Select Language

【調査】日本人のBybit利用は禁止?金融庁の対応や違法性は?

【調査】日本人のBybit利用は禁止?金融庁の対応や違法性は?

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.08.10 08:23
【調査】日本人のBybit利用は禁止?金融庁の対応や違法性は?

update 2023.08.10 08:23

2021年6月、金融庁は大手取引所のBybit(バイビット)を無登録業者リストに追加しました。これを受け、日本人のBybit利用を「違法」と解釈する人もいれば、「違法ではない」と考える人もいます。

結論から言えば、「Bybitが日本で営業していることは違法」にあたりますが、「個人が利用すること」は違法ではありません。

この記事では、金融庁の規制と海外仮想通貨取引所の関係について詳しく紹介します。

金融庁が行ったBybitへの対応

まず、金融庁が行ったBybit(バイビット)への対応を時系列で紹介します。

  • 2021年5月:Bybitへ警告
  • 2021年6月:ツイートで注意喚起
  • ~2022年12月:新しい動きはない

2021年5月にBybitへ警告

2021年5月28日、金融庁はBybitへ警告した事実を公表しました。公表書面に記載されている警告内容は以下の通りです。

インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの

『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Bybit Fintech Limited)』 - より引用

日本居住者を相手にする仮想通貨(暗号資産)取引所は、たとえ海外に拠点があっても、金融庁の登録を受けることが義務付けられています。Bybitが未登録の状態で日本人にサービスを提供したため、金融庁は警告文書を発行しました。

2021年6月にツイートで注意喚起

警告文を発行した1か月後の2021年6月、金融庁はBybitを無登録業者リストに追加するに至ります。金融庁はTwitter(ツイッター)上でも注意を促しました。

金融庁の注意喚起に対して、不満があるユーザーが多いようでした。「認可を受けた取引所は利用可能なサービスが少ない」といった趣旨のリプライが目立ちます。

2022年12月現在まで動きはない

金融庁の公式ページを見る限り、金融庁は2021年6月以降にBybitへ追加措置を講じていません。ただし、2022年12月現在もBybitは、無登録業者リストに掲載されたままです。

2022年11月に起こったFTXの経営破綻騒動を機に金融庁が規制を見直す可能性もあるので、今後の動向に注目が集まります。

knowledge FTXの経営破綻

FTXは大手仮想通貨取引所でした。しかし、ハイリスクな経営を行っており、手持ち資金が枯渇して顧客資産を払い出せない状況に陥りました。競合のBinanceによる救済を模索しましたが、結局失敗に終わっています。

この影響は仮想通貨市場全体に波及しており、CEX(中央集権型取引所)の信頼が揺らいでいます。規制当局にも大きな影響を与えたと考えられます。

日本人のBybit利用は禁止なのか

金融庁の警告を受けているBybit(バイビット)ですが、個人による利用は禁止されていません。Bybitが日本居住者向けにサービスを提供することは違法ですが、個人がBybitを利用することは違法でないためです。

法律では禁止されていない

Bybitが日本居住者向けに営業していることは、違法となります。金融庁が作成した無登録業者リストでは、「資金決済に関する法律第63条の2の規定に違反」と記載されています。

しかし、日本人によるBybitの利用は違法とされていません。金融庁公認の相談窓口「金融サービス利用者相談室」に確認したところ、以下の回答を得ました。

  • 前提として、無登録で日本人を相手として、暗号資産取引業を営むことは違法
  • ユーザーが無登録の業者を利用することに関しては、制限する法律はない

また、以下のような補足も受けました。

  • 無登録の業者でトラブルがあった際、個人を保護しきれない可能性がある
  • 自己責任での利用は規制していないが、登録業者の利用をおすすめする

2022年12月現在、Bybitをはじめとする無登録の業者を利用するかどうかの判断は、個人に委ねられています。

point 国内取引所の強み

国内取引所は金融庁の規制で守られています。それに加えて、自主規制団体の日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)などの働きもあり、取引所は厳格な運営が義務付けられています。

過去に複数の国内取引所がハッキング被害を受けましたが、多少の損はあっても基本的に全て償還されてきました。顧客資産と同等の仮想通貨をコールドウォレットで保管することが義務付けられているので、元大手取引所のFTXのように顧客資産を用いたハイリスクな運営はできません。

Bybitが日本人を禁じる予定はない

取引所側が日本人の利用を禁止することも考えられます。そこで、2022年7月時点にMyforex編集部がBybit担当者に取材したところ、「日本人禁止の可能性は一切ない」とのことでした。

大手仮想通貨(暗号資産)取引所が日本人の利用を制限した事例はあります。例えば、2021年8月にHoubi、2021年9月にFTXが日本居住者の利用を規制しました。ただし、これらの取引所が日本人によるサービス利用を制限したのは、日本で正式な金融ライセンスを取得するためでした。

point Binance.comは日本人を禁じる?

