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ルワンダ国立銀行、独自仮想通貨発行の実現可能性を検証

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update 2021.08.31 15:30
ルワンダ国立銀行、独自仮想通貨発行の実現可能性を検証

update 2021.08.31 15:30

肯定的な姿勢を示すも実用性や運用方法に懸念

ルワンダ国立銀行(National Bank of Rwanda)【以下、NBRと称す】が、中央銀行による仮想通貨の開発および発行の実現可能性について検証していることが明らかになった。[1]

今月22日の報道によると、ルワンダの中央銀行であるNBRは独自の仮想通貨を活用し、取引の効率化と経済成長を促進する方法を模索しているという。また、NBRに加えてルワンダの金融規制当局は、カナダやシンガポール、オランダなどでのブロックチェーン開発に関する取り組みを綿密に研究しているようだ。

NBRでディレクターを務めるPeace Masozera Uwase氏は、このことに関して次のようにコメントしている。

どのように法定通貨を仮想通貨に置き換えて配布し、その上でどの程度トランザクションを高速化できるかに関して懸念があります。また、システムダウンなどが発生した場合、それによって発生した問題にどのように対処すれば良いのでしょうか?決断は準備が整ってからとなるでしょう。

Peace Masozera Uwase, Director-General of the Financial Stability Department at NBR - Bloombergより引用

NBRと同様に世界各国の中央銀行が独自仮想通貨を発行する可能性を検討しており、韓国の自治体が独自仮想通貨の開発を検討している他、先月初めにはリブラ(Libra)に対抗する形で中国人民銀行が独自仮想通貨を開発していることが明らかになった。NBRは独自仮想通貨の発行に肯定的だが、仮想通貨関連の詐欺などに対しては警戒心を露わにし、今年5月末には国民に喚起を促したようだ。近年、アフリカではインターネットの普及と共に、サイバー犯罪が拡大しているが、NBRはこれをどのように見ているのか、今後もルワンダ市場の動向には注目していきたい。

release date 2019.08.26

出典元:

ニュースコメント

時代と共に変異するアフリカの詐欺事情

手紙を利用して裕福な先進諸国の人々から金銭を騙し取る手法であるナイジェリアの手紙に代表されるように、アフリカでは国際的な詐欺行為が頻繁に発生しており、各国政府はその対応に頭を悩ませているという。時代の移り変わりと共にその詐欺手法は変異し、今では電子メールやチャットアプリケーションを介して銀行預金や仮想通貨が狙われるケースも増えてきているようだ。ほとんどのアフリカ諸国では未だ仮想通貨市場が成立しておらず、国内で直接的な被害が発生するケースは稀であるが、将来的な発展や膨大な仮想通貨需要が眠っていることを考慮すると、このような詐欺がはびこっている事態は憂うべく問題であると言えるだろう。昨年10月には大手仮想通貨取引所のバイナンスがウガンダで仮想通貨取引所をスタートさせるなど、アフリカ市場の開拓にも少しづつ動き出しているが、独自仮想通貨の発行を検討するルワンダ政府に何かしらの対策はあるのか、今後も当局の取り組みを見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.26

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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