作成日
:2019.12.10
2021.08.31 15:29
ドバイを拠点にする仮想通貨取引所のBTSEは、Blockstreamがビットコイン(Bitcoin)のサイドチェーンを基礎に構築したLiquid Networkを利用し、5,000万ドル規模のトークンセールを企画していることを発表した。
発表によると、BTSEは2020年3月に合計2億通貨の独自トークンを発行し、その内の5,000通貨を、1通貨あたり1ドルで販売して資金調達を試みるという。BTSEは、調達した資金を収益性の向上やプラットフォーム開発、流動性の確保、ユーザー獲得などに使用するのに加え、仮想通貨レンディングや店頭取引(OTC)、マイニング関連サービスの立ち上げにも投資することを公表している。現在、BTSEは、ビットコイン、イーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(Litecoin)、モネロ(Monero)、テザー(Tether)、トゥルーUSE(TrueUSD)、USDコイン(USD Coin)の取引サービスを提供するに留まっているが、この事業拡大で同取引所全体の売上が2019年に270万ドル、2020年に1億350万ドル、2021年に3億2,340万ドルに到達するとの予想を立てているようだ。
BTSEは、発行した独自トークンの1億通貨分を3年かけて買い戻し、バーン(焼却)することを約束しており、更にトークンセールから3カ月間、同社の仮想通貨取引およびマイニング事業で稼いだ利益の30%もその費用に充てると言及している。これによってBTSEの独自トークンを保有するユーザーは、同取引所における取引手数料の割引とリベートの特典が付与されるだけでなく、継続的な価格上昇の恩恵を受けることになる。
Liquid NetworkにおいてBTSEは最初の案件となる見通しだが、他にも、ゲーム開発を目的に1,600万ドルの資金調達を希望するPixelmaticや、私募証券の取り扱いを計画するZenus Bankなどが同時期にトークンセールを実施するようだ。これが成功すれば、Liquid NetworkやRSKなどを含むビットコインのサイドチェーンを利用したICO(イニシャルコインオファリング)プラットフォームが、イーサリアムの代替として有用であることが示される。このことに関して、BTSEのグローバルマーケティングディレクターであるLina Seiche氏は、ビットコインの安定性とセキュリティ性能に言及すると同時に、イーサリアムよりも簡単でスマートコントラクトのバグによるリスクを軽減できると述べている。
これまで仮想通貨市場ではICOが盛んに行われてきたものの、2018年後半に入ってICOプロジェクトによるイーサリアムの大規模な売却が問題となったため、最近、新しいICOプラットフォームの登場が望まれていた。2019年初めにバイナンスのICOプラットフォームで新規トークンが即完売するなど、大手取引所の独自ブロックチェーンを利用したサービスも台頭しているが、この流れは今後も加速していくと言えるだろう。
release date 2019.12.10
新たな資金調達手段として注目を集めたICOは、詐欺的な行いが横行したことや各国で規制が強化されたことが影響し、2017年末をピークに,、その数および規模が減少傾向にあるようだ。トークンセールの情報サイトであるICOdataの統計によると、最も盛んだった2018年には1,253件のICOプロジェクトがローンチされ、1月にはその資金調達額が月間15億ドルに到達、通年ではその額が78億ドルを突破したという。一方、2019年これまでに実施されたICOプロジェクトは、その件数が約100件程に留まっており、資金調達額の合計も3億6,000万ドルを上回る程度だ。完全にICOバブルが弾けた状況にあると考えられるが、コインベースがIEOおよびSTOプラットフォームの立ち上げを模索するなど、大手取引所の信頼を後ろ盾に新しいサービスを生み出そうとする動きも起こっている。仮想通貨市場はまだまだ資金供給が必要なだけに、将来的にLiquid Networkや他のICOプラットフォームがその役割を果たすことに期待したい。
作成日
:2019.12.10
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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