作成日
:2019.11.11
2021.08.31 15:29
ビットコイン(Bitcoin)価格が9,000ドルを下回ったことを受け、主要な仮想通貨であるイーサリアム(Ethereum)価格が6%、リップル(Ripple)価格が14%近く急落した。
今年6月26日以降、ビットコイン価格は下降線を描く平行チャネル内で調整する動きを見せており、上下のトレンドラインに触れては中央の価格帯に戻す展開が続いていた。この下向きのトレンドの発生により、MACD(移動平均収束拡散法)も弱気なシグナルを示し、短期(12日間)の指数平滑移動平均線が長期(26日間)を下抜けば、ビットコイン価格の更なる下落が誘発される可能性があることを示唆している。現在、ビットコイン価格は8,600ドル付近にある50日平均移動線の支持線を試しに向かっているが、この価格帯には50%のフィボナッチ比率線およびトレンドラインが存在するため、買い勢力の強いサポートがあることが予想できる。また、3日足チャートでも長期的に上向きのブレイクアウトが継続する可能性があることがわかるものの、売り圧力が高まった場合、ビットコイン価格が6,900ドル付近にまで後退する展開もあり得るようだ。
イーサリアム価格は9月26日および10月23日の153ドルを底に、3日足チャート上で75%のフィボナッチ比率線が存在する価格帯にダブルボトムを形成し、強気なトレンドへと移行しつつあることを呈したが、先月末から180ドルから192ドルの間での小幅な値動きが継続している。この価格帯を超えてブレイクアウトすることがあれば、イーサリアム価格は次の展開に進む可能性があり、その下限は168ドルまたは157ドル、上限は207ドルまたは50%のフィボナッチ比率線がある223ドルラインがターゲットとなるだろう。
先日、リップル社がRippleNet Homeを発表したにも関わらず、リップル価格は短期的な下降トレンドに見舞われており、3日足チャートではTDシーケンシャルインディケーターも売りシグナルを出しているようだ。現在、リップル価格は30日平均移動線を支持線としているが、ここが突破された場合、0.26ドルから0.24ドルまで後退することが現実味を帯びてくる。40年のトレーディング経験を持つPeter Brandt氏によると、リップル価格はダイヤモンド型の底を形成し、トレンドが転換する機をうかがっており、それが現実のものとなった際には50%上昇となる0.47ドルを目指す可能性もあるという。
仮想通貨市場全体は短期的に弱気な動きを見せているが、長期的には年初からの楽観的なセンチメントが継続している状況だ。今年6月にはビットコイン価格が1万ドルを突破し、仮想通貨価格の更なる上昇に投資家の期待も高まっているだけに、今後も仮想通貨市場の展開に注目していきたい。
release date 2019.11.11
近年では多様なアルトコインが台頭しているが、仮想通貨市場全体がビットコイン価格の動向に依存する状況は変わらず、投資家の注目も同仮想通貨の去就に集中しているようだ。特に2020年5月中にはマイニング報酬が減少する半減期を迎えるため、それに向けてビットコイン価格は緩やかに上昇し、仮想通貨市場全体の復調を牽引する役割を担うと予想されている。半減期は仮想通貨価格の上昇を約束するものではないが、今年6月にも半減期を目前にしたライトコイン価格が1年ぶりの高水準に達するなど、過去のケースでは軒並み期待通りの結果を示している。しかしながら、マイニング報酬が半減することに付随する問題も存在し、マイニングリソースが不足してシステムを維持できなければ、仮想通貨価格の暴落を招く可能性もあると言えるだろう。今回、他の仮想通貨価格にマイナスの影響を与えただけに終わったが、今後はビットコイン価格が来年にかけて続伸していくことに期待したい。
作成日
:2019.11.11
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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