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フランス当局がG7の仮想通貨タスクフォースを発足へ

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update 2021.08.31 15:26
フランス当局がG7の仮想通貨タスクフォースを発足へ

update 2021.08.31 15:26

欧州中央銀行の役員が組織の指揮をとる

今月21日、フランス中央銀行総裁であるFrancois Villeroy de Galhau氏は、フランス当局がG7における活動の一環として仮想通貨タスクフォースの立ち上げを計画していることを明らかにした。[1]

Villeroy de Galhau氏によると、このタスクフォースは投資家保護からマネーロンダリング対策(AML)まで、仮想通貨のコンプライアンス基準について検討するという。現在、フランスが議長国となっていることもあり、欧州中央銀行の役員を務めるフランス出身のBenoit Coeure氏がこのタスクフォースを率いることが決定しているようだ。

最近、Facebookが独自の仮想通貨、リブラを発表したことを受けて、G7加盟国の中央銀行や政府機関はその取り扱いについて言及しており、イングランド銀行(Bank of England)のMark Carney氏は、中央銀行の厳しい監視が必要だとの意見を呈した。また、フランス当局はFacebookの試みに反対こそしていないものの、リブラが世界の統一通貨となる可能性を否定しいる状況だ。一方でVilleroy de Galhau氏は、堅固な規制が構築できれば社会全体の利益になるとの評価を下している。

先日米国では、上院議会がリブラを検証するために公聴会を開催することを発表しており、Facebookへの不信感が表面化してきている。これまでFacebookはユーザーの個人情報を悪用するなど、プライバシー侵害に該当する行為を行ってきたため当然の対応だとも言えるが、公聴会の結果次第では同社プロジェクトの停止もあり得るだけに、今後の展開にも注目していきたい。

release date 2019.06.24

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の台頭で警戒心を強めるG7

今月、日本で開催されるG20サミットでは、マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策(CFT)を軸に仮想通貨に関する規制の枠組みが加盟国の間で議論される。更にその中の主要国で構成されるG7でも、国際的な金融や経済に関する規制フレームワークの確立が検討されており、仮想通貨も無関係ではなくなっている状況だ。例えば、G7の行動計画の中には、国際取引における現金の流れを明確化かつ制限するために、現金の携帯輸出入申告の敷居値を引き下げることや、プリペイドカードの取り扱いを厳格化する提案が盛り込まれているという。今回、仮想通貨タスクフォースが立ち上げられた背景には、ステーブルコインやリップル(Ripple)などの仮想通貨を利用した国際送金ソリューションが台頭してきたことへの警戒心の高まりがうかがえる。ますます国際社会での影響力を強めていく仮想通貨だが、G7は各国とどのように連携を取っていくのか、今後の対応に期待したい。


Date

作成日

2019.06.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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