作成日
:2020.01.22
2021.08.31 15:33
今月20日、韓国政府が仮想通貨取引から生じる利益を「その他の収入(other income)」に再分類し、20%の税金を課す案を検討していることが地元紙の報道で明らかになった。
先日、韓国政府は仮想通貨取引を非課税とすることを決定したばかりだが、既に企画財政部(Ministry of Economy and Finance)がより明確な税制を取り入れるための提案をまとめているという。既存の規定では宝くじの賞金などが「その他の収入」に分類されており、この案が通れば、仮想通貨取引による利益にも、最大税率42%のキャピタルゲインとは別の税区分が適応される可能性があるようだ。現在、「その他の収入」に区分される所得は、総額の60%が控除可能で20%の税金が課せられている。
企画財政部は、昨年末から仮想通貨に関する新しい税制の構築を検討しており、広報担当者は当局が仮想通貨課税を強化するための改正法案を2020年前半までに作成することを計画していると述べた。しかしながら、この改正法案が施行されるかは確定的ではなく、これが破棄される可能性もあるという。世界でも仮想通貨の税制は未だ完全に整備されていないものの、他の先進諸国は仮想通貨取引による利益をキャピタルゲインとして扱っている。
昨年10月、米IRSは仮想通貨の税金に関するガイダンスを公開しており、保有期間が1年未満の場合は、給与として受け取った仮想通貨にも最高39%を超える税率で課税することを通達している状況だ。また、英国政府はビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨を金融商品として分類し、合計1万2,000ポンド(約1万5,600ドル)を超える利益に対して20%の税金を課している。韓国政府がこの仮想通貨に関する税制を採用すれば、国内市場に大きなインパクトを与えることになるが、仮想通貨コミュニティはどのような反応を示すのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。
release date 2020.01.22
ある調査では日本がアルバ(ベネズエラ沖に浮かぶ島国)に次ぐ世界第2位の重税国家だと報告されており、特に他の先進諸国と比べても、所得税などの個人にかかる税金が割高になっているようだ。それは仮想通貨分野でも例外ではなく、日本政府は仮想通貨取引に由来する利益を雑所得に分類し、個人の所得レベルに応じて最高55%の重税を課している。これを受けて仮想通貨トレーダーの中には、意図的に申告を免れようとする者も出てきているようだが、日本政府は仮想通貨の税徴収を強化する方針を示している。昨年時点でその申告漏れの総額は100億円を超えており、日本政府にとってはこれが巨大な税収源となり得る。日本と同じく、世界でも有数の仮想通貨市場を抱える韓国では、個人が積極的に仮想通貨取引を行なっているが、仮想通貨税の導入がどのような変化をもたらすのか、今後も同国政府の取り組みに注目していきたい。
作成日
:2020.01.22
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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