作成日
:2019.06.24
2021.08.31 15:26
先日、Facebook(フェイスブック)が独自に開発を進める仮想通貨プロジェクトであるリブラ(Libra)の詳細が発表された後、ビットコイン(BTC/USD)価格は遂に1通貨あたり1万ドルの大台を突破した。
ほとんどの仮想通貨が一桁台の小規模な下落を記録する中、Facebookによるリブラの発表は一般投資家の関心を集めたことで、ビットコイン価格を押し上げる要因となった可能性がある。その日のビットコインの取引高は215億ドルまで急騰し、力強い上げ相場を印象付けたが、現在は落ち着きを取り戻し堅調な価格推移を見せている。
この強気なトレンドが継続するかは明らかではないが、半減期が1年以内に迫っていることは、ビットコイン価格にとっては好材料だと言えるだろう。ビットコインが半減期を迎えると、マイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに減少し、極端に低下する供給量と相対的に需要多寡となる状況が生じることが予測される。加えて、アルトコインが好調なこともビットコイン価格の上昇を支持しており、直近では前日比で8%増となったイーサリアム(Ethereum)、5.3%増のビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、5.8%増のバイナンスコイン(Binance Coin)などが市場を牽引しているようだ。
2017年、ビットコイン価格は初めて1万ドルを突破した後、わずか18日間でピークの2万ドルにまで一気に高騰した。今回、1万ドルを記録したのは2018年3月から約15か月ぶりとなるが、価格を押し下げる目立った抵抗線もチャート上には見られないため、投資家や仮想通貨コミュニティは、ビットコイン価格が再び2万ドル台に早期復帰することを期待しているだろう。
release date 2019.06.24
足元の数か月、様々な要因に好調を支えられてきたビットコインだが、アナリストの中にはこの動きが最高値の2万ドルを超えても継続する可能性があると予想する者も出てきているようだ。その根拠としては、機関投資家の参入で2017年時の仮想通貨バブルの際と比較してもより安定的な需要が生じていることに加え、スケーラビリティ問題の解決やセキュリティの改善など、技術的な進歩が見られることが挙げられている。他の仮想通貨の例から見ると、ビットコイン価格も半減期近辺で直近のピークを迎えると考えられるが、それまでに仮想通貨市場では、イーサリアムのハードフォークやFacebookに対する米議会の公聴会、米国でのビットコインETF審査期限、その他影響力が高そうなイベントが控えている状況だ。これらの結果次第ではビットコイン価格は2万ドルに到達し、その先も見えてくるが、果たしてどのような展開になるのか、今後の価格推移には注目していきたい。
作成日
:2019.06.24
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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