Select Language

ESMA、タクソノミー規則に係る諮問書を公表

ESMA、タクソノミー規則に係る諮問書を公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.06 17:44
ESMA、タクソノミー規則に係る諮問書を公表

update 2022.01.06 17:44

同規則における開示義務の一貫した適用を提案

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は11月5日、タクソノミー規則(Taxonomy Regulation)第8条に係る草案を含む諮問書を公表した。[1]

ESMAの草案は金融市場において考慮すべき主要な事項を網羅しており、非財務情報開示指令(Non-Financial Reporting Directive, NFRD)の規制対象となる非金融事業体とアセットマネージャーが、タクソノミー規則において求められる開示義務の一貫した適用を図ることを目的としている。また同草案は非金融事業体が開示を求められる、環境的な持続可能性に資する経済活動から生じた売上高、設備投資額、事業運営費という3つの重要業績評価指標(Key Performance Indicators)【以下、KPIと称す】に関する提案が含まれている他、アセットマネージャーに対する適格投資に基づいたKPIの計算モデルを提示している。尚、ESMAは欧州委員会(EC)の要請に応じて諮問書に含める草案を早急に策定すべく、様々なステークホルダーに働きかけてきた他、2つの欧州監督当局(European Supervisory Authorities, ESA)と一貫した提案を行うために緊密に連携してきたという。

諮問書の公表に際し、ESMAの局長を務めるSteven Maijoor氏は以下のようにコメントしている。

タクソノミー規則は、グリーン・サステナブルプロジェクトに対する民間投資の増加を図るために、欧州グリーンディール(European Green Deal)のカギとなる要素であります。我が局が策定した草案は、同規則において求められる開示義務の一貫した適用の確保に加え、非財務情報を活用する市場参加者に法的な確実性を提供する上で、非常に重要なものとなります。我々は今回のパブリックコンサルテーションに加え、権限の範囲内でサステナブルファイナンス分野における欧州市場での基準や、要件の策定に貢献していきたいと考えております。

Steven Maijoor, Chair of ESMA - ESMAより引用

ESMAは2020年12月4日までパブリックコンサルテーションを実施し、2021年2月28日までに欧州委員会へタクソノミー規則に係る最終草案を提出する計画だ。

release date 2020.11.09

出典元:

ニュースコメント

サステナブルファイナンス分野で先行する欧州

サステナブルファイナンスの中核を成すタクソノミー規則は、投資に紐づく経済活動が環境的に持続可能であるかを判断する基準を規定している。グローバルベースで持続可能な社会の形成に向けた様々な取り組みが実施されている中、グリーンボンドを始めとするサステナブルファイナンス分野で先行するのが欧州だ。当局が規制枠組みや基準の策定に積極的な姿勢を示しており、例えば、ESMAが2021年の監督業務計画を公表した際、サステナブルファイナンスへの取り組みを強化する方針を明らかにした。またESMAはサステナブルファイナンス関連レポートを公表し、透明性義務やESG(環境、社会、ガバナンス)投資などの優先事項を定めている。他方で民間レベルにおいても、サステナブルファイナンス関連ソリューションの提供を試みる金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、野村HDがGreentech Capitalを買収し、サステナブルなテクノロジーやインフラストラクチャー分野で専門性の高いサービスを提供していく方針だ。またリフィニティブ(Refinitiv)が長年にわたりESG関連データを提供している他、香港証券取引所(HKEX)がサステナブル及びグリーンファイナンス関連の証券取引所を開設する計画を明らかにしている。盛り上がりを見せるサステナブルファイナンス分野をリードする欧州を中心に、多くの金融サービスプロバイダーが画期的な関連ソリューションを提供することに今後も期待したい。


Date

作成日

2020.11.09

Update

最終更新

2022.01.06

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

海外FXがオンラインカジノ規制の影響を受ける理由とは?出金できなくなるリスクも

2025年以降、オンラインカジノ規制の影響と見られる海外FX業者の国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル