作成日
:2026.07.13
2026.07.13 14:17
2026年6月に改正資金決済法が施行され、クロスボーダー収納代行が規制されることになりました。規制後はクロスボーダー収納代行を介した国内銀行送金が徐々に難しくなってくるとみられています。
海外FXの出金ルールでは、原則として入金時と同じ方法で出金しなければならず、国内銀行送金で入金した資金は、出金時も国内銀行への振込で送金する必要があります。そのため、ユーザーの間では「規制で国内銀行送金が止まったら、振込で入れた資金は出金できなくなるのではないか」という不安の声も上がっています。
こうした背景から、一部の業者ではすでに出金ルールの緩和・対応を発表しています。本記事では、主要な海外FX業者10社を対象に調査・サポートへの問い合わせを行い、規制への対応状況をまとめました。
改正資金決済法では6ヶ月の猶予期間が設けられているため、6月から海外FXの国内銀行送金が使えなくなるわけではありません。実際に2026年7月時点では、多くの海外FX業者が国内銀行送金による入出金サービスを継続しています。
ただし、今後も同じように国内銀行送金を使えると考えるのは危険かもしれません。本格的に規制の影響が出始めるのは、猶予期間が終了する2026年末ごろとみられています。それ以降は、従来のようなクロスボーダー収納代行を介した国内銀行送金は、口座凍結等のリスクが高まると考えられます。
こうしたリスクに備えるために、海外FXユーザーの間では以前から、規制に備えて送金方法を仮想通貨(暗号資産)等へ切り替える動きが広がっていましたが、改正資金決済法が施行されたことでブローカー側も対応を迫られつつあるといえるでしょう。
クロスボーダー収納代行規制の本格化を控え、一部の海外FX業者は既に規制への対応を発表・実施しています。2026年7月時点で対応方針を確認できた海外FX業者は以下の4社です。
Axi(アクシ)は2026年5月末にユーザーに配信したメールの中で、過去の入金履歴を一度リセットすることを発表しています。国内銀行送金・オンラインウォレットの負け越しがある場合でも、リセット後は仮想通貨で元金・利益を出金できます。
当該メールには申告が必要である旨が記載されていましたが、詳細をサポートに確認したところ、対象ユーザーの履歴はすでにリセット済みとの回答がありました。そのため、ユーザー側でリセットを申請する必要はないようです。
なお、リセット後も基本的な出金ルールに変更はありません。そのため、今後新たに国内銀行送金で入金した資金についてはこれまでと同様に、国内銀行送金で出金する必要があります。
Milton Markets(ミルトンマーケッツ)では、国内銀行送金による入出金を停止しています(2026年7月時点)。停止の理由を確認したところ「昨今の規制の影響により、国内銀行送金による出金サービスを停止しています」という回答がありました。
同社の出金ルールでは、入金時と同じ方法・金額で出金しなければなりません。そのため、本来は国内銀行送金で入金した資金は、同様に振込で出金する必要があります。
過去に国内銀行送金で入金した資金についての対応も質問したところ、「マイページに表示されているPeskaや仮想通貨等の別の方法で出金を申請してください」とのことでした。そのため、国内銀行送金の入金履歴が原因で、出金できなくなるという心配はなさそうです。
2026年7月1日にはXMTrading(エックスエムトレーディング)もAxiと同様に入金履歴をリセットする特別措置を実施し、6月30日以前の一部の入金履歴をリセットしたことを発表しています。
リセットの対象となったのは、国内銀行送金での出金が必要な以下の入金履歴です。
ただし、同社が実施したリセットはあくまでも1回限りの特別な措置です。7月1日以降に新たに国内銀行送金で入金した場合は、従来通り振込で出金する必要がある点に注意しましょう。
XS.com(エックスエス)についても、基本的な出金ルールに変更はなく、原則として従来通り入金時と同じ方法で出金する必要があります。
ただし、2026年6月2日に配信したメールの中で、国内銀行送金で入金したものの、同じ方法で出金できなくなった場合は出金方法の変更について相談に応じるとしています。
なお、同社は代替方法による出金は自動的に承認されるものではなく、個別に審査を行ったうえで可否を判断すると説明しています。そのため、出金方法を変更する場合は、サポートへ連絡する必要があるようです。
今回は2026年7月6日時点で規制への対応を公表していない海外FX業者6社を対象に、以下の2点を直接確認・調査しました。
結論として、対応状況はブローカーによって異なるものの、基本的には「従来通り入金時と同じ方法で出金する必要がある」という点はどのFX業者も変わりません。そのうえで万が一、国内銀行送金が使えなくなった場合には、別の方法での出金を検討・案内するというケースが多いようです。
BigBoss(ビッグボス)は、もともと出金方法の優先順位が比較的自由なブローカーです。
クレジットカードで入金した資金については、入金後2ヶ月以内に出金する場合、入金額相当分を同じカードへ出金する必要があります。一方で、それ以外の入金方法や、取引で得た利益については、出金方法を自由に選ぶことが可能です。
そのため、国内銀行送金で入金した元金や利益を仮想通貨(暗号資産)で出金することもできるので、BigBossでは規制の影響は比較的受けにくいと考えられます。
Exness(エクスネス)については出金ルールに変更はありません。以下、Exnessの回答です。
銀行振込で入金した資金をその他の方法にて出金が可能かとの点につきましては、弊社では出金は過去にご利用いただいた入金方法およびその利用割合に基づいて決定されますため、今後銀行振込でご入金をいただきました場合には、ご出金につきましても銀行振込にてお手続きいただく必要がございますこと、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
引用元情報 - Exnessの回答より引用
なお、「今後の出金ルールを変更があるか」とのご質問に関しては、現時点では変更予定やそのような発表はございませんが、今後入出金方法や対応方針につきまして変更や追加の対応が決定した場合には速やかにご案内させていただきます。
引用元情報 - Exnessの回答より引用
FXGT(エフエックスジーティー)についても従来通り、入金時と同じ方法で出金する必要があります。
原則、入出金は同一経路で行っていただく必要がございます。
銀行振込にてご入金いただいた場合、入金額までは同一経路でご出金をお願いいたします。
また、出金ルールについて現状変更はございませんが、具体的な変更等がある場合は改めてご案内できるよう努めておりますのでご理解のほどお願い申し上げます。
引用元情報 - FXGTの回答より引用
HFM(エイチエフエム)も現状従来のルールから変更はありません。同社は複数の送金ルートを確保することで規制に対応する方針を示しています。
万が一、銀行送金による出金が円滑に進まない状況が発生する場合には、そのほかの決済方法によってお客様の大切なご資金をお客様へお返しすることを最優先に対応すべく、収納代行業以外の決済機関とも常に打ち合わせを行っております。
引用元情報 - HFMの回答より引用
弊社といたしましてはグローバルに展開する複数の国際的決済機関を通じて最終的に登録のある資金移動業を提供する会社を採用しており、また最終的に日本に登録のある収納代行との取組方針を掲げております。
そのため、引き続き銀行送金による出金オプションを継続して提供いたします。
引用元情報 - HFMの回答より引用
ただし、金融庁は2026年5月22日に公開した「コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」の中で、「無登録業者との取引がある収納代行業者は登録拒否要件に該当する」という見解を示しています。
国外所在の無登録金融商品取引業者のために資金決済法第2条の2に規定する行為を営む者が資金移動業者の登録を申請したとしても、登録拒否要件(同法第40条第1項第4号)に該当し、登録が認められないため、無登録で為替取引を営む者として取締りの対象となることにご留意ください。
コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 - より引用
そのため、同社が本当に国内で登録された収納代行業者を利用できるのかという点については懸念が残るといえるでしょう。
ThreeTrader(スリートレーダー)についても出金ルールに変更はありません。現状では国内銀行送金で入金した資金は、同様に振込で出金する必要があります。
お客様よりご照会いただきました、国内銀行送金の継続性および当該手段がご利用いただけなくなった場合の出金方法につきまして、担当部署にて確認を行いました。
まず、国内銀行送金によるご出金につきましては、現時点においては引き続きご利用いただける見込みでございます。
一方で、本件は法令・規制の改正動向ならびに各金融機関および決済事業者の運用方針等の影響を受ける可能性があるため、将来にわたり同様の取扱いが継続されることを確約することはいたしかねます。
また、仮に金融機関側の判断により国内銀行送金の取扱いが制限された場合であっても、その判断および運用変更の有無は各金融機関および決済事業者の管理領域に属するものであり、当社において個別の制限発生の有無や時期を事前に予測することはできかねます。
そのうえで、当社の出金に関する運用につきましては、マネー・ローンダリング防止(AML)および関連法令・規制への適合を目的として定められており、出金方法は過去のご入金実績および各入金手段の比率等に基づき管理されております。
そのため、個別のお客様のご事情に基づく出金方法の変更や例外対応につきましては承っておりません。
引用元情報 - ThreeTraderの回答より引用
本件に関しましては、今後の法令・規制動向および運用状況を踏まえ、関係部署にて継続的に確認および検討を行っておりますが、現時点で具体的な運用変更予定についてご案内できる事項はございません。
今後、出金方法に関する運用変更等が生じた場合には、お客様ページ内のお知らせ等を通じて速やかにご案内申し上げます。
引用元情報 - ThreeTraderの回答より引用
上記のように今後の規制の状況によっては方針が変更になる可能性もあるため、定期的に情報を確認したほうが良いでしょう。
Titan FX(タイタンエフエックス)も従来のルールから変更はありません。
国内銀行送金は、現在ご利用いただける入出金方法の一つでございます。
銀行口座の利用制限等につきましては、各金融機関の判断やお客様の口座状況など、さまざまな要素に基づき判断されるものと認識しております。
そのため、個別の金融機関における判断については、弊社では分かりかねますことをご了承ください。
弊社では、国内銀行送金のほか、仮想通貨やオンラインウォレットなど、複数の入出金方法をご用意しております。お客様のご状況に応じて、ご検討いただけますと幸いです。
引用元情報 - Titan FXの回答より引用
現状では決められた優先順位に従って出金する必要があり、国内銀行送金で入金した資金は振込で出金します。
Titan FXの出金ルールでは以下の優先順位(上から順に優先)に従って出金する必要があります。
・Apple Pay
・クレジットカード
・bitwallet
・STICPAY
・Peska
・国内銀行送金
・仮想通貨
例えば、Peskaと仮想通貨で入金した場合、先にPeskaで入金した元金を出金しなければ、仮想通貨送金で入金した資金を出金することはできません。
ただし、Titan FXでは仮想通貨送金で新たに入金することで、国内銀行送金で入金した元金を出金することができます。同社の出金ルールでは、仮想通貨送金よりも国内銀行送金の優先度が高くなっています。22026年2月にMyforexが同社のサポートに確認した際には、国内銀行送金で入金した元金を出金していない状態で、新たに仮想通貨で入金し、国内銀行送金で出金することで振込分の元金を出金できるとの回答がありました。
そのため、現在、国内銀行送金で入金した5万円の負け越しがある場合、仮想通貨で10万円を入金して国内銀行送金で出金すれば、振込分の負け越しを解消できるようです。以下は、国内銀行送金分の負け越しがある場合の出金手順の一例です。
手順1
国内銀行送金分の負け越しが5万円ある状態で、仮想通貨で新たに10万円を入金します。
手順2
取引後(損益0円とする)に、優先順位に従って国内銀行送金で5万円を出金します。
手順3
残り5万円を仮想通貨で出金します。
過去に国内銀行送金で入金している場合は、可能であれば規制が本格化する前に国内銀行送金で入金した分を出金しておいたほうが良いかもしれません。
現状では一部のブローカーを除き、国内銀行送金による入出金が可能ではあるものの、猶予期間が終了する年末以降はクロスボーダー収納代行を介した銀行送金は、口座凍結などのリスクが高まる恐れがあります。規制に備えて海外FXトレーダーが今できることをまとめました。
国内銀行送金で出金しなければならない資金がある場合は、極力2026年末までには出金しておいたほうが良いでしょう。
また、bitwalletのように仮想通貨(暗号資産)に対応していないオンラインウォレットにも同様のリスクがあります。bitwalletと国内銀行間の送金にはクロスボーダー収納代行が使用されているため、海外FX業者からbitwalletまでは出金できても、ウォレットから国内銀行へ送金できなくなるおそれがあります。
可能であればbitwalletの入金履歴がある方も、年末までに出金しておいたほうが良いかもしれません。
なお、ブローカーによって細かなルールは異なりますが、入金方法によっては国内銀行送金で出金しなければならないケースもあります。特にクレジットカードで入金した資金については、入金から一定の期間が経過すると国内銀行送金で出金しなければならない場合もあるため注意が必要です。
2026年7月時点では、国内銀行送金に代わる主な海外FXの送金手段として以下の2つが注目されています。
仮想通貨の安全な送金ルートについては現在でも議論が続いており、海外FXユーザーの間ではルートを模索する動きもあります。中でも無難とされているのが国内取引所から海外取引所を経由してブローカーに送金するルートです。
国内取引所によっては、送金が可能な海外取引所のリストを公表している場合があります。こうした国内取引所からリストに記載されている海外取引所を経由してブローカーに送金するルートであれば、国内取引所側の口座凍結等のリスクを抑えられると考えられます。ただし、初めて上記のようなルートで送金する場合は、念のためブローカー側にもこういったルートで送金しても問題がないか確認したほうが良いでしょう。
また、bitwalletの代替手段として、BXONEやPeskaといった仮想通貨送金が可能なオンラインウォレットも今後の有望な送金方法として注目を集めるようになってきました。今後は、普段利用している送金方法が使えなくなった時に備えて、複数の送金方法を用意しておいたほうが良いかもしれません。
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作成日
:2026.07.13
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最終更新
:2026.07.13
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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