作成日
:2019.12.17
2021.08.31 15:29
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、同国の独自仮想通貨であるペトロ(Petro)を公務員や軍関係者、その退職者にクリスマスのボーナスとして配布すると発表したことが、地元紙の報道で明らかになった。
報道によると、今回、ベネズエラ政府は今年5月にローンチした公式の仮想通貨ウォレットであるPetroAppにサインアップした者を対象に、0.5ペトロ(30ドル相当)のエアドロップを実施するという。PetroAppはペトロをサポートする唯一の仮想通貨ウォレットであり、ユーザー間の送金だけでなく、モバイルアプリケーションを介して商品やサービスへの支払いも行うことができる。また、PetroAppは他の仮想通貨を取引する機能も有しており、配布されたペトロをビットコイン(Bitcoin)やライトコイン(Litecoin)、ダッシュ(Dash)などに交換することも可能だ。
これまでマドゥロ大統領はベネズエラ銀行にペトロ受入を命令すると同時に、国家主導のソーシャルハウジングイニシアチブに支払いをペトロで済ませるよう指示するなど、2018年10月のペトロ立ち上げ以来、様々な方法で同仮想通貨の普及に努めてきた。加えて、昨年末にベネズエラ政府は年金をペトロで支給することも決定しており、法定通貨であるボリバルの流通を制限する動きを見せた。ベネズエラの最低賃金は月10ドル以下に設定されているため、ペトロのエアドロップはPetroAppの利用を加速する強力なインセンティブとなり得るが、マドゥロ大統領もこれが良いきっかけになると発言している。
既にペトロはベネズエラで1年以上も流通しているものの、それによって国内経済が有機的な成長を示すことはなかったという。マドゥロ大統領は全国の地方自治体の支援を目的に50万ペトロの供給を発表したことに加え、企業にもペトロの導入を促して約400社の賛同を得ているが、この取り組みがどのような結果を生むのか、今後もベネズエラでの展開に注目していきたい。
release date 2019.12.17
ハイパーインフレーションに苦しむベネズエラでは、ペトロが代替通貨としての役割を担うことが期待されていたが、マドゥロ大統領や中央政府の思惑とは裏腹に、国民は同仮想通貨の価値に疑問を抱いているという。もともとペトロはベネズエラ国内に埋まっている石油やレアメタルなどの天然資源を裏付けに発行されたものの、掘削や生成技術を提供する米国との関係が悪化したことで、その産業自体が成り立たなくなってしまったようだ。更に追い討ちをかけるように、今年3月にはトランプ大統領が米国民のペトロ取引を禁止し、同仮想通貨は国際的な仮想通貨市場から完全に締め出される形となった。このような事態を受けベネズエラ国内では、ビットコインの需要が高まりを見せており、先月もその取引高が過去最高を記録したばかりだ。既にペトロは失敗に終わったとの声も聞こえてきているが、ベネズエラ政府はここから挽回することができるのか、今後も当局の動向を見守っていきたい。
作成日
:2019.12.17
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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