作成日
:2020.05.12
2021.08.31 15:33
現在、仮想通貨コミュニティではビットコインの半減期に関する議論が過熱しており、長期的に同仮想通貨の価格上昇が期待されているが、短期的にはこれがマイナーに深刻な影響を与える可能性があるとの懸念が浮上している。
ビットコイン(Bitcoin)のネットワークに参加するマイナーは半減期と共にマイニング報酬が減少するリスクを抱えており、損失に耐えられない、または、競争力の低いマイニング機器を利用する中小規模のマイニング事業者が存続の危機を迎えているという。これまでの傾向を見ればビットコインは半減期後に希少性を増して価格が上昇し、マイニング事業者が収益性を確保できる水準にまで到達すると考えられるものの、それには少なくとも12カ月から18カ月の時間がかかる見通しだ。フィンテック企業であるTwo PrimeのCEO兼共同創設者であるMarc Fleury氏は、半減期がマイニング事業者にとって致命的な収益ダウンにつながるとコメントしている。加えて、Imperium InvestmentsのマネージングパートナーであるNathan Nichols氏は、マイニング報酬が電力コストをカバーできなければ、マイニング事業者が保有するビットコインを現金化し、一時的に売り圧力が高まる可能性があると述べた。また、Nichols氏はビットコインのネットワークにおけるハッシュパワーの30%から40%が型落ちのマイニング機器によって生み出されていることに触れ、これをきっかけに多くのマイニング事業者が離脱すると予想している。
一方、Fleury氏はマイニング事業者が忍耐強く事業を継続させてきた事実を指摘し、これらの企業は適正価格になるまでビットコインを手放さない傾向があると主張した。実際にマイニングの電力コストだけで1BTCあたり3,000ドル前後を要する時期があったが、2019年に仮想通貨市場がクラッシュした際にもマイニング事業者は売りに転じず、同価格が変動費を大幅に下回ることはなかったという。従ってBoston Trading Co.のCFO(Chief Financial Officer)であるJeremy Brittonは、半減期後にビットコイン価格はその倍の6,000ドルを底値にすると推測している。同じくFleury氏も半減期を石油の減産に準えてビットコイン価格が上昇に向かうとの見解を示した。
Decred.orgの寄稿者であるSteven Wagner氏は、今回の半減期が3回目であることに言及し、ビットコイン価格の変動が自己実現的な予言のようなものだと説明した。これに関してFleury氏は、多くの人々が市場の効率性を信じており、入手可能な全ての情報が既に価格に織り込まれているべきだと論じた。しかしながら同氏は、従来の投資市場と比較して仮想通貨市場の透明性が低く、クジラと呼ばれる大口のマイナーに操作されている可能性があることも示唆している。
これに加えてFleury氏は、ストック・フロー比率(Stock to Flow)や安全資産としての認識の高まりがビットコイン価格を主導し、マイナーの動向に起因する影響が弱まることもあり得ると警告した。結論的にFleury氏は自己の判断で仮想通貨市場の展開を見極めるよう促しているが、ビットコイン価格はどのような推移を見せるのか、今後も同仮想通貨の動きに注目していきたい。
release date 2020.05.12
これまで仮想通貨市場では、年初からビットコイン価格が1万ドルを超え3カ月ぶりの高値を更新するなど、半減期を前にマーケットセンチメントが楽観的な方向に振れていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でその様相が一変している。今年3月にはビットコイン価格が3,000ドル台にまで急落し、仮想通貨のローン市場でマージンコールが発生する要因となった。その後、ビットコイン価格は低迷する株式市場や原油市場からの資金流入で押し上げられ、再び1万ドル台に復帰したものの、過去の半減期に観測されたようなケースとは明らかに異なる動きを見せているようだ。Bitcoin Associationの会長であるJimmy Nguyen氏を始めとする著名な人物の中には、マクロな経済的要因と比較して半減期が重要なイベントになり得ないと主張する者も存在するだけに、今回、ビットコインの供給減が価格上昇に結びつかない可能性もあると言えるだろう。
作成日
:2020.05.12
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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