作成日
:2026.07.23
2026.07.23 17:39
派手なボーナスプロモーションで知られる海外FXブローカーのBigBoss(ビッグボス)が、2026年7月現在までの2ヶ月足らずの間に、各種海外FX比較サイトで「ランキング1位」の座を相次いで獲得しています。
そして、この急浮上の裏側・周辺を調べてみると、このFXブローカーと悪質なIBパートナー(アフィリエイター)による見過ごせない不自然な動きが確認されました。
昨今、海外FX業界の一部では、モラルを度外視した「何でもあり」のマーケティングが横行しています。今回は、虚偽の情報を掲載する一部の悪質なIBパートナーの実態と、自社をランキング1位とすることを条件に裏で金銭を支払っているとみられるFXブローカーの動きについて、Myforex編集部が確認できた内容をまとめました。
こうした「何でもあり」のマーケティングを象徴するバナーがあります。掲載していたのは、次章でも取り上げる、ある海外FX比較サイト(アフィリエイトサイト)です。
出典:grassvalley.jp(一部当サイトで編集)
日本人の海外FXユーザー7割以上が利用
grassvalley.jp - より引用
「迷ったらBigBoss」が業界の共通認識となっています。
grassvalley.jp - より引用
アフィリエイト系のサイトが多少大げさな表現を使うこと自体は、今さら驚くことではありません。しかし、下記表から分かる通り、上記の言い回しが妥当といえる根拠が見当たりません。もはや誇張ではなく虚偽と言っても過言ではなく、業界に長いトレーダーでも呆れてしまうのではないでしょうか。
国内からのアクセス数の比較(*1)
| ブローカー | 2026年6月 | 2026年1~6月 |
|---|---|---|
| BigBoss | 139,646 件 | 1,262,000 件 |
| XMTrading | 15,510,000 件 | 105,000,000 件 |
(*1)アクセス解析ツールの「Similarweb」で調べた結果を記載しています。
先ほどのバナーを掲載していたサイトをはじめ、複数の海外FX比較サイトでBigBoss(ビッグボス)の掲載順位を確認してみました。
2026年7月21日現在、「海外FX おすすめ」の検索結果1ページ目にある3サイトがBigBossを1位にしており、過去のWebページを閲覧できる「Wayback Machine」で調べたところ、短期間でのスコア変動が確認できました。
各サイトのBigBossのランキング推移(*1)
| サイト(順位) | 2026年5月 | 2026年7月 |
|---|---|---|
| ewarrant(1位) | 5位 | 1位 |
| grassvalley(4位) | 12位 | 1位 |
| fx-finance(3位) | 5位 | 1位 |
(*1)テーブル1列目のカッコ内の順位は、2026年7月21日時点で「海外FX おすすめ」と検索した際のGoogleでの順位です。1ページ目に表示された8つの記事の中での順位です。
わずか2ヶ月の間に、検索上位に並ぶ複数メディアで、BigBossが1位に上り詰めていました。具体的に何が起きていたのか見ていきます。
ewarrantという海外FX比較サイトは、BigBossの評価が、2026年5月21日時点の5位・84点から、7月21日時点では1位・95点(97点との表記もあり)まで上昇していました。
出典:ewarrant.co.jp(一部当サイトで編集)
評価項目は8つあり、以下の通りです。資金を預ける場としての信頼度を最優先に置き、安全性には最も大きい20点の配分としているとのことです。
同サイトによるBigBossの安全性評価は、2026年7月時点で20点満点ですが、実際のところBigBossが金融ライセンスを保有し規制下にあるとはいえません(詳細は後述)。
grassvalleyは冒頭で取り上げたバナーを掲載している海外FX比較サイトです。こちらの順位変動はより顕著で、5月12日時点で12位・78点だったBigBossは、7月21日には1位・95点へと急浮上しています。
出典:grassvalley.jp(一部当サイトで編集)
2か月前まで12位だった業者が、ここまでスコアを伸ばして1位となる点には疑問が残るでしょう。
なお、ewarrantとgrassvalleyは、パートナーコードが同一であることも分かっています。海外FX関連のSEO(検索エンジン最適化)をめぐっては、一部アフィリエイターによる強引な手法や、生成AIを使った大量生産が問題視されていますが、何らかの手口で一部の個人・団体が検索上位を不自然に操作でき得る現状が、この問題の根深さを物語っています。
2026年7月21日現在、BigBossの安全性評価はewarrantで20点満点、grassvalleyでも20点中18点となっていますが、これらの評価スコアは実態と乖離しています。
2026年7月時点では、BigBossの利用規約(Client Agreement)には契約相手として「Prime Point LLC」という会社が記されています。Prime Point LLCは、SVG FSA(セントビンセント・グレナディーン金融庁)の金融ライセンスを保有していると説明がされることがありますが、SVG FSAは、同当局自体がFX業への監督を行っていないことを公式に繰り返し表明・警告しています。
以下に記載されている「FCA」「CySEC」「ASIC」の金融ライセンスを保有するブローカーと比べて、BigBossの安全性や信頼性は劣っているというのが一般的な認識でしょう。
出典:ewarrant.co.jp
ここまで見てきた不自然な順位上昇の裏には、BigBoss(ビッグボス)から一部のIBパートナー(アフィリエイター)への直接的な金銭提供があった疑いがあります。
実際、Myforexの取材に対し、複数の業界関係者が「報酬支払いを条件に順位引き上げの打診を受けた」と証言しています。なかには「ランキング1位の掲載を条件に、年間数千万円規模のオファーがあったらしい」という具体的な情報も寄せられました。
本来であれば、こうした資金は、取引条件の改善などの形でトレーダーに還元されたり、ユーザーに対して真摯に情報発信を行うIBパートナーへ還元されたりすべきものでしょう。
しかし現実には、地道な取り組みよりも、「手っ取り早いランキング買収」が優先されている疑いがあります。虚偽の表示まで行い、ステマ同然のやり方で1位を演出する一部のアフィリエイターに莫大なお金が流れ、真面目に活動しているサイト運用者が埋もれていくような構造があるのだとすれば、看過できる話ではありません。
今回のケースは、BigBoss(ビッグボス)だけの話ではないかもしれません。取材を進めるなかでは、HFM(エイチエフエム)からも同様のランキング買収オファーが届いたとの情報もありました。
もちろん、すべての海外FXブローカーがこうした露骨な手法を取っているわけではありません。取引環境の改善や迅速な出金などの地道な改善に力を入れている健全な業者も存在します。しかし、一部のブローカーやアフィリエイターによる順位操作が常態化すれば、そうした真面目な優良業者の努力までもが埋もれてしまう可能性もあります。
また、比較サイトが本来の役割を捨てて、資金力のある業者の広告枠に成り下がってしまえば、正しい情報を求める新規トレーダーが格好の標的となり、海外FX業界そのものへの信頼が失われていくことになります。
こうした状況が広がる前に、業界としての自浄作用が求められています。
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作成日
:2026.07.23
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最終更新
:2026.07.23
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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