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サンタンデール銀行、RippleNetを活用した国際送金システムを強化

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update 2021.08.31 15:32
サンタンデール銀行、RippleNetを活用した国際送金システムを強化

update 2021.08.31 15:32

One Pay FXを19カ国に展開して即時の国際送金を可能にする

スペインの大手銀行であるBanco Santander SA(本社:Av. de Cantabria s/n 28660 Boadilla del Monte Madrid Spain[1])【以下、サンタンデール銀行と称す】が、Ripple, Inc.【以下、リップル社と称す】のRippleNetを活用した国際送金システムのOne Pay FXを強化し、同サービスを世界19カ国に展開していることが明らかになった。[2]

サンタンデール銀行は2018年にリップル社と提携してOne Pay FXを構築し、同行の顧客に対して即時決済が可能な国際送金サービスを提供しているという。以前からサンタンデール銀行は、ブロックチェーンを活用した国際送金技術に関心を示しており、リップル社には2015年の投資ラウンドで、傘下のベンチャーファンドであるInnoVenturesを介して400万ドルの投資を行なっている。直感的に操作できるユーザーインターフェースが功を奏し、One Pay FXはサンタンデール銀行の市場シェアを送金分野のスタートアップ企業であるTransferWiseやTransfergoのような競合他社から守ることに貢献している。

One Pay FXのCTO(Chief Technology Officer)であるEd Metzger氏は、同サービスを強化した背景について次のようにコメントしている。

為替レートおよび手数料が不明瞭なため、顧客は受取人にどのくらいの金額が送金されるかを把握できずにいました。加えて、国際送金には3日から5日の時間を要し、いつ完了するのかも曖昧です。このような問題は業界全体で広く認知されていたが、誰も解決できませんでした。リップル社は国際送金のスピードにまつわる問題を改善し、One Pay Fxにおける一部送金は即時に実行できるようになりました。最近、私が持つスペイン国内の口座から英国の口座に送金を行いましたが、両国の口座から数秒で取引に関する通知を受け取ることができました。

Ed Metzger, CTO of One Pay FX - Rippleより引用

リップル(Ripple)は他の仮想通貨と同一のグループに分類されているが、銀行や金融機関向けの高速かつスケーラブルな分散型決済ソリューションの構築を目的としているため、その用途は本質的に異なる。既に英国の送金会社であるXendpayやマネーグラム、スタンダードチャータード銀行、American Expressなどの企業がリップル社のソリューションを採用しているが、金融業界はどのように変移していくのか、今後もその動向を見守っていきたい。

release date 2020.07.13

出典元:

ニュースコメント

様々なテクノロジーに投資するサンタンデール銀行

1857年に設立されたサンタンデール銀行は、スペイン最大の商業銀行グループとして欧州市場を中心に存在感を示しているが、近年は様々なテクノロジーに投資することで注目を集めている。最近、サンタンデール銀行はEburyを買収し、南米やアジア諸国を含む地域で決済サービスを提供できるようになったという。また別の事業分野では、サンタンデール銀行が視覚障害者用のサッカー観戦デバイスをリリースするなど、サンタンデール銀行はデジタル戦略の一環としてブランド認知の向上を試みているようだ。一方、リップル社は国際送金ネットワークをブラジルに拡大する可能性を模索しており、現地でパートナーシップを展開している。現在、リップル社は200行以上の銀行と提携しているだけに、同社との協業は国際送金ネットワークの拡大を試みるサンタンデール銀行にとって有益なものになると言えるだろう。


Date

作成日

2020.07.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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