2022年11月30日、Binance(バイナンス)は日本の金融庁登録業者「サクラエクスチェンジビットコイン」を買収しました。同日、Binance.comは日本居住者の新規登録、日本語対応も停止しています。

Binance.comは既存ユーザーなら利用できる状態ですが、今後日本居住者のユーザーが利用不可になる可能性があります。

金融庁の登録を行わない意図

Bybit(バイビット)は金融庁の登録を行っていませんが、それには「取引の自由度を保つ」という意図があると推測されます。

Bybitは取り扱い通貨が数百種類、デリバティブ取引の最大レバレッジが100倍と、幅広いニーズに応えられる取引所です。日本の規制に従った場合、取り扱い通貨は数十種類、最大レバレッジは2倍となります。取引所の自由度は下がるでしょう。

caution 悪質な取引所に注意

たくらみを隠すために、金融庁の登録を行わない悪質な取引所も存在します。「マッチングアプリで知り合った人に勧められた取引所にお金を預けたら、次々と身に覚えのない請求を受けた」という事例も報告されています。取引所を利用する前は、必ず信頼できるかどうかを確認してください。

ドバイの金融ライセンスを取得

日本の金融ライセンスは保有していませんが、Bybitはドバイでライセンスを取得しており、一つの安心材料といえます。

ドバイでのライセンス取得は、日本やシンガポールで行うよりも容易です。しかし、ライセンスを取得したBybitは、一定水準以上の取引所であるとはいえるでしょう。

違法ではないが自己責任

Bybit(バイビット)は金融庁の暗号資産交換業者リストに掲載されていません。しかし、日本人がBybitを利用することは、禁止されていません。

Bybitは、低リスクで資産を運用できる「Bybitステーキング」や、リスクヘッジにも使える人気のデリバティブ取引「USDT無期限」など、さまざまなサービスを提供しています。自己責任にはなりますが、自由度の高い資産運用や取引を行いたい人は、Bybitの利用を検討してみても良いでしょう。


Date

作成日

2022.07.01

Update

最終更新

2023.08.10

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FX業者の口座開設手順を徹底調査|IB向きの業者を選ぶ基準

海外FX業者によって口座開設時に必要な手順は異なります。したがってIBに向いている海外FX業者を選ぶ1つの基準として、口座開設手順についても考慮する必要があるのです。Myforexでは各海外FX業者における口座開設時の入力項目数を調査しました。
New
update2024.03.28 20:00

Zoomexが現物取引キャンペーンを開催!取引高の達成で最大50USDTのボーナスを獲得

Zoomex(ズーメックス)が、現物取引キャンペーンを開催しています。所定の現物取引高を達成するだけで、最大50USDT分のボーナスを獲得できます。キャンペーン期間は、2024年3月26日午前9時〜4月9日午前9時(日本時間)までです。
New
update2024.03.28 20:00

Merlin Chainとは?話題のビットコインレイヤー2の評判や将来性を解説

Merlin Chainは、ビットコインのレイヤー2の一種です。当記事では、Merlin Chainの将来性やX(旧Twitter)での評判、Merlin's Sealの詳細などについて解説します。
New
update2024.03.28 19:00

メタマスクのイーサリアムステーキングのやり方|利率や仕組みも解説

メタマスクでは、イーサリアムやポリゴンをステーキングして報酬を獲得することが可能です。2024年1月には、バリデーターステーキングが登場し、ユーザーの選択肢が広がっています。当記事では、メタマスクの2種類のステーキングのやり方や仕組み、リスクなどを解説します。
update2024.03.26 20:30

Traders Trustで開催されているボーナスキャンペーンとは?内容や出金条件を徹底解説!

Traders Trustでは、取引量に応じて現金として出金できるボーナスやキャッシュバックを受け取れるボーナスを中心に開催されています。キャンペーンによっては出金に取引条件があるので事前に確認しておきましょう。
update2024.03.25 20:00

TradingViewに通貨強弱を表示する方法を解説!無料インジケーターの見方や設定方法とは

TradingViewにおいて無料で利用できる通貨強弱インジケーターの見方と設定方法を解説します。チャート分析と組み合わせることでトレンド予測がより正確になります。またヒートマップや通貨インデックスなどTradingViewの公式ツールも紹介します。
update2024.03.21 20:30

Zoomexがビットコイン価格予想キャンペーンを開催!毎週3名に400ドルのボーナス獲得のチャンス

2024年3月13日、海外取引所のZoomex(ズーメックス)が、「ビットコイン価格予想キャンペーン」の開催を発表しました。ビットコインの価格を予想するだけで、400ドル相当のボーナスを獲得できるチャンスです。キャンペーンの詳細や参加方法を解説します。
update2024.03.21 20:00

Galaxy DAOの欠点が浮き彫りに|出金状況やコンテスト中止の原因

Galaxy DAOは返金に向けて動いていたり、サービスを今後も拡大していったりするように見せていますが、実情は異なるようです。トレードコンテストの中止や、MT4とEAの利用停止などGalaxy DAOの欠点が浮き彫りになりつつあります。
update2024.03.19 21:00

仮想通貨ETHFIの将来性は?分散型ステーキングプロトコルether.fiの評判や特徴を解説

仮想通貨ETHFIは、分散型ステーキングプロトコルether.fiのガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨ETHFIの将来性やX(旧Twitter)での評判、ether.fiの特徴などについて解説します。
update2024.03.19 20:30

Titan FXが花月トレードコンテストを開催!入金なしで参加可能

海外FX業者のTitan FXが、「花月トレードコンテスト」を開催することを発表しました。コンテストでは専用のデモ口座を使用するため、自己資金をリスクにさらすことなく参加できます。上位入賞者には賞金も贈られます。
update2024.03.18 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル