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イーサリアム、難易度調整を遅らせるハードフォーク、ムーア・グレイシャーを実施

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update 2021.08.31 15:29
イーサリアム、難易度調整を遅らせるハードフォーク、ムーア・グレイシャーを実施

update 2021.08.31 15:29

ディフィカルティボムの発動を400万ブロック延期する

人気仮想通貨のイーサリアム(Ethereum)が今月2日にムーア・グレイシャー(Muir Glacier)と呼ばれるハードフォークを実施し、920万番目のブロックでそれを有効化したことが明らかになった。[1]

このハードフォークはEthHubのEric Conner氏が11月に提案したものであり、イーサリアムの難易度調整アルゴリズムであるディフィカルティボムの発動を延期するためのEIP(Ethereum Improvement Proposal)2384が盛り込まれているという。以前からイーサリアムがディフィカルティボムを停止する可能性があると噂されていたが、今回のハードフォークから、新しい規格のイーサリアム2.0がFriendly Finality Gadget(FFG)などの機能を実装するまでは、ディフィカルティボムの発動がないことは確定的だ。

2015年以降、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へのマイニングアルゴリズム変更に向けてディフィカルティボムを運用し、ブロック生成にかかる時間を意図的に増加させている。もしムーア・グレイシャーによるアップグレードが施されなかった場合、イーサリアムにおけるブロック生成時間は20秒から30秒に達し、トランザクションコストの急増を招くことが予測できるだろう。

このイーサリアムにおけるブロック生成時間に関してConner氏は、次のようにコメントしている。

ブロック生成に13秒かかることを想像してください。この時間が20秒に増加すると、1日あたりに生成されるブロック数が4,300まで減少することになります。ネットワークが最大限利用されていると仮定すると、日々、ブロック容量をめぐる争いが起こると同時に、手数料が増加してDApp(分散型アプリケーション)のトランザクションコストが割高になるでしょう。

Eric Conner, Founder of EthHub - International Business Timesより引用

2019年、イーサリアムはハードフォーク計画に遅延が生じたものの、イスタンブール(Istanbul)やコンスタンティノープル(Constantinople)、セントピーターズバーグ(St. Petersburg)などのハードフォークを完了している。イーサリアムのPoS移行は緩やかに進んでおり、2021年のセレニティ(Serenity)と呼ばれるハードフォークでイーサリアム2.0が正式にローンチされる予定のため、今後もその進捗を見守っていきたい。

release date 2020.01.06

出典元:

ニュースコメント

イーサリアム2.0始動に向けての準備が進む

イーサリアムはディフィカルティボムを利用し、同ブロックチェーンのマイニング難易度を定期的に上昇させることで、最終的にネットワーク上のマイナーをイーサリアム2.0に導こうとしているようだ。しかしながら、イーサリアムが新しく採用するPoSはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)のマイニングアルゴリズムと比較してその公平性に問題があると言われており、実際のシステム構築にはその検証や改善に時間を要するという。今回、ムーア・グレイシャーの実装が成功して約2年間の猶予が生まれたが、今年初旬までにイーサリアム2.0のフェーズ0立ち上げが計画されるなど、既にプロジェクトは前進し始めている。昨年末、分散型取引所のIDEXがイーサリアムのデモ環境を構築したことからもわかるように、サードパーティ企業の動きも活発になってきているが、今後もこのエコシステムがどのように変化していくのか注目していきたい。


Date

作成日

2020.01.06

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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