作成日
:2020.01.06
2021.08.31 15:29
韓国の企画財政部(Ministry of Economy and Finance)は、仮想通貨関連の税制を整備するために、しばらくの間、仮想通貨取引の利益に対し課税しないことを決定した。
発表によると、現在、韓国政府は既存の税制に仮想通貨を含めるための検討を進めており、主要国の制度や会計基準との整合性、マネーロンダリング対策(AML)の観点から包括的なレビューを行なっているという。今の所、韓国政府は法的に仮想通貨を定義しておらず、株式投資や不動産投資などと同様のキャピタルゲイン税を仮想通貨に課すことができない状態にあるようだ。昨年末、企画財政部が仮想通貨にキャピタルゲイン税を適応する計画が明らかになったものの、まだその議論に決着はついていない。
ビットコイン(Bitcoin)の販売が開始されて10年が経過しているが、韓国政府は仮想通貨に対する税制の整備に手を焼いており、結果的に韓国内の仮想通貨トレーダーは仮想通貨取引に関する税金が免除されている。一方、最近では税務当局が大手仮想通貨取引所のビッサム(Bithumb)に6,900万ドルの源泉徴収を課し、国内の仮想通貨市場に混乱を招いた。
既に米IRSは仮想通貨の税金に関するガイダンスを公開しており、企業および個人の徴税スキームが明確化されている。それに加えて、トムソン・ロイターが仮想通貨向けの税務ツールを提供し、納税をサポートする民間サービスなども登場している状況だ。昨年、ポルトガル政府も同様に仮想通貨取引の利益に課税しないことを明示しているが、韓国政府はどのような対応を見せるのか、今後もその取り組みに注目していきたい。
release date 2020.01.06
仮想通貨市場の拡大に伴い、日本政府は仮想通貨の税徴収を強化する方針を示しており、情報紹介制度を利用して仮想通貨トレーダーの申告漏れなどに対応する動きを見せているようだ。また、国税庁は仮想通貨取引による利益が雑所得に該当するとの見解を明確にし、住民税などの地方税を含む最高税率が55%に達することを早くから公表している。この高い税率の影響もあり、仮想通貨ブームが到来した2017年度、仮想通貨取引から来る日本政府の税収は9兆円を突破したという。日本政府の対応は、課税を免除した韓国や軽減税率を導入したフランスとは対照的なものとなったが、2018年以降はビットコインを筆頭に主要通貨の価格が軒並み下落しているため、現在、その高い税率が仮想通貨取引の拡大を妨げる足かせとなっている状況だ。世間では株取引などと同レベルの20%程度の税率が最適だとの議論も展開されているだけに、将来的に日本政府が仮想通貨に関する税制を改めることに期待したい。
作成日
:2020.01.06
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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