提供しており、2024年2月時点では、Suiエコシステム内でもっとも広く利用されているモバイルウォレットです。
画像引用:Nightly
Nightlyはここまで紹介したウォレットとは異なり、複数のブロックチェーンに対応したマルチチェーンのウォレットです。NightlyはSui Networkのほかにも、Solana(ソラナ)やAptos(アプトス)などのブロックチェーンに対応しています。
画像引用:Trust Wallet
Trust Walletは、数多くのブロックチェーンに対応し、優れた操作性で人気の高いウォレットです。Trust WalletはSui Networkのほかにも、100以上のブロックチェーンに対応しており、仮想通貨の購入やスワップをはじめとした豊富な機能を備えています。
画像引用:Ledger
Ledgerは、仮想通貨ウォレットの秘密鍵を保管するハードウェアウォレットです。Ledgerは、50以上のソフトウェアウォレットに対応しています。LedgerをソフトウェアウォレットのSui Walletに接続することで、SUIの送金などができるようになります。
ここでは、先に紹介したSUIウォレットの1つであるSuietの作り方を紹介します。
以下リンクより、Chromeウェブストアの「Suiet」のページにアクセスします。
「Chromeに追加」をクリックします。
ポップアップの「拡張機能を追加」をクリックします。
「『Suiet|Sui Wallet』がChromeに追加されました」と表示されれば、拡張機能の追加は完了です。
Chrome拡張機能からSuietを開き、「Create New」をクリックします。
パスワードを設定して「Next Step」をクリックします。
パスワードが認証されるとリカバリーフレーズが表示されるので、記録します。
リカバリーフレーズを紛失すると、ウォレットにアクセスできなくなります。安全に保管し、誰にも教えないようにしましょう。
「Yes, I've saved it」をクリックすると、リカバリーフレーズの確認画面が表示されるので、入力します。
以下の画面が表示されれば、Suietのウォレット作成は完了です。
SUIウォレットを利用するにあたっては、以下のリスクが考えられます。ただし、これらはSUIウォレット特有のリスクではなく、どのウォレットにも見られるものです。
SUIウォレットはセルフカストディの仮想通貨ウォレットです。リカバリーフレーズはユーザー自身が保管しなければなりません。
リカバリーフレーズを紛失したり漏洩したりすると、ウォレット内の仮想通貨(暗号資産)やNFTが永遠に失われるリスクがあります。
リカバリーフレーズとはランダムに生成された単語の羅列で、シークレットフレーズとも呼ばれます。ひとたび発行されると変更されることはなく、ウォレットを復元したり、異なるデバイスのウォレットと同期したりする際に利用します。
Sui Networkは比較的新しいプロジェクトであり、SUI専用ウォレットも同様です。メタマスクなどに比べると利用実績に乏しいため、不具合が発生したり、セキュリティホールを突かれたりするかもしれません。
SUIウォレットの利用を検討する際は、十分なリサーチを行った上で少額からスタートするとリスクを抑えられるでしょう。
SUIウォレットの種類は、ハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットの2つに大別されます。この2種類のうち、ソフトウェアウォレットは数多く存在し、ウォレットごとにユーザーインターフェースや機能などが異なります。
ウォレットによっては求める機能が備わっていない可能性もあるため、各ウォレットの特徴を確認し、目的に合ったものを選びましょう。
作成日
:2024.04.12
最終更新
:2024.09.20
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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