Select Language

韓国FSC、仮想通貨ユーザーの顧客確認を義務化する予定

韓国FSC、仮想通貨ユーザーの顧客確認を義務化する予定

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:33
韓国FSC、仮想通貨ユーザーの顧客確認を義務化する予定

update 2021.08.31 15:33

2021年3月25日からVASPに対する規制が強化される見通し

韓国の規制当局である金融委員会(Financial Services Commission)【以下、FSCと称す】が、国内の仮想通貨サービスプロバイダー(Virtual Asset Service Provider)【以下、VASPと称す】にユーザーの顧客確認(KYC)を義務付けるための法改正を提案していることが明らかになった。[1]

今月4日の発表によると、この改正法案は仮想通貨の購入と販売および仮想通貨取引に従事する事業者、カストディアン、デジタルウォレットサービスプロバイダー、仲介業者をVASPと定義し、マネーロンダリング防止(AML)に関するルールを強化することを目的にしているという。これにより法改正が予定される2021年3月25日から、VASPはユーザーとの取引に実名口座を使用すると同時に、顧客資産を自己資産と分けて管理することが求められるようだ。

加えて、VASPは第三者の金融機関によるマネーロンダリングのリスク評価や、政府機関のKISA(Korea Internet and Security Agency)からデータセキュリティ承認を取得する必要がある。これに伴ってVASPは、過去5年間に罰金やその他罰則の記録がないことを前提に、ユーザーの取引記録を管理することが求められるという。この改正法案では仮想通貨だけでなく、法定通貨と交換できないデジタルトークンや電子マネー、電子化された株券、電子証券、商品などが規制の対象となっているが、プリペイドカードやモバイルギフトカード、電子債権の類は除外されている。

今回、FSCはこの法改正が金融活動作業部会(Financial Action Task Force)【以下、FATFと称す】のTravel Rule(送金時に個人情報を提供する規定)に準拠するためのものだと説明し、これに対するパブリックコメントを募集している。最近、香港SFCが全仮想通貨取引所を規制する方針を示すなど、他国でもFATFの国際的な規制に準拠する流れが生じているが、韓国の仮想通貨コミュニティはどのような反応を見せるのか、今後も同国での動きに注目していきたい。

release date 2020.11.10

出典元:

ニュースコメント

韓国政府の後押しで活発な動きを見せる仮想通貨市場

これまで韓国政府は仮想通貨市場を後押しするために官民一体となったプロジェクトを展開しており、最近では非上場株式の取引サービスや中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)の開発などで活発な動きを見せている。また、今年初めに韓国政府は仮想通貨取引の利益に20%課税することを検討するなど、仮想通貨市場の拡大を受けてルールを明確化しつつある。結果的に韓国では仮想通貨やブロックチェーン技術などのテクノロジーを用いたサービスが相次いで登場しているだけでなく、国内大手銀行のウリィ銀行(Woori Bank)や新韓銀行(Shinhan Bank)も仮想通貨市場への参入を計画しているという。既に国民銀行が仮想通貨カストディサービスの提供に踏み切るなど、韓国の金融業界では仮想通貨の統合が進みつつあるが、これがどのような変化をもたらすのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.11.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル