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日本政府、情報紹介制度により仮想通貨に関する税徴収を強化

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update 2021.08.31 15:27
日本政府、情報紹介制度により仮想通貨に関する税徴収を強化

update 2021.08.31 15:27

交換事業者へ個人情報の開示請求が可能となる

国税庁は、仮想通貨交換事業者に対して、住所、氏名、マイナンバーなど、個人情報の開示請求をすることが可能となる情報紹介制度を新しく設けることで、納税の申告漏れなどを防ぐ方針[1]であることを明らかにしている。

今回の仮想通貨取引に関する情報紹介制度は、2019年度の与党税制改正大網に盛り込まれる政策の一環で、年間所得1,000万円以上のトレーダーが対象となるようだ。懸念点として、不当に個人情報が利用される可能性が挙げられているが、国税庁は、開示請求の対象者を限定するほか、不服を申し立てることができる仕組みを採用することで、公平性が維持されることを説明している。この情報紹介制度は、2020年以降に導入される予定で、周知期間を設けるなど慎重に進められるという。

財務省が検討している対策は、この情報紹介制度だけではなく、仮想通貨交換事業者などの企業に源泉徴収を実施させる案や、国外に仮想通貨を保有したり送金する際に法定調書の提出を義務付ける案などもあるようだ。ちなみに株式市場では、源泉徴収ありの特定口座の開設が認められているため、投資家が申告することなく、税金を徴収することも可能となっている

仮想通貨取引に関する税制では、通年で20万円以上の利益を得たトレーダーが確定申告の対象となっており、雑所得の税率と一律10%の住民税を併せると、所得額に応じた累進課税で15%から55%の税率が適応される。雑所得は、収入から必要経費を差し引いて算出され、その点は株式取引やFX取引と相違ないが、過去3年間の損失を翌年以降の繰越控除に当てられないことや総合課税となることなど、税制面では不利な区分となっている。一方で、株やFXは、15%の所得税と5%の住民税を含めた一律20%の税率で、申告分離課税の方式が採用されていることもあり、仮想通貨より優遇されていると言えるだろう。なお仮想通貨への消費税は、2017年7月に資金決済法が改正されて以来、正当な通貨と認められたことから非課税となっている。

ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーは、国境を超えてグローバル市場にも影響を及ぼすため、世界基準の規制が必要なことが唱えられている。世界経済に関して協議されている経済協力開発機構(OECD)も、税効果を調べるツールの開発などで各国の協力を求めているという。

release date 2018.12.05

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の税制に苦しむ日本市場

日本市場は、仮想通貨の受け入れが最も進んでいる市場のひとつとして知られているが、税制面では最高税率55%という重税を課しており、それが発展への足かせになっているのも事実である。この重税政策は、一部トレーダーや投資家の海外移住を促す結果を招き、国内の仮想通貨交換事業者にとっては大口顧客を失うリスク要因となっている。そんな日本を余所目に、先日、東欧のウクライナでは仮想通貨取引における課税法案が国会へ提出され、仮想通貨取引やマイニングによって生じた利益に5%課税することを検討しているという。また、今年10月には、ウクライナ政府は仮想通貨を合法化(3年を要する予定)することを発表しており、ブロックチェーンテクノロジーの発展とそれによる新規事業の創出に期待をかけている。ウクライナの経済成長は、2000年ごろから鈍化を見せていたが、IT分野などへの積極的な取り組みで盛り返しつつある。その点、日本も似たような境遇にあるといえるが、これまで日本政府は仮想通貨に対して保守的な方針を示し、対照的なアプローチをとっている。


Date

作成日

2018.12.05

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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