作成日
:2020.06.23
2021.08.31 15:32
グラミー賞にノミネートされた経歴を持つ歌手兼プロデューサーのエイコン(Akon)が、近日中にAkoin(エイコイン)と呼ばれる独自仮想通貨の発行を予定していることが明らかになった。
報道によると、エイコンはセネガルで2,000エーカー(約800万平方メートル)の敷地に巨大仮想通貨都市のエイコンシティを建設する予定で、今年初めに同国政府と土地の利用契約に最終合意したという。このエイコンシティの第1フェーズは2023年末までに完了する計画となっており、Akoinは同都市での地域通貨として利用されるようだ。Akoinは7月上旬にローンチされる可能性が高く、エイコンシティ以外にもアフリカ大陸を中心とした地域での利用が想定されている。
ホワイトペーパーによると、Akoinの発行数全体の10%はICO(イニシャルコインオファリング)を通じて販売され、別の10%は会社の幹部や顧問、取締役に分配されるという。Akoinにはエイコンを含めJon Karas氏、Lynn Liss氏の合計3名の共同創設者が存在し、Karas氏がCEO、Liss氏がCOO(Chief Operating Officer)を兼任する。Karas氏はAkoinが投資の道具ではなく、ユーティリティートークンとして開発されたと言及しており、この独自仮想通貨に実用性が伴うことを強調している。
エイコンは、セネガルで現地通貨をユーロに両替しようとした際に、フランス語圏の西アフリカ諸国で広く利用されるCFAフランが使用できなかった経験からAkoinの発想を得たと語っている。また、エイコンはこのような問題を解決するためにどのようなことも試みるとの強い意志を示しているが、Akoinのローンチを成功に導くことができるのか、今後も同氏の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.06.23
昨年からエイコンはビットコインを支持する発言を行うなど、仮想通貨市場に好意的な姿勢を示している。同時にエイコンは仮想通貨が世界にもたらす影響を重要視し、Akoinを流通させることでアフリカ経済圏に巨大なエコシステムを構築しようとしているようだ。実際にアフリカ大陸ではルワンダ国立銀行が独自仮想通貨発行の実現可能性を検証するなど、国家単位のプロジェクトが動き始めており、仮想通貨に対する期待が高まっているという。しかしながら南アフリカでは、政府当局が仮想通貨を利用した海外送金による資金流出を懸念し、南アフリカ準備銀行が仮想通貨規制の導入を計画している状況だ。金融包摂の観点から見れば、アフリカ大陸への仮想通貨市場の拡大は人々にとって利益的だと考えられるが、エイコンの構想はセネガルおよびその他諸国で受け入れられるのか、今後も同地域での展開を見守っていきたい。
作成日
:2020.06.23
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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