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Marlin、リレーネットワークのOpenWeaverをリリース

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update 2021.08.31 15:32
Marlin、リレーネットワークのOpenWeaverをリリース

update 2021.08.31 15:32

イーサリアムにおけるブロック伝播の高速化を実現

ブロックチェーン分野のスタートアップ企業であるMarlinは、イーサリアム(Ethereum)ネットワークのブロック伝播を高速化するために、リレーネットワークフレームワークのOpenWeaverをリリースしたことを発表した。[1]

発表によると、OpenWeaverはオープンソースのソリューションであり、イーサリアムのブロックチェーン上で従来よりも速くブロックを伝播することが可能だという。また、OpenWeaverはP2P(ピア・ツー・ピア)アーキテクチャを介すことで、ブロックチェーン上での取引完了をいち早くユーザーへ通知、仮想通貨取引やマイニングサービスの分野においても有効なユースケースになり得る。MarlinのCEOであるSiddhartha Dutta氏は、イーサリアムネットワークにおけるノードの60%がクラウドサービスに集中していることがリスクになると指摘し、取引処理を別のネットワークに分散すべきだと述べている。

イーサリアムを含むブロックチェーンは、ノードを介して、仮想通貨の送金などのあらゆる情報を伝達しているが、それらを全体で共有するまでに時間がかかることに加え、共有する情報を選択できないことが欠点となっている。これに対してリレーネットワークは、友人同士で秘密を共有するように、特定の取引情報が全体に拡散されることを回避できる。このアイデアは1990年代に考案されたコンテンツ配信ネットワーク(Content Delivery Network, CDN)に基づいたものである。過去には仮想通貨業界でもビットコインコア(Bitcoin Core)開発者のMatt Corallo氏がFIBREプロジェクトを立ち上げ、リレーネットワークの開発を進めていたという。結果的にFIBREは2017年3月にビットコインコアのバージョン0.14.0に組み込まれ、マイニング事業者や仮想通貨取引所が取引を高速化する手段として利用されている。

Dutta氏は将来的に全てのブロックチェーンに対し、リレーネットワークが必要になる可能性があると言及し、MarlinがOpenWeaverを開発する意義を語った。現在、Marlinの競合としてはBloXrouteがベンチャーキャピタルの支援を受けてリレーネットワークを開発しており、ブロックチェーン分析企業のAkomba Labsとトライアルを実施した際、ブロックの伝播時間を半減することに成功している。これに対してMarlinのOpenWeaverは、個人向けの分散型アプリ(DApps)などに広く利用される可能性があるようだ。

また、OpenWeaverは分散型金融(DeFi)アプリの取引を高速化するためのソリューションとしても期待されている。Dutta氏はユーザーが分散型アプリを利用する上で、低レイテンシーな接続サービスを望むと主張しているが、仮想通貨コミュニティはOpenWeaverをどのように評価するのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。

release date 2020.07.10

出典元:

ニュースコメント

スケーラビリティの改善を図る仮想通貨プロジェクト

仮想通貨の取引量が拡大するに伴い、ブロックチェーンを基礎とする多くの仮想通貨システムは、スケーラビリティの問題に直面し、その対応策を模索する状況に陥っている。代表的な例としてイーサリアムは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のシステムに移行することで解決を図ろうとしているが、今年5月にはイーサリアムの取引数が過去10カ月の最高水準に到達するなど、即効性のある対策が求められているようだ。世界最大のブロックチェーンであるビットコインはライトニング・トーチと呼ばれるプロモーション活動を38カ国以上で展開している。その他には、ビットコインSVがハードフォークを実施するなど、各仮想通貨プロジェクトは様々な方法でスケーラビリティの改善を図っているが、今後もその開発活動に注目していきたい。


Date

作成日

2020.07.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